テラーノベル
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いつもの楽屋。
いつものメンバー。
──そして、いつも通り、康二は明るい。
「照兄〜!、この衣装どう思う?」
「阿部ちゃん、これめっちゃ似合うやんな!」
そんな声が響くたび、自然と視線がそっちへ向かってしまう。
また……笑ってる
康二みたいに、まっすぐ笑えたらいいのに。
俺は、どうしてもできない。
康二が近づいてきて、いつものように軽く冗談を言う。
「舘様、今日も麗しいな〜!照明負けしてへんで!」
「……うるさい」
俺は、向井康二に恋愛感情を抱いているなんて思いたくもない。
本当は、“ありがとう”って言いたいのに
どうしてこんな言葉しか出てこないんだろう。
康二が笑って誤魔化す。
その笑顔を見るたび、苦しくなる。
「また怒らせちゃったかな」なんて顔しないで。
俺が悪いんだ。全部。
康二は、きっと俺を苦手に思ってる
そう思うと、つい壁を作ってしまう。
「舘、さっきしょっぴーに衣装見せてたやん。俺のも見てくれへん?」
「……翔太のは生地が違ったから」
「そ、そうなんや〜」
また、あんな顔させてしまった。
違うの。康二のも、ちゃんと見たいんだよ
でも、近づいたらきっと気づかれてしまう。
心臓がばくばくしてるのを。
目が、彼を追ってることを。
俺が康二を好きだと思っている事を。
収録が終わって、静まり返った楽屋。
照明が少し落ちて、残っているのは俺と、康二だけ。
「……帰らないの?」
「舘こそ。忘れもん?」
「いや……ちょっと、考えごと」
言葉が途切れる。
沈黙の中で、康二がふっと笑った。
「なんか、舘って……俺にだけツンやんな」
「っ……」
図星だった。
反論もできない。
目が合って、逸らせなかった。
「……嫌なん?」
静かな声で、康二が言う。
だって男が男に恋をするなんておかしいでしょ?
康二もきっと嫌がるよ。
「俺、舘にもっと話しかけたいだけやのに」
俺に優しくしないでよ。
いつの間にか俺の目に涙が溜まっているのに気づいた康二が慌てた表情で近寄ってきた。
「……ねぇ康二好きな人はいる?」
気づけば、口が勝手に動いてた。
康二が目を丸くする。
その表情に、思わず笑ってしまいそうになる。
「おるけど…」
きっとその人は俺と違って素直だし可愛いんだろうな。
「その人はメンバー?」
変な質問…、
「おん」
あぁ、メンバーの中にいるんだ。
目黒とかかな。目黒優しいしかっこいいもんね
涙が目から溢れ出そうになる。
この恋を早く終わらせたいから。楽になりたいから。
今日告白して、振ってもらう
「なぁ舘。」
「好きやで」
「………は?」
なんで?なんで俺なんかを好きになるの?素直じゃないし目黒よりかっこよくない、佐久間より元気でもないし、阿部よりもあざとくない
でも嬉しい。
やっとこの苦しい恋を終わらせれるから
夢じゃないんだ
「俺も好き」
そう話した途端康二が飛びついてきた。
涙が出ているようで鼻をすすっている。
「康二…鼻水つけないで」
「こういう時もツンツンなんかい!!」
「もっと嬉しがってよ!」
久々の投稿すみません!
突然ですが皆様だてこじはお好きですか?
私めっちゃ好きなんですよ!あのコントみたいなテンポ感が大好きでこのペアを書きたいなと思ってたんです。
私どうしてもだてこじはどっちも振らせたくないなと思って無理やりひっつけちゃいました。
本当に無理矢理感あってすみません。
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