テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
僕は鏡を見た。そこに写っているのはさらさらの黒髪、ブラックホールのような黒い目、太陽に当たったことのない白い肌を持つ美しい少年。その時思った。僕、BLゲームの悪役だ!!!
おっほん、すみませんすみません。僕はマラリ·ホワイトです。気づいたらこの「BLゲーム」の世界にいて元いた世界、日本で過労死してました…テヘッ!このBLゲームって題名、本当にまんまなんですよ、えっ、だからBLゲームだって。信じられないよね、きっと寝不足な運営さんが
「題名どうします?」
「知らん..BLゲームでいいじゃん」
「もうめんどくさいですし、それでいきましょう」
「いけいけー….ぐーぐー」
みたいな会話があったに違いない。うんうん。ちなみにこの世界魔法も剣もあって、完全ファンタジーなんだよね。すばらしい!ここまでファンタジーに専念してるゲームないからもうやり始めて3日でゴールしたよね。…まって僕はマラリ·ホワイト….マラリ?マラリ!そうじゃん僕、今マラリ·ホワイトなんだ!このマラリ·ホワイト知ってのとうり悪役で悪役ってだいたい最後可哀想じゃん。このゲームでもマラリ君、どのルートでも自殺するんだよね。何でだろうとも思うけどいろいろ事情があるんだろうなんてほんわかな会話してる場合じゃなくて、どうしようアワアワ。
坊っちゃん?どうしました?
やばいやばい、妄想に浸りすぎた。
「はい、なんともありません」
マラリは基本冷たくて鋼の精神をもっているキャラ。だから僕もそうやって振る舞わなくちゃ。
「よかった、失礼します」
このキャラは確か..
「どうした、ルリ」
「先ほどミラル様がこの伯爵家に帰って来こられした」
「…分かった、私も兄上を出迎えればよいのだろ」
「はい、ただいま支度の準備をいたします」
「あぁ」
ミラル·ホワイトこの伯爵家の長男にして次期跡継ぎ。マラリなんかよりずっと優秀だ。マラリはこのミラルに嫉妬して悪役となる。つまりこのBLゲームの主人公だ。今は冬、だからもうすぐで僕もミラルさんと同じ学校に通うことになる。楽しみだ。
坊っちゃん、準備はできましたか?
ここまでずっと着替えさせてもらっていたと言う事実、恥ずかし///!
「あぁ」
「それでは行きましょう」
僕は、黒く美しい手袋をはめた手をルリの手のひらに、のせた。
「…待っていてくれ、兄上」
「….」
そう呟く僕になにも言わないルリはきっとすごく気の使える優しいやつなのだろう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!