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前回の更新が1カ月以上前と、

長らくお待たせして申し訳ございません。

忘れている人が大半だと思いますので、必要に応じて読み返していただけるとより6話を楽しんで頂けるかと思います。
























深夜の2時。

みんな電気を消して暖かい布団にくるまりすやすやと眠っているこの頃、イオはまだベッドにも寝転がずに座って窓の外を眺めていた。

寝れない、とかじゃない。実際今イオはすっごい眠くて、深い深い睡眠が恋しいばかり。でも、もしここで眠ってしまったら、きっとまたイオは___。


そんなことを考えて、今日こそは、と落ちてくる瞼に必死に抗う。コーヒーも淹れて飲んでみるが眠気は健在だ。スマートフォンを掴んでも何もすることはなく、ただ虚無感と眠気が加速するのみ。イオは今までの事、ドイツのこと、自分の事、色んな事を考えては泣きそうになった。それは、未来が見えないから。どうしても、嫌になってしまうほどつらいから。


「…散歩でも、しようかな」


夜の街をなんとなく歩けば、気分も少しは落ち着くだろうと。

そして、流石に散歩中に寝るなんて馬鹿なことは起きないだろうと。イオはスマートフォンだけ握りしめて、寝巻の上に申し訳程度に上着を羽織り扉を開けた。




イオは家から出て数歩歩いた。街の建物からはほとんど灯りが消えており、やはりみんな就寝していることがうかがえた。それに羨ましさを覚えつつ、また数歩歩き始める。電灯の淡い光がいい感じに目と脳を刺激する。ああ、きれいだ。イオはそう思った。電灯は人工物だけど、自然に負けず劣らずな良さがある。切なさがある。…ああ、いけない。眠たくなってくる。


ああ、いけないのに。


イオは言い訳をするように、襲い来る眠気に敗けない様に、やっとの思いで足を動かした。















「….ん、….」


目の前の彼がゆっくりとまぶたを開けるのを見て、俺は心から安堵した。

イタリア、と無性に彼の名前を呼びたい衝動に駆られたが、寝起きの彼に大きな声を出すのも如何なものかと思ったのでやめた。


「やっと起きたか、…はぁ、よかった」

「ドイツ、…?」

長く眠っていたというのに、彼は妙に気だるげでなんだか疲れているようだった。が、俺にはそんな様子気にしていられなかった。俺は思わず彼の肩をガシッと掴んで目を合わせた。

「本当に、心臓が止まるかと思ったぞ。

俺が早朝に見つけられたからいいが、そうじゃなかったら…!!」


「…えぇと、な、なんのこと…?」


彼は本当に状況が呑み込めていない、と言った様子でこちらをぎこちなさそうに見る。酒で酔って記憶が飛んだのか、いつのまに寝てしまったのか、寝ぼけていて頭が回っていないのか。どれかだと思う。俺は説明した。


「今日の朝、俺は何故か早く目が覚めたんだ。二度寝するのもあれだし、たまには朝の散歩も悪くないかなって…家を出たんだ。

で、少し歩いたら路上にお前が倒れてて…本当にびっくりしたんだからな、誰かに襲われたと思って…」

「で近寄って様子を見たら寝てるから、急いで俺の家に連れて行ってベッドに寝かせたんだ。」


イオはあぁ、…とうなずいた。まだ気だるさが取れないようだが発言が理解できないほど頭が回っていない、という訳でもなさそうだ。


「そうだ、仕事は…?」


「お前と一緒に一応遅刻と入れてある。お前が起きるまで傍に居たかったから…

でも休みにすることも可能だ。体調が優れないようなら__」


そう、と彼は小さく言った。なんだか元気がない。イタリアはこんなに朝が弱かっただろうか?


「…なんで路上で寝てたんだ?疲労か?やっぱり体調不良で…」


「散歩してた」


彼は俺の言葉に合わせてそう言った。


「…散歩、…?」


「すっごい眠いんだけど、寝たくなくて…散歩したら目が覚めるかと思って外に出たんだけど…歩いてる途中に寝ちゃったぽい」


彼は首を少しかしげて「てへ」とでも効果音の付きそうな素振りをしてみせた。俺はなんだか面食らってしまった。


「そ、そうなのか…」


でもやっぱり俺には引っ掛かりがあった。なにかわかんないけど、なんか。曖昧な意見は嫌いだ。だけど、今の俺の気持ちは言葉として言いだし辛かった。だって、ほんとうに”なんか”なんだもの。




「…じゃあ、なんで寝たくなかったんだ…?」





俺がそういうと、彼のあざとい笑みがぴたりと止んだ。

彼は少し慌てた様子で、またなんとか言葉を紡いでいた。



「…そう、そうだよ、イオは寝たくないんだよ…!!

ドイツ、どうやったら眠気が覚める?寝なくてもよくなる?」



彼はいきなり俺の手を取ってそういった。



「日本に聞いた方が良いか、徹夜いつもしてるしね…

眠気覚ます薬とかないの?」



「待て、答えになっていない…!

寝たくないのは十分わかった。俺はお前がなんで寝たくないのかを知りたい」


「…」


彼は黙りこくってしまった。


「イタリア、睡眠は人間にとっても、我々国に取っても最重要事項なんだ。睡眠をするとなにより疲れが取れる。徹夜したときより表情が晴れ晴れとする。最近は顔もあまり冴えてないだろ?ならより眠った方が__」


俺の言葉なんてひとつも心に入っていないかのようだった。

彼は一言「ちがう」と言った。



「…なら、ずっとそばに居てよ。

ドイツが隣にいてくれたら、イオも寝るから。」



「…ああ」



「いくらでも隣に居てやる。お前がそれでいいなら、安心して眠りにつけるなら、俺はずっとそばにいるから。

望むなら子守歌も歌ってやる。…気に入るかは、判らないが」



俺がそういうと、彼はまた瞼を閉じた。









彼が最近おかしい理由、それは睡眠にあるのか?


安定した睡眠がとれていないのか、独りで寝るのが嫌なのか、…はたまた、どうしようもない悪夢を見てしまっているのか。

今すぐ解決してあげないといけない気がした。俺は決めた。


次起きた時は、無理やりにでも聞き出そう。

彼が幾千年も苦しんでいる感じがしていたたまれないんだ。


















お久しぶりですえんそです。

ちゃんと生きてます。

まだ話数少ないですが完結に向かっていこうかと思います。長引かせると完結させれない気がするので…


もしかしたら覚醒して一気に書き上げてしまうかもしれませんが、

また長期間空いてしまうかもしれません…

でも今の所打ち切る予定はありませんので、気長に待っていてくれたら嬉しいです…!!!

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

えんそ様がご帰還なされた!皆の者、読破の準備を!! 夜の散歩をしていたら、いつの間にか朝の散歩中のドイツに助けられているイタリア。彼の体調が心配です。ドイツがイタリアのこと「あざとい」と思ってるのとても素敵。そして眠りたくないわけを聞き出そうとし、なんとか救ってやろうと考えるドイツ。これだけ彼がイタリアを気に掛けるのは「仕事仲間だから」にとどまらない、何やらシークレットな理由がありそうです…。 更新ありがとうございます。次回も楽しみにしています!

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