テラーノベル
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「この紋章は……」僕はゆっくり白樺の大樹へ近づいた。
幹に刻まれた黄金の紋章。
《アステリア》や黄金のリンゴと同じ系統の光だ。
まるで心臓みたいに、ゆっくり脈打っている。
ノヴァが静かに解析を始める。
「古代封印術式……?」
「いえ、違う……これは――“浄化”」
僕はそっと紋章へ手を伸ばした。
触れた瞬間――
パァァァァァッ!!
大樹が眩く輝いた。
無数の光の粒子が森中へ舞い上がる。
星みたいな黄金の粒子。
それらは風に乗り、一直線に少女へ集まっていった。
「え……!?」
少女の身体が光に包まれる。
白いローブが揺れ、巨大だった一つ目がゆっくり閉じていく。
白樺の森全体が、祝福するように輝いていた。
ノヴァが息を呑む。
「肉体構成が変化しています……!」
光がさらに強くなる。
長い銀髪が宙へ広がる。
歪んでいたヴォイドの痕跡が、一つずつ消えていく。
そして――。
静かに光が晴れた。
そこに立っていたのは、一人の女性だった。
透き通るような白い肌。
長い銀髪。
青く澄んだ瞳。
白樺の葉を思わせる純白の衣装が、風に揺れている。
もう、あの異形の姿ではない。
完全に、人間の姿だった。
「……戻れた……?」
彼女は震える手で、自分の顔へ触れる。
両目。
頬。
唇。
その瞳から、静かに涙が零れた。
「私……まだ、人間でいられたんだ……」
森が優しくざわめく。
白樺の葉が、彼女を祝福するように降り注いだ。
僕は思わず見惚れていた。
すると彼女は、涙を拭ってこちらを見る。
そして少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「……改めて、ありがとう」
「私の名前は――レイナ」
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不明ちゃん。