コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「釘崎ぃ・・」
「なによ」
「告白ってどういう風にされると嬉しい?」
「・・・伏黒は何でもいいんじゃないかしら」
「なんで伏黒ってわかるん!?」
「女の勘よ」
というわけで、今日、俺は伏黒に告白する・・・つもり、な訳だけど。決意したその日に宿儺が
「びぃえる展開、というやつだな」
とか言いやがる。まあ否定はできないしするつもりないからいい。
「どこで知ったんだよその言葉・・・」
あー、でもほんとどうしよう。
いつ、どのタイミングで、どんなふうに告白するか・・・!?
「好きだ」
とか、ありきたりなのは野暮だし、無理にかっこつけても無様だし。
「あー!!!もうほんとどうしよう!?!?!?」
ベッドの上で大声を出したら、隣の部屋から
「うるさい!もう10時回るんだぞ!!」
という伏黒の怒声とともに壁がたたかれた。
「はーい・・・」
てきとうに返事をして、スマホを手に取ったら、電話がかかってきた。
<もしもし>
<もしもしー>
意外にもその相手は伏黒だった。
<どしたん?伏黒も寝れないとか?>
<ちげーよ>
<じゃあなんかあった?>
<いや・・・まぁ、おやすみ>
<え?あ、おやすみ?>
<明日の夕方、お前の部屋行っていいか?>
<いいけど。俺も話あるんだよね>
そう言い切ってしまえば、俺も吹っ切りがつくだろう。
<そうか・・・。じゃあな>
<んー、おやすみー>
そしてやってきてしまった夕方5時。俺は赤い顔を伏せる。
「伏黒、あのさ、俺・・」
「好きだ」
「へっ?」
へっ?あの、なんて言いました?伏黒サン?
「好きだ、虎杖」
言っちゃったよこの人!俺が言いたかったのに!?
え?ていうか
「伏黒、俺のこと、好きなんだ?」
「ああ、好きだ」
伏黒は顔から首まで真っ赤に染めて、それでもきっぱりとうなずいた。
「あ、あのさ、伏黒さん」
「・・・」
「俺、それ、言いたかったんだけど・・・」
「は!?」
「だから!俺がそれ言いたかったの!!」
「聞こえてる!!」
伏黒が大きい声で叫んで、俺を強く抱きしめた。
「伏黒?」
「良かった・・・」
「え?」
「好きだ・・・っ」
「・・・うん、俺も好き」
「おはよー」
「お、おう、おはよう・・・」
伏黒が耳を赤くして、そっぽを向きながらも返事してくれる。
五条先生と釘崎は目をふにゃふにゃにして笑っている。
どういうこと?
「赤飯、炊いたげよっかぁ?」
「そうねぇ?野薔薇様特製赤飯を炊いてやるわ」
伏黒は机に突っ伏してちからが抜けたように
「虎杖・・・・」
と言っている。
「えっ!?もしかしてバレた!?」
五条先生はあの時、報告書を持ってきたらしく、ちょうど俺たちの告白大会を聞いていたというわけだ。
「ひでえよ!!!!」
「ケヒッ、小僧、気づかなかったのか?」
「宿儺ぁ!?」
とりあえず五条先生を軽くしかって、伏黒を励ましてから隣の席に座った。
「虎杖」
「ん~?」
「好き」
「はい!?ちょ、っと、ここ教室なんだけど・・・」
伏黒は入眠し、俺だけ恥ずかしい思いを・・・。だけど、伏黒は俺のものだって教えてやれてよかったかな!
fin.