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ハレルヤローンに身を売らなければならない事態をわたしのために頑張ってくれた賢一さんはもしかすると、弟の恋人だから新二くんに遠慮をしているのかもしれないと思うようになった。
台湾に行きたかったけど、婚約者になる条件として台湾に訪ねていくことを禁止されていた。
紳士的な彼はきっと間違いがあるといけないと思っていたんだと思う。
3年の予定の海外勤務が2年で帰ってきたのは本当はわたしと過ごしたかったからかもしれない。
新二さんに気を使って、賢一さんのプライベートには関わらないことという約束をしていたから、合法的に会える方法としてご両親との食事会を提案したことで定期的に会うことができた。
賢一さんが帰国してから新二さんの執着がひどくなり頻繁に身体を求めてくるようになった。
そんな時、賢一さんに恋人がいることを知った。
新二さんに見せてもらった写真の賢一さんはわたしが見たことのない笑顔だった。
学生時代に付き合っていたような地味な女かと思ったのに一緒に写っていた女性は綺麗な人だった。
悔しかった
そして怖かった
わたしが何年かけても手に入れられないものを持っているこの女を排除しないといけないと思った。