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ボツ案の廃棄場所

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15

第17話 ライム×ローズ 前編

♥

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2024年04月05日

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Slup 前編

両思いに気付くまでの話

Sさん→レイラーさんの描写がありますが、しっかりスレウパです。

ウパさん→←Sさん(→)レイラーさん

って感じです。くどいですがスレウパです。

レイレイではないです。

途中クッソ暗いけど最後は甘いから!!



sideローズ





「あの…自分、レイラーさんの事が好きなんですよね…。それで、レイラーさんに想いを伝えたいんですけど…どうしたらいいですかね?」

桜が空一面に燃える春の日、一年間に及ぶ私の恋に他ならぬ想い人___レイマリさんの口から終止符が打たれた。

貴方の頬は桜と同じ淡いピンクに染まっていて、私が入り込む隙なんて無いくらい、レイラーさんの事が好きだということが窺えた。

「すみません、急にこんな事相談して…。でも、相談できる人なんてウパさんしかいなくて…」

あはは、と笑ってレイマリさんは頬を掻く。そんな動作一つですら愛おしく感じ、自分がいかに重度の恋煩いをしているのか分かる。

「そう、だな…。やっぱり、直接伝えるのがいいんじゃないですかね」

言いながら、手を強く握りしめる。情けなくレイマリさんに縋り付いてしまわないように、強く強く。

「うーん、やっぱりそうですよね……。よし、覚悟が決まりました!明日、レイラーさんに告白してみます!」

「それは…頑張ってください。私は応援してますよ 」

「ありがとうございます!やっぱりウパさんに相談して良かった!お礼は今度必ずします!」

そう言って、レイマリさんは笑顔で駆け出して行った。キラキラとして、眩しい___私が好きになった笑顔。その笑顔が私以外に向けられるのは、悔しくて悔しくて堪らないけれど、彼がそれで幸せになれるなら、それでいい。

桜が燃える河川敷に一人残された私は、桜が散る光景をぼうっと眺めていた。風に撫でられるたび、儚く美しく空に消えていく花弁。

私の恋心もこの花弁みたいに綺麗に消えてくれれば良かったのに、生憎私の恋心は花弁のように綺麗でも、儚くもなかった。

やがて目を開けているのすら億劫になって、ゆっくりと瞼を閉じる。大丈夫、ではないかもしれないけど、レイマリさん達が恋人になったら盛大に祝おう。それくらいならできるはずだ。


___そう、思ってたのに。


曇天が立ち込める翌朝、ドンドンドンと無遠慮に私の家のドアがノックされた。

私は付き合う二人を想像して感傷に浸っていたので、正直誰の相手もしたくなかった。だから、居留守を使ってやり過ごそうとしていた。

だけど、ドンドンドンというノック音は一向に止まず、玄関先の相手は帰る様子がなかったので、重い体を動かして渋々ドアを開ける。

重苦しい曇り空をバックにして、泣き腫らした赤い目でそこにいたのは___紛れもない、レイマリさんだった。

「えっ、レイマリさん…?な、なんで泣いて…。と、とりあえず、中に入る?」

私が声をかけるとレイマリさんは、糸の切れた操り人形のように脱力して、今にも消えそうな声でぽつりと呟いた。

「……ウパさん、俺フラれちゃった……」

「フラれって………とりあえず、中に入ろう?話なら、いくらでも聞くから…」

「……うん」

ふらふらとおぼつかない足取りのレイマリさんを支えて、部屋へと招き入れる。ソファに腰掛けさせ、腫れた目を冷やすために氷嚢を取りに行こうとした時。

「……行かないで」

きゅ、と服の裾を掴まれた。とても弱々しくて、簡単に振り解ける力だった。

「……行かないで、置いてかないでくださいよぉ…」

「……」

腫れた目を冷やさないと。氷嚢を、取りに行かないと。力無く縋ってくるこの手を、優しく外さないとなのに。

まるで…まるで貴方が、恋人にするかのように甘えて擦り寄ってくるから、この手を外せない。傷ついた心を埋めるために___側にいるのは誰でもいいはずなのに、私だけに甘えてるように錯覚してしまう。

「……大丈夫だよ。すぐ戻るから。目、腫れたままなの嫌でしょう?」

「……うん」

なんとかレイマリさんの手を外して、キッチンへと向かう。あの手の温もりを惜しむ心が叫んでいる。

上手く制御できない心にこれで良かったんだ、と言い聞かせる。あれはレイマリさんが弱ってたから見れた、甘い夢。夢に浸りすぎたら、現実に戻った時に辛いだけだ。

そんなことを考えていたせいか、氷嚢を取って戻るだけなのに、かなり時間がかかってしまった。

「レイマリさん、はいこれ。目に当てておきな」

「…ありがとうございます」

俯いていた顔を上げ、鼻を啜りながらレイマリさんがお礼を言ってくれた。

氷嚢をゆっくりと目に当てたのを確認して、私もレイマリさんの隣に座る。

「……」

「……」

隣に座れたはいいものの、気まずい沈黙が場を制する。こんな状況じゃ、何を話したらいいかわからない。それに、いつも明るいレイマリさんが落ち込んでいるのが辛い。

何か元気付けられる言葉を探していると、ふとレイマリさんが

「……レイラーさんがね…言ったの。レイマリさんが言ってくれた好きは、レイマリさんが思ってる好きとは違うよって…だから、ごめんなさいって……」

レイマリさんが告白した〝好き〟が、レイマリさんの思ってる好きとは違う…?

つまり、レイマリさんがレイラーさんに向けている好きは、恋愛感情じゃない。と、レイラーさんは、そう言いたいのだろうか。

___何を言っているんだ、あの人は。

レイラーさんの事を話した時のレイマリさんの顔。あの表情は、恋する人のものだった。見てないから、知らないからそんな事が言えるんだ。

黒々として灼熱を這う蛇のようなものが、私の心に渦巻く。レイラーさん。彼女は悪くないのに、嫉妬と憎しみが止まらない。

「…レイマリさんの思いは本物だよ。大丈夫、私が保証する」

「…そっか……良かった。……ウパさん、俺また一人ぼっちだよ……レイラーさんだけが、私の側にいてくれたのに……」

うわ言のようにレイマリさんが呟いたその言葉。レイラーさんだけが。 ようやく気付くことができた。レイマリさんにとって私は、眼中にすらなかったのだ。

目の前が真っ暗になる感覚を味わいながら、 私はこの恋に諦めがついた。

だけど、最後に。最後に一つ、レイマリさんのため(もしかしたら、私の八つ当たりのためかもしれないけど)やらなきゃいけないことがあった。




なんとかメンタルが回復したレイマリさんを家に見送ってから、やって来たのはレイラーさんの家。

「レイラーさん、いますか?」

「はーい!ちょっと待ってくださいね!」

チャイムを鳴らせば、小さな家の中から聞こえるトタトタと可愛らしい足音。その足音すら憎く聞こえてしまうのは、流石におかしいだろうか。

「お待たせしましたー!それでウパさん、話したいことって何ですか?」

ガチャ、とドアを開けて出迎えるレイラーさん。質問には答えず、お邪魔します、と挨拶して家の中に上げてもらう。

「えっと…ウパさん?」

いつもと雰囲気が違うのを感じ取ったのだろうか、レイラーさんがやや困惑していた。

「…レイラーさん…」

私は重い口を開いて、語りかけた。







今回はここまで

長かったので前編後編に分けます

次回は完全幸せスレウパです

楽しみにしてくれるかは分からないけど、できたら待機してて………




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コメント

24

ユーザー

途中の思ってる好きとは〜ってぶぶんからここから何かありそうだと予測

ユーザー

わあああ

ユーザー

恋愛を小説にできるのすごいな〜

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