テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#幽霊
凛道桜嵐 新
193
#日常
がくじゅつてき・あかげ
22,155
わーい
41
485
コメント
1件
ああ、クーさん視点の番外編! 面白かったです。「愚かなる毛無し」呼びがもう完全に猫の言い分で、思わず笑顔になりました。モッサを枕にされても抜け出さない甘やかしっぷりとか、ちゅ〜る要求の締めとか、クーさんらしさ全開で。そして誉さんが窓の外で見つけた和泉さんと千歳さんのイチャイチャに大慌てするところ、本編の空気を感じられて嬉しかったです。クーさん視点だからこそ、飼い主の人間関係が客観的に映って余計に面白い。これからどうなるのか、すごく気になります!
我が名はクー。愚かなる毛無し2匹を従えて暮らしている。この前、モッサという誇り高き毛有りの赤子を拾ったのだが、あっという間に赤子でなくなったので困っている。
サヤマという愚かなる毛無しが、我がモッサの下敷きになっていることに気づいてモッサをどけた。
「モッサ! クーを枕にしない! お前のほうが倍近くデカいんだから!」
いや、嫌なら自分で抜け出せばよかったのだが、つい甘やかしてしまう。
愚かなる毛無しは我をなでて言った。
「もうねえ、お前もお婆ちゃんなんだから無理しないの。いつまでもモッサを子猫扱いしなくていいから」
誰が年寄りだ。
「爪を立てないで! 痛い!」
愚かなる毛無しは本当に愚かだ。つがいであるもう一人の愚かなる毛無しがやっと孕んだというのに、本当に頼りない。
孕んだ赤子は二人だそうだ。少ないなと思ったが、愚かなる毛無しとしては多い方らしい。
愚かなる毛無しは、我を抱き上げて呟いた。
「おお、よしよし。仕事切れ目いいし、今のうちに夕飯の仕込みしとくか……あれ?」
愚かなる毛無しは、窓の外に目を留めた。下の通りを、また別の愚かなる毛無し2匹が歩いている。
「和泉さんだ、千歳さんも……えっ!?」
愚かなる毛無しは驚きの声を上げ、我もその大声に驚いた。
一体、何だというのだ。まあ、愚かなる毛無しのことだから、愚かなことで驚いたのだろうが。
「えっ、手ぇ繋いでる! えっなんで!? 和泉さんフラれたんじゃなかったの!?」
細かいところまでは見えないが、我の目にも窓の外の愚かなる毛無しは親密そうに見える。しかし、それの何が驚くべきことなのだ?
「どうしよ! クー! 和泉さんもしかしてうまくいったのかな!? どうしよう!」
騒がしい。そう言えばイズミとチトセとかいう愚かなる毛無しには覚えがあるな、何度か我が縄張りに入ってきた。
「どうしよう! 僕が何も知らないってことは、2人とも隠しておくつもりだったのかな!? でも見ちゃったよ! どうしよう!」
本当にやかましい。愚かなる毛無したちが誰とどこでくっつこうと、知った話ではない。立ったついでに、我にちゅ〜るをよこせ。