実況者×童話 第三弾
今までで一番易しいです。
昔々、ある国に美しい人がいました。
……え? もしかして、白雪姫の継母の件で女装癖ついた?
シンデレラ「ついてねぇよ! またひなこさんと役交換したの!」
それはさておいて。あの子の母親は幼い頃に病気で亡くなっており、父親と二人で暮らしていました。
父親はあの子をとても可愛がり、幸せな毎日を過ごしていました。
父親「娘(演じている人は男ですが、娘という事にしてください)よ、あなたの黒歴史を教えなさい」
シンデレラ「……はい?」
皆さん、今のは幻視・幻聴です。何も見ていません。分かったなら沈黙を貫きなさい。
ところがある日、父親が新しい母親と再婚する事になりました。
新しい母親と二人の義理の姉はとても意地悪で、あの子の美しさを妬んでいました。
義理の姉1「あの子は美しすぎますわ」
義理の姉2「確かに、他と比べて立ち絵のコストが重すぎますもんね」
シンデレラ「別にいいじゃないですか。立ち絵の問題ならニシアオさんに頼めばいいですし」
義理の姉1「黙れですわ!」
シンデレラ「えぇ……」
そんな中、父親が流行り病で亡くなってしまいました。
それからの毎日、あの子は継母と義理の姉たちによって虐められました。
義理の姉1「何で個人チャンネルと数年前に立ち上げたグループチャンネルを同時に並行できますの!?」
義理の姉2「然も無事成功してますし、気がついたらチャンネル登録者数20万人突破してますし、おすし(?)」
シンデレラ「そう言っている二人も90万と80万じゃないですか」
義理の姉1「個人チャンネルでの110万人とは訳が違いますわ! それと弟とのチャンネルを比較に出すな! ですわ」
皆さん、これは虐めです。どう見ても虐めです。分かったなら(以下略)
あの子は面倒な家事を押し付けられ、台所で寝かされました。台所は冬になるととても寒く、あの子は暖炉に残ったまだ温かい「灰」を被って暖を取りました。
継母と義理の姉たちは、そんなあの子を見て「シンデレラ(灰被り)」と名付け、嘲笑いました。
ある時、シンデレラの屋敷に、城からの招待状が届きました。
どうやら王子がぶとうかいを開くそうです。姉たちは着飾っています。
シンデレラ「姉さん、俺……じゃなかった。私も連れてってくださいよ」
義理の姉2「何でシンデレラなんかと一緒に行かなきゃいけない訳?」
義理の姉1「自称マイクラのプロとは一緒に行きたくありませんわ」
継母と姉たちは、シンデレラを置き去りにしてお城へ出かけてしまいました。
それもそのはずです。美しいシンデレラが顔を出せば、王子が釘付けになってしまうからです。
……えっ、待って。王子役の人が〈自己規制〉だから、下手したらBLになるくね?
シンデレラ「あっ……」
義理の姉2「(義理の姉1を見ながら)どう責任取ってくれるんですか」
義理の姉1「まっ……まあ? 宝塚歌劇団も女の人が男役を演じる事があるし? その逆があってもおかしくは――」
ない訳ねえよ!! 茶番同然の劇にそんなシーンがあってたまるか!
王子「まあまあ、そう焦らず」
義理の姉2「監督!」
王子「こんな事もあろうかと、別のシナリオを用意しているからね。後は皆のアドリブ次第ですよと」
シンデレラ「アリガトー」
王子「俺は皆に、この劇をゆる~くやって貰いたいのでね」
このシナリオがBLにならず、お子様も安心して見られるようになったところで(?)、本題に戻りたいと思います。
屋敷に一人取り残されたシンデレラは、継母たちの仕打ちに耐えられず泣き出してしまいます。
そこに、偶然近くにいた魔法使いが声を掛けます。
魔法使い「おやおや? どうしたんだい? 折角の美しい顔が台無しだよ」
シンデレラ「(小声で)俺よりイケメンの人が何か言ってら」
魔法使い「ブツブツと何を言っているんだい」
シンデレラ「何でもないでーす。それよりも、私の愚痴を聞いてくれませんか」
魔法使い「いいよ、言ってごらん」
シンデレラは義理の姉たちに対する愚痴を思いっきり吐き出します。
魔法使い「成程ね……シンデレラ、今まで苦労したご褒美だ。僕がぶとうかいへ行かせてあげるよ」
魔法使いはそう言って不思議な杖を振ると、何という事でしょう! シンデレラはとても綺麗なドレスを身に纏い、ガラスの靴を履いて変身しました。
屋敷の前にはカボチャの馬車が止まっています。
シンデレラ「いいんですか!? ありがとうございます!」
魔法使い「お礼はいいよ、ちょっとした気まぐれだから。でも、0時までには帰って。僕との約束だよ。さもないと、魔法が解けちゃうからね」
魔法使いからの忠告に、シンデレラは頷き、馬車でお城へと向かいました。
暫くして、王子が住んでいるお城に着きました。シンデレラは衝撃的な光景を目にし、若干ふらつきます。
何と、ぶとうかいはぶとうかいでも、武術の「武」と決闘の「闘」と書いて武闘会だったのです。
国中から招待された人たちは血気盛んです。
……もしかして、わざわざ平仮名で「ぶとうかい」って台本に書いていたのは、これを想定しての事?
王子「そうだよ~」
あの人やばすぎでしょ……それはさておき。
シンデレラは、なるべく目立たないようにしながら、テーブルに置いてあった食事を楽しんでいました。
その様子を見た王子は、面白いと思います。
王子「武闘会でここまで大人しい人がいるのは珍しいな。勝負してみたい」
王様「こらこら、勝負を望んでいない人かもしれませんよ」
王子「何言ってるんだい、父さん。俺は招待状にちゃんと武闘会って書いたんだから、察するはずでしょう」
王様「……好きにしなさい」
とんでもない戦闘狂の王子を止められる人は、誰もいませんでした。
王子「シンデレラ、勝負しようぜ」
シンデレラ「嫌です!」
王子「一度お前と勝負してみたかったんだよ」
シンデレラ「無視するな!」
追いかけっこを続けていると、どこからか鐘の音が聞こえてきます。
シンデレラ「やっべ、0時だ。では、ごきげんよう」
王子「待てー!」
あっという間に、シンデレラはお城を出てしまいます。
しかし、急いで走ったので、ガラスの靴を片方落としてしまいます。
王子「綺麗なガラスの靴」
王子は、ガラスの靴に魅入られたようでした。
義理の姉1・2「ただいま」
シンデレラ「おかえりなさい、姉さん。武闘会はいかがでしたか?」
義理の姉1「二度と行きたくないですわ」
義理の姉2「私、あの人とは結婚したくありません」
シンデレラ(だろうな)
次の日……
王子「おはよう、シンデレラ! 会いに来たよ!」
シンデレラ「だっ……誰ですか……」
王子「誤魔化しても無駄。顔と名前は覚えているからな」
義理の姉1「王子様? この屋敷に何かご用ですか?」
王子「シンデレラを引き取りたい」
義理の姉1「あっ(察し)、全然いいですよ」
シンデレラ「姉さん!!」
シンデレラは王子が住まう城で暮らし、使用人兼対戦相手になりました。
王様「王子、結婚相手は決まりましたか?」
王子「決まったよ」
王様「それはよかった。その相手は?」
王子「ガラスの靴」
王様「え?」
王子「だから、ガラスの靴だって」
王様「無機物を結婚相手に許すと思いますか」
王子「いや、だって武闘会で出会った誰かを嫁に選んでって言ってたから」
王様「……」
こうして、王子の嫁はガラスの靴に決まりましたとさ。
めでたしめでたし(?)
シンデレラ…ふうはや
父親…ぷちぷち
義理の姉1…ひなこ
義理の姉2…たま
魔法使い…ぴくと
王子…かざね
王様…しゅうと
ナレーション…りもこん
ひなこ「りもこんさんとかざねさん、本当にごめんなさい」
かざね「いいですよ」
りもこん「ナレーションの俺でさえもアドリブしなきゃいけないのはビックリしたけど、何とか落とし込めて本当に良かったです」
ふうはや「俺にも謝罪は?」
ひなこ「ふうはやさんにはいいかなって」
ふうはや「えぇ~!」
しゅうと「かざね、本来のシナリオではどうする予定だったん」
かざね「え? ……ああ、ときめいていたのはシンデレラに対してじゃなくて、シンデレラが履いている靴だと気づいてから、ガラスの靴と結婚する為にシンデレラに許可を取るっていうシナリオ」
たま「大して変わらないじゃないですか」
かざね「いや、さっきやったシナリオはシンデレラにときめいてなかったからね。それと、本来のシナリオでは俺が戦闘狂じゃない」
たま「……要するに、一部のシーンがBLかそうじゃないかの違いですか?」
かざね「そう!」
しゅうと「(小声で)こんなちっぽけなシーンで、腐女子がわんさか湧くもんなんだ……意味不明だよ」
かざね「しゅうと!? 俺、そんな事一言も言ってないよ!?」
ふうはや「ぴくさん、交ざらなくていいんですか?」
ぴくと「いいよ、話せる自信がないし」
ふうはや「劇の時に出てくるイケメンオーラを出せばいけますって」
ぴくと「嫌だよ。俺、ふうはやみたいなナルシストになりたくない」
ふうはや「急にチクチク言葉出さないでくれます?」
どうも、新庄真冬です。
のあ雪姫とスマイルの耳はロバの耳の反省点を生かし、誰がどの役か分かりやすいようにしてみました。
個人的には、第一弾の時よりもカオスにできてよかったと思っています。
私(わたくし)、新庄真冬はこのようなカオスな小説や、シリアスな小説を不定期で投稿しています。
この小説が面白かったら、フォローしてくれると嬉しいです。
お願いします。
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コメント
3件
えぇ!めっちゃいいお話でしたー 投稿されたすぐに見ました!のあ雪姫も好きだしふうデレラも好きです。面白かったですよ