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妖狐のおふとん
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小学校。高学年になってはじめて、あの気持ちが恋だと知った。
あたしは迪くんが好きだった。 うじうじするのはあたしらしくない。でも、好きだからこそ、好きっていえないよ。あんなことしたあたしが恋するなんて、間違ってるから…。
毎年バレンタインに、猫の折り紙と一緒にチョコを渡した。迪くんは、いつも必ずお返しをくれた。チョコスナックが好きとは一度しか言っていないのに、覚えてくれていた。
誕生日、あたしは本をプレゼントした。ドッチボール入門、算数の解説本、小説…。迪くんは、文房具をくれた。鉛筆や筆箱、定規にノート。必ずどこかに迪くんが描いた猫がついていて、授業中に元気をもらえた。
普段は真面目なのに、笑い方が幼いところ。猫以外の絵をかたくなに描かないこと。恋愛小説を読むと顔を赤らめるところ。あたしの贈り物を大切そうに鞄にしまう姿。たまーーーに遅刻すると寝癖がとんでもないところ。リコーダーを馬鹿みたいに真剣に吹く横顔。勉強を教えるとなると、急にはきはき話すところ。
どんな些細なことでも、好きっていう気持ちがあふれ出てくるの。
たとえかなわない恋でも、諦めきれない。そばにいられるなら、一生友達でもいいの…!
中学生になって、男子はやんちゃに、女子は見た目を気にするようになった。
友達と敬遠気味になったけど、姉のような存在ができた。
「澪、おはよー!」「留真ちゃん、おはよ!」
留真ちゃんは、ちょっと強気だけど、すごく優しい子だ。あたしの恋心も応援してくれている。
「ほら澪、迪来たよ!」
そして、迪くん…!背が伸びて、制服もすごく似合ってて…かっこいい…!
「澪ちゃん、おはよう」「お、おはよう…」
女子の恋バナを聞いているうちに、あたしも意識しちゃうようになったんだ…
『迪くんイケメンだよね!』『澪ちゃんとつきあってないんだよね?』『うち告ろうかなー?』『ガチ!?まあでもありだよねー』
…その子たちは可愛いので、あたしはかないっこない…いや別にあたしは告白しないからいいけど…いや良くはないか。
まぁ、あたしは恋バナなんてしてる場合じゃないんすよ。
テスト…迪くんとあたしをつなぐと同時に、あたしを苦しめる…忌まわしき…定期テストッ!
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テストッッッッッッ!