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「して、大事なお話とは?」
私は一旦調合を止めて尋ねる。
「…ベルゼはメイス国のこの後宮に刺客を放った…」
「刺…客…?
まさか…」
「おそらくそなたを殺す為だろう…」
「そんな…」
「安心致せ。
刺客は牢屋に入れておる。
ベルゼから頼まれた事も吐いたそうだ。」
「それほど…
私が憎いのでしょうか…
シャルルダルク様は信じられないかもしれませぬが、ベルゼ様は昔はお優しい方でした…
誰かを手にかけるなど…」
私は怖いのと悲しいのと悔しいので、身体が僅かに震えた。
シャルルダルク様はそんな私を引き寄せ、抱きしめた。
「安心せよ。
俺が側に居る。
そなたを死なせはせぬ。
必ず守ってみせる。」
「シャルルダルクさ…ま…」
そう言った時、シャルルダルク様は少し屈んで、私の顎を持ち上げ私の唇にほんの数秒口づけた。
「…!
す、す、すまぬ!
つい!」
シャルルダルク様は、すぐに私から離れてそう言った。
「い、い、いえ!
気にしておりませぬ!
私が動転していたからでございます!」
「い、いや、そうでは…」
「もう、大丈夫にございますゆえ。」
「そ、そ、そうか…」
その後、シャルルダルク様はただ黙って私の隣に座っていた。
だけど、それがどれだけ心強かったか…
それは、伝える事が出来なかった…
数日後…
レガット様が薬部屋にやって来た。
「おや?
兄上は居らぬのか?」
「は、はい。
最近はあまり…」
「…何かあったのか?」
レガット様は尋ねた。
「い、い、いえ!
何もございませんよ!」
私は誤って水を薬草に入れすぎてしまった。
「そなたは本当に分かりやすいな…
あぁ、ベルゼの罪が暴かれ、奴は死罪となったぞ。」
レガット様は言う。
「そうでございますか…」
「自業自得よ。
そなたには貴族位が戻され、恐らく4位の女官に格上げされるであろう。」
「私が、でございますか!?」
「当たり前ではないか。
そなたはそもそもが貴族であろう。
ベルゼに陥れられておっただけで。」
レガット様はそうおっしゃるが、なんとなく召使いの方が性に合うかもしれない。
ふと、そんなふうに思ってしまった。
「女官になるとどうなるのですか?」
私は尋ねる。
「豪華な部屋が与えられ、5位の女官1人と6位の女官2人、召使いが3人付く事になるな。」
レガット様はおっしゃる。
「はぁ…
そんなに変わるのですか…?」
「元々はそんな生活をしておったのであろう?
侯爵令嬢であったのなら。」
「もう、昔の生活は忘れてございますれば…」
「とにかく、明日部屋が用意できるから、女官に呼びに行かせる。
祝いを持って遊びに行こう。」
そして、レガット様は去っていった。