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1,141
旅館ロビー。
樹「お、やっと来た」
ジェシー「遅かったな〜」
慎太郎「絶対迷ってたでしょ」
〇〇「迷ってないし」
即否定。
高地「いや顔が迷子だったよ」
〇〇「違うって」
きょも「北斗迎えに行ってたよね」
〇〇「……」
一瞬詰まる。
北斗「迷ってたからな」
さらっと言う。
〇〇「違うし!」
ジェシー「ほら認めろって笑」
慎太郎「毎回じゃん」
〇〇「今回違うから!」
樹「どこがだよ」
〇〇「ちゃんと近くまでは来てたし」
北斗「でも場所違っただろ」
〇〇「それは…ちょっとだけ」
ジェシー「それを迷子って言うんだよ笑」
みんな笑う。
〇〇「うるさい」
少しだけ頬を膨らませる。
その様子を見て、北斗が少しだけ笑う。
〇〇「今笑ったでしょ」
北斗「笑ってねえよ」
〇〇「絶対笑った」
北斗「気のせい」
軽く言い返す。
昨日までのピリついた感じとは違う。
自然な会話。
樹がその様子を見てニヤっとする。
風磨も横で小さく笑う。
風磨「…よし」
小さく呟く。
樹「聞こえてるぞ」
風磨「別に」
ーーー
旅館スタッフ「チェックインお願いします」
樹「はい」
手続きをしながら、みんなソファに集まる。
〇〇は少し端に座る。
きょもが隣に座る。
きょも「さっき大丈夫だった?」
〇〇「うん、ありがとう」
少し笑う。
それを少し離れたところから見る北斗。
北斗「……」
樹「お前顔出てる」
北斗「出てねえよ」
樹「出てる」
風磨「出てるな」
北斗「うるせえ」
ジェシー「なになに?」
慎太郎「なんの話?」
樹「なんでもねえ」
軽く流す。
チェックインが終わる。
樹「よし、部屋行くぞ」
鍵を受け取って振り返る。
ジェシー「何部屋?」
慎太郎「分けどうなってんの?」
樹「2〜3人で分かれてる」
風磨「適当に振るぞ」
高地「適当なんだ」
きょも「まあいつも通りだね」
樹が鍵を見ながら振り分ける。
樹「まずここ」
樹「俺と慎太郎」
慎太郎「お、きた」
ジェシー「じゃあ俺は?」
樹「ジェシーと高地」
高地「よろしくね」
ジェシー「お願いします〜」
残るのは北斗、きょも、〇〇、風磨。
樹「で、ここ3人部屋」
風磨「誰?」
樹「きょもと〇〇と…」
わざと少し間を空ける。
〇〇「え?」
樹「北斗」
一瞬空気が止まる。
北斗「は?」
〇〇「え?」
ジェシー「おお〜」
慎太郎「いいじゃん」
ニヤニヤし始める。
〇〇「いやちょっと待って」
北斗「無理だろ」
樹「なんで」
北斗「普通に気まずいだろ」
〇〇「いやそれは…」
少し迷う。
風磨「じゃあ俺入る?」
樹「それでもいいけど」
北斗「そっちの方がいい」
〇〇「…うん」
小さく頷く。
きょも「俺どっちでもいいよ」
樹「じゃあ決まり」
樹「きょも、〇〇、風磨」
風磨「はい確定」
樹「で、北斗は一人部屋」
北斗「は?」
ジェシー「え、ずる」
慎太郎「なんでだよ」
樹「一部屋余ってるから」
北斗「いや待て」
風磨「いいじゃん一人」
樹「ゆっくりできるぞ?」
北斗「……」
少し考える。
北斗「…まあいいけど」
ジェシー「いいんだ笑」
〇〇「一人いいな」
ぽつっと言う。
北斗「変わる?」
〇〇「え?」
北斗「一人部屋」
〇〇「いやいい」
即答。
北斗「だろうな」
少しだけ笑う。
風磨が小さく樹に言う。
風磨「惜しいな」
樹「あと一歩」
きょも「じゃあ荷物置きに行こっか」
それぞれ部屋へ向かう。
廊下を歩く。
北斗の部屋は、〇〇たちの部屋のすぐ隣。
〇〇「え、隣じゃん」
北斗「…ほんとだな」
一瞬だけ目が合う。
少しだけ気まずい。
でも嫌な感じじゃない。
風磨「近くてよかったな」
〇〇「なにが」
風磨「迷ってもすぐ来れる」
〇〇「もう迷わないし」
北斗「無理」
〇〇「無理じゃない」
また軽く言い合う。
樹「はいはい入れ入れ」
それぞれドアの前。
〇〇が少し振り返る。
〇〇「…あとでね」
北斗「…おう」
自然に交わる一言。
ドアが閉まる。
距離はまだ途中。
でも確実に、戻り始めている。
部屋に入る。
〇〇「はあ〜疲れた」
そのまま畳にゴロンと倒れる。
きょも「早いね」
風磨「まだ何もしてねえだろ」
〇〇「移動で疲れたの」
きょもが笑う。
きょも「まあ確かに」
風磨「迷子でだろ」
〇〇「違うし」
すぐ反応。
風磨「はいはい」
軽く流す。
〇〇はそのまま天井を見る。
ぼーっとする。
さっきのことが少し頭に残ってる。
北斗と普通に話したこと。
〇〇「……」
きょも「どうした?」
〇〇「んーん、なんでもない」
きょも「そっか」
きょもは荷物を整理しながら話す。
きょも「でもさ」
〇〇「なに」
きょも「さっき、ちょっと戻ってたね」
〇〇「え?」
きょも「北斗と」
〇〇「…そう?」
きょも「うん」
〇〇「普通じゃない?」
きょも「普通に戻ってきてるってこと」
〇〇「…ふーん」
あまりピンときてない。
風磨「鈍」
〇〇「は?」
風磨「なんでもない」
〇〇「絶対なんか言ったでしょ」
風磨「気のせい」
軽く流す。
〇〇「…なんかさ」
きょも「うん」
〇〇「昨日のこと、まだよくわかんない」
きょも「うん」
〇〇「なんであんなイラついてたのか」
風磨「またそれ?」
〇〇「気になるじゃん」
風磨「考えても無駄」
〇〇「なんで」
風磨「そのうちわかるから」
〇〇「またそれ」
少し拗ねる。
きょもが少し笑う。
きょも「でもほんとだと思うよ」
〇〇「えー」
納得してない顔。
〇〇は寝転がったままスマホを見る。
特に何もない。
でもなんとなく。
隣の部屋を意識する。
〇〇「……」
一方その頃。
北斗の部屋。
北斗「…はあ」
荷物を置いて座る。
静か。
一人。
楽なはずなのに。
北斗「…暇」
小さく呟く。
隣の部屋から、かすかに笑い声が聞こえる。
〇〇の声。
北斗「……」
少しだけ耳がそっちに向く。
北斗「(きょもと風磨か)」
想像つく。
北斗「…楽しそうだな」
ぽつっと言う。
少しだけモヤっとする。
北斗「…別にいいけど」
言い聞かせる。
でも。
気になる。
北斗「……」
スマホをいじる。
でも集中できない。
また隣の声が聞こえる。
〇〇の笑い声。
北斗「(ほんとに普通に戻ってんのか…)」
さっきのやりとりを思い出す。
「あとでね」
北斗「……」
小さく息を吐く。
北斗「(行くか)」
立ち上がる。
部屋を出る。
隣のドアの前。
少し止まる。
北斗「……」
ノックしようとして、止まる。
北斗「(いや何しに来たんだよ)」
一瞬迷う。
でも。
中から笑い声。
北斗「……」
コンコン。
ノックする。
中。
〇〇「はーい」
ドアを開ける。
〇〇「…あ」
北斗「…暇」
一言。
〇〇「なにそれ」
少し笑う。
きょも「おいでよ」
風磨「どうせ一人でしょ」
北斗「うるせえ」
でもそのまま入る。
自然に。
〇〇「ほんとに暇だったんだ」
北斗「悪いかよ」
〇〇「別に」
少し笑う。
その距離感。
さっきより、また少し近い。
風磨と樹の狙い通り。
でも本人たちはまだ気づいてない。
少しずつ。
確実に。
距離が縮まっていく。
ーー
北斗が部屋に入る。
風磨「いらっしゃい」
北斗「お邪魔しますじゃねえよ」
きょも「まあ座りなよ」
〇〇はまだ畳に寝転がってる。
〇〇「ほんとに暇だったんだ」
北斗「うるせえ」
〇〇「図星じゃん」
北斗「違う」
〇〇「じゃあ何しに来たの」
北斗「……」
一瞬詰まる。
風磨「答えろよ」
ニヤニヤしながら言う。
北斗「暇だった」
〇〇「ほら」
少し笑う。
北斗は畳に座る。
〇〇との距離、思ったより近い。
一瞬だけ意識する。
北斗「……」
目を逸らす。
きょも「この後どうする?」
風磨「温泉までまだ時間あるな」
〇〇「え、温泉もう入れる?」
きょも「時間的にはもう大丈夫だと思う」
〇〇「行きたい」
即答。
風磨「早いな」
〇〇「だって温泉メインで来たし」
北斗「それはそう」
ぽつっと同意。
〇〇「でしょ」
自然に返す。
また少し距離が縮まる。
きょも「じゃあみんなにも聞く?」
風磨「どうせ来るだろ」
北斗「ジェシーとか絶対テンション上がる」
〇〇「わかる」
少し笑う。
その空気が、完全に“いつもの感じ”に近づいてる。
風磨がそれを見て小さくきょもに目配せする。
きょもも小さく頷く。
風磨「じゃあ呼ぶか」
スマホを取り出す。
その間。
〇〇が起き上がる。
北斗の方をちらっと見る。
〇〇「…ねえ」
北斗「なに」
〇〇「さっきのさ」
北斗「……」
〇〇「そのうちわかるってやつ」
北斗「またそれ?」
〇〇「気になるんだもん」
北斗「……」
少しだけ考える。
北斗「…今はいい」
〇〇「なんで」
北斗「温泉の方が大事だろ」
〇〇「それはそう」
即納得。
北斗「だろ」
少し笑う。
〇〇「でもあとで聞く」
北斗「…やめろ」
〇〇「やめない」
軽いやりとり。
きょもがそれを見て笑う。
きょも「いいね、戻ってきてる」
〇〇「え?」
北斗「うるさい」
風磨「はいはい」
ちょうどその時。
ドアが開く。
ジェシー「呼ばれたー!」
慎太郎「温泉?」
高地「もう行く?」
樹「早くね?」
一気に賑やかになる。
〇〇「行くよ」
立ち上がる。
ジェシー「よっしゃー!」
慎太郎「きた!」
北斗も立ち上がる。
〇〇と一瞬だけ距離が近くなる。
一瞬だけ目が合う。
でも何も言わない。
そのまま外へ向かう。
全員で。
笑いながら。
そしてこのあと。
温泉でまた少しずつ、距離が動いていく。
廊下。
ジェシー「温泉きたー!」
慎太郎「テンション上がるわ」
高地「落ち着いてって笑」
樹「走るなよ」
〇〇「楽しみ」
少し早歩き。
北斗「転ぶぞ」
〇〇「転ばないし」
北斗「さっき迷ってたやつが?」
〇〇「関係ないでしょ」
軽く言い合う。
暖簾の前で立ち止まる。
男湯、女湯で分かれる。
ジェシー「じゃあ後でな!」
慎太郎「競争な!」
樹「何のだよ」
風磨「ちゃんと浸かれよ」
〇〇「はーい」
〇〇は一人で女湯へ。
男湯。
ジェシー「うわ、最高」
慎太郎「やばこれ」
高地「気持ちいいね」
樹「はあ…」
きょも「いいね」
北斗も湯に浸かる。
北斗「…あったけ」
体の力が抜ける。
ジェシー「で?」
北斗「なに」
ジェシー「どうなのよ」
慎太郎「〇〇と」
北斗「別に」
樹「それやめろ」
風磨「さっき普通だったじゃん」
北斗「普通だろ」
きょも「でも戻ってきてたよね」
北斗「…まあ」
慎太郎「でもなんも言ってないんだろ」
北斗「言ってねえよ」
ジェシー「言えよ〜」
北斗「無理」
即答。
風磨「だろうな」
樹「でも今日チャンスだぞ」
北斗「何が」
樹「泊まり」
慎太郎「逃げ場なし」
北斗「いらねえ」
ジェシー「絶対なんかあるって」
北斗「ねえよ」
風磨「ある」
樹「ある」
きょも「あるね」
全員「ある」
北斗「うるせえ」
少し笑いが起きる。
北斗も少しだけ笑う。
湯に浸かりながら、少し考える。
北斗「……」
北斗「(戻ってはきてる)」
さっきのやりとりを思い出す。
でもまだ足りない。
北斗「(どうすりゃいいんだよ)」
小さく息を吐く。
その頃。
女湯。
〇〇「はあ〜…最高」
一人で湯に浸かる。
静か。
さっきまでの賑やかさが嘘みたい。
〇〇「……」
ぼーっとする。
頭に浮かぶのは、さっきの北斗。
普通に話したこと。
笑ったこと。
〇〇「…戻ったよね」
小さく呟く。
湯に手を沈める。
〇〇「でもさ」
誰もいないのに、ぽつっと話す。
〇〇「なんであんな感じだったの」
やっぱり引っかかる。
「見ててイラつく」
「そのうちわかる」
〇〇「…意味わかんない」
少し眉をひそめる。
でも。
完全に嫌な気持ちじゃない。
〇〇「……」
〇〇「なんか変なの」
少し考える。
でも答えは出ない。
〇〇「まあいいか」
湯に沈む。
考えるのをやめる。
ただ温かさに身を任せる。
でも頭のどこかに。
北斗のことが残ってる。
そしてこのあと。
夜に向けて、また空気が動いていく。
ーーーーーーー
温泉を出る。
ジェシー「はあ〜生き返った」
慎太郎「やばいこれ」
高地「ずっと入ってられるね」
樹「のぼせるぞ」
きょも「気持ちよかった」
北斗もタオルで髪を拭きながら出てくる。
北斗「…あったまった」
少し遅れて。
〇〇も女湯から出てくる。
〇〇「はあ〜最高」
ジェシー「お、きた」
慎太郎「どうだった?」
〇〇「めっちゃよかった」
自然に会話に入る。
そのまま全員で休憩スペースへ。
ソファに座る。
ジェシー「牛乳飲みたくない?」
慎太郎「わかる!」
高地「定番だね」
樹「買ってくるわ」
立ち上がる。
風磨「俺も行く」
2人で自販機へ。
残るメンバー。
〇〇はソファに座って、少しぼーっとする。
北斗は少し離れたところに座る。
でも完全に遠くはない距離。
きょも「眠くなるね」
〇〇「わかる」
少し笑う。
沈黙。
でもさっきまでと違って、嫌な沈黙じゃない。
ジェシー「ほら牛乳!」
慎太郎「きたー!」
樹と風磨が戻ってくる。
瓶の牛乳を配る。
〇〇「ありがと」
北斗にも渡される。
北斗「サンキュ」
みんなで同時に飲む。
ジェシー「うま!」
慎太郎「これだよこれ!」
〇〇も一口飲む。
〇〇「美味しい」
少し笑う。
その横顔を、北斗が一瞬だけ見る。
北斗「……」
すぐ目を逸らす。
樹がそれに気づいてニヤっとする。
風磨も同じタイミングで気づく。
風磨「…順調」
小さく呟く。
樹「な」
しばらくして。
樹「じゃあ部屋戻るか」
ジェシー「ご飯まで何する?」
慎太郎「ゲームとか?」
高地「ありだね」
きょも「部屋でゆっくりでもいいね」
〇〇「ちょっと休みたいかも」
北斗「同じく」
〇〇「え、珍しい」
北斗「うるせえ」
少し笑う。
部屋へ戻る流れ。
廊下。
自然と並びができる。
前にジェシーたち。
後ろに少し遅れて。
北斗と〇〇。
少しだけ距離が近い。
〇〇「…ねえ」
北斗「なに」
〇〇「さっきさ」
北斗「……」
〇〇「普通だったよね」
北斗「…まあ」
〇〇「なんか安心した」
北斗「……」
少しだけ止まる。
北斗「…ならよかった」
小さく返す。
〇〇「うん」
少し笑う。
また少し沈黙。
でも今度は。
どこか落ち着く空気。
北斗「(これでいい)」
そう思う。
でも同時に。
北斗「(でも足りねえ)」
とも思う。
〇〇「……」
〇〇も何か考えてる顔。
でもまだ答えは出てない。
そのまま部屋の前。
〇〇「じゃあまた後で」
北斗「おう」
ドアが閉まる。
ーーーーーーーーー
〇〇の部屋。
〇〇「はあ〜…」
そのまま畳に座る。
風磨「もうダメだな」
きょも「完全にオフモード」
〇〇「無理、眠い」
そのままゴロンと横になる。
天井を見る。
〇〇「……」
少し静かになる。
温泉の余韻。
ぼーっとする。
〇〇「ねえ」
きょも「なに」
〇〇「さっきさ」
風磨「うん」
〇〇「北斗、普通だったよね」
きょも「うん」
風磨「戻ってたな」
〇〇「なんか安心した」
ぽつっと言う。
風磨「へえ」
〇〇「なんかさ」
〇〇「またああなったらどうしようって思ってたから」
きょも「そっか」
〇〇「でも普通だった」
少しだけ笑う。
〇〇「それでいい気もする」
風磨「それでいいのかよ」
〇〇「なにが」
風磨「そのままで」
〇〇「うん」
迷いなく答える。
風磨「……」
きょもが少しだけ風磨を見る。
風磨「まあいいか」
軽く流す。
ーーー
隣の部屋。
北斗。
北斗「…はあ」
畳に座る。
静か。
さっきまでの賑やかさが嘘みたい。
北斗「……」
タオルを置いて、横になる。
天井を見る。
〇〇の声が頭に残る。
「普通だったよね」
「安心した」
北斗「……」
北斗「(それでいいのかよ)」
自分に問いかける。
北斗「(このまま)」
答えは出ない。
北斗「…はあ」
目を閉じる。
でも。
落ち着かない。
隣からかすかに声が聞こえる。
〇〇の声。
北斗「……」
北斗「(近いな)」
壁一枚。
でも距離はそれ以上。
北斗「(どうすりゃいいんだよ)」
小さく呟く。
ーーー
その頃。
〇〇は寝転びながらスマホをいじる。
でも特に何も見てない。
ぼーっとしてる。
〇〇「……」
北斗の顔が浮かぶ。
さっきの会話。
自然だった空気。
〇〇「…変なの」
小さく呟く。
完全には整理できてない。
でも確実に。
前とは違う感情が少しだけ混ざってる。
静かな時間。
それぞれの部屋で。
少しずつ。
気持ちが揺れていく。
そしてこのあと。
夜ご飯で、また全員が集まる。
ーーーーーーーーー
しばらくして。
部屋の静けさを破るように、スマホが鳴る。
樹「飯の時間、10分後な」
グループにメッセージ。
〇〇「はや」
体を起こす。
風磨「ほら起きろ」
〇〇「起きてる」
きょも「顔寝てるよ」
〇〇「大丈夫」
全然大丈夫じゃない顔。
3人で準備する。
〇〇は軽く髪を整える。
鏡を見る。
〇〇「……」
一瞬止まる。
なぜか少しだけ、ちゃんと整えようとする自分。
〇〇「なんで」
小さく呟く。
風磨「どうした」
〇〇「なんでもない」
ーーーーーーーーー
隣の部屋。
北斗もスマホを見る。
樹からの連絡。
北斗「…もうか」
ゆっくり立ち上がる。
鏡の前に立つ。
北斗「……」
少しだけ髪を直す。
自分でも気づく。
北斗「(何してんだよ)」
小さく息を吐く。
でもやめない。
廊下。
タイミングよくドアが開く。
〇〇と北斗。
同時。
〇〇「…あ」
北斗「…おう」
一瞬止まる。
〇〇「今行くとこ?」
北斗「そう」
〇〇「一緒じゃん」
北斗「だな」
自然に並ぶ。
少しだけ距離が近い。
でもさっきより気まずくない。
〇〇「ちゃんと来れたね」
北斗「さっきので覚えた」
〇〇「ならよかった」
少し笑う。
北斗も少しだけ口元が緩む。
沈黙。
でも悪くない。
〇〇「…ねえ」
北斗「なに」
〇〇「今日さ」
北斗「うん」
〇〇「楽しいね!」
北斗「……」
一瞬だけ止まる。
北斗「…まあな」
短く返す。
〇〇「でしょ」
嬉しそうに言う。
その顔を見て。
北斗「……」
何か言いかけて、やめる。
北斗「(やめとけ)」
自分で止める。
そのまま歩く。
食事会場前。
すでに他のメンバーがいる。
ジェシー「遅いぞー!」
慎太郎「何してたんだよ」
〇〇「普通に来ただけ」
樹「一緒に来たのか」
〇〇「たまたま」
北斗「たまたま」
風磨がニヤっとする。
風磨「へえ」
高地「いいね」
きょもは少しだけ笑う。
全員揃う。
ドアが開く。
中へ。
樹「席どうする?」
ジェシー「もう適当でいいでしょ」
慎太郎「座ったもん勝ち」
それぞれ自然に動く。
テーブルは横並び。
奥側にジェシー、慎太郎、高地が並ぶ。
その向かいに樹と風磨。
端にきょも。
そしてその隣に〇〇が座る。
〇〇「ここでいい?」
きょも「いいよ」
その向かい側。
空いてる席に北斗が座る。
結果。
〇〇の真正面が北斗。
樹と風磨がちらっと目を合わせる。
ジェシー「いただきまーす!」
全員「いただきます」
食事が始まる。
ジェシー「うわこれうま!」
慎太郎「ほんとだ」
高地「やばいね」
〇〇「美味しい!!」
きょも「ね」
北斗は静かに食べながら。
時々、視線が上がる。
その先には〇〇。
北斗「……」
すぐに逸らす。
お酒が運ばれる。
慎太郎「飲もうぜ!」
ジェシー「きた!」
樹「ほどほどな」
〇〇「ちょっとだけ!」
風磨「信用ならん」
軽く乾杯。
全員「乾杯」
時間が経つ。
場の空気がゆるくなる。
ジェシー「なあ」
慎太郎「なに」
ジェシー「質問ゲームやろうぜ」
樹「出た」
高地「いいね」
風磨「罰ゲームありな」
〇〇「やだ」
慎太郎「じゃあ飲め」
〇〇「それもやだ」
結局スタート。
数問回る。
そして。
慎太郎「次、〇〇」
〇〇「え」
慎太郎「最近キュンとしたこと」
ジェシー「きた!」
〇〇「またそれ?」
樹「いいから」
〇〇「えー…」
少し考える。
北斗は箸を止める。
〇〇を見る。
〇〇「…あるけど」
ジェシー「知ってるやつだろ?」
慎太郎「高橋恭平な」
〇〇「ちょっと!」
恥ずかしそうにする。
風磨「もうバレてる」
樹「で、どこがよかったの?」
〇〇「えー…」
少し照れながらも話し始める。
〇〇「普通に優しくて」
〇〇「気遣いちゃんとしてて」
〇〇「なんか自然なの」
きょも「うん」
〇〇「この前もさ」
〇〇「荷物持ってたら何も言わずに持ってくれて」
〇〇「“重いでしょ”って」
〇〇「それがなんか…」
〇〇「ドキッとした」
ジェシー「いいじゃん!」
慎太郎「それはくる」
高地「優しいね」
〇〇「でしょ」
〇〇「あと距離感!」
〇〇「近すぎないけど、ちゃんと気にかけてくれる感じ」
〇〇「無理に踏み込んでこないの」
その言葉。
北斗の動きが止まる。
北斗「……」
視線を落とす。
北斗「(それがいいのかよ)」
胸の中で引っかかる。
樹がそれに気づく。
風磨も同じ。
慎太郎「じゃあ付き合えば?」
〇〇「違うって!!」
ジェシー「でも気になってるんでしょ?」
〇〇「…まあ、ちょっと///」
正直に言う。
その瞬間。
北斗の手に力が入る。
北斗「……」
グラスを握る。
風磨「次」
風磨「北斗」
北斗「なに」
風磨「今気になってるやつ」
ジェシー「うわそれ!」
慎太郎「いいね」
北斗「…いねえよ」
樹「それ無し」
風磨「逃げんな」
北斗「……」
少し沈黙。
周りの視線。
そして。
目の前の〇〇。
北斗「…いるけど」
小さく言う。
ジェシー「え!?」
慎太郎「マジ?」
〇〇「え!?」
思わず反応する。
北斗「別に言う必要ねえだろ」
樹「あるだろ」
風磨「言え」
北斗「……」
一瞬迷う。
でも。
北斗「言わない」
グラスを取る。
一気に飲む。
ジェシー「逃げた!」
慎太郎「怪しい!」
〇〇「なにそれ!!??」
笑う。
でもどこか引っかかる顔。
北斗は何も言わない。
ただ。
さっきより確実に。
感情が揺れている。
そして。
この空気のまま。
お酒が進み、さらに崩れていく。
ジェシー「逃げた!」
慎太郎「怪しい!」
〇〇「なにそれ」
笑いながら言う。
でも少しだけ、北斗のことを見る。
北斗は何も言わない。
ただグラスを置く。
北斗「……」
そのままゲーム続行。
樹「次いくぞ」
高地「じゃあ俺」
高地「慎太郎、今一番楽しいこと」
慎太郎「今!」
ジェシー「それはそう」
場はまた一瞬和む。
でも。
さっきの空気は残ってる。
〇〇は少しぼーっとしながら飲む。
〇〇「……」
北斗の「いるけど」が引っかかる。
〇〇「(誰なんだろ)」
少しだけ考える。
数問回る。
お酒も進む。
〇〇の頬が少し赤くなる。
ジェシー「いい感じじゃん」
慎太郎「酔ってきた?」
〇〇「全然!!」
でも少しふわふわしてる。
風磨「次」
風磨「〇〇」
〇〇「また?」
風磨「理想のタイプ」
ジェシー「きた!」
慎太郎「いいね!」
〇〇「えー…」
少し考える。
そして。
〇〇「優しい人」
〇〇「気遣いできる人」
〇〇「あと距離感ちゃんとしてる人」
きょも「さっきと一緒だね」
〇〇「うん」
〇〇「なんか安心できる人がいい」
その言葉。
北斗に刺さる。
北斗「……」
北斗「(安心…)」
自分はどうなんだろうって思う。
慎太郎「北斗じゃん」
軽く言う。
一瞬。
空気が止まる。
〇〇「え?」
北斗も止まる。
慎太郎「いや普通に」
ジェシー「たしかに」
高地「わかる」
樹は黙ってるけどニヤついてる。
風磨も何も言わないけど見てる。
〇〇「え、なにそれ?」
少し笑う。
〇〇「違うでしょ」
あっさり否定。
その一言。
北斗の中で何かが落ちる。
北斗「……」
ジェシー「なんでだよ!」
慎太郎「いいじゃん北斗で!」
その一言で。
北斗の中が一瞬静かになる。
北斗「……」
ジェシー「なんでだよ!」
慎太郎「いいじゃん北斗で!」
〇〇「だって北斗は…」
少し考える。
〇〇「北斗はそういうのじゃない」
きょも「どういうこと?」
〇〇「なんか…」
〇〇「もっとこう、気楽っていうか」
〇〇「一緒にいて落ち着くけど」
〇〇「ドキドキする感じじゃない」
はっきり言う。
場が少し静かになる。
樹と風磨が一瞬だけ目を合わせる。
北斗は何も言わない。
ただ。
グラスを持つ手に力が入る。
北斗「(ドキドキしない、か)」
頭の中で繰り返す。
ジェシー「いやそれ一番いいやつじゃん!」
慎太郎「それだよそれ!」
〇〇「えー?」
笑ってる。
完全に悪気はない。
風磨「じゃあ逆に」
風磨「ドキドキするのは?」
〇〇「え?」
樹「いい質問」
〇〇「なんだろ…」
少し考える。
〇〇「さっきみたいな」
〇〇「不意に優しくされるとか」
〇〇「ギャップとか」
〇〇「あとちょっと余裕ある人」
そのまま。
さっきの話と重なる。
ジェシー「完全に高橋恭平じゃん」
慎太郎「それな」
〇〇「だから違うって!!」
否定するけど、笑ってる。
北斗「……」
もう笑えない。
北斗「(余裕、ね)」
自分にはないもの。
はっきり突きつけられる。
きょも「北斗は余裕ない?」
急に振る。
北斗「ないだろ」
即答。
〇〇「ないね」
同意。
軽く笑う。
その一言。
また刺さる。
北斗「……」
樹「でもさ」
少し空気を戻そうとする。
樹「そういうのって後からくるパターンもあるだろ」
〇〇「えー」
〇〇「わかんない」
正直な答え。
風磨「じゃあもう一個」
風磨「北斗が他の子と仲良くしてたらどう思う?」
〇〇「え?」
ジェシー「いいねそれ!」
慎太郎「聞きたい!」
〇〇「普通に…」
少し考える。
〇〇「別に?」
さらっと言う。
その瞬間。
北斗の中で何かが決定的に沈む。
北斗「……」
〇〇「なんで?」
〇〇「仲良くすればいいじゃん!!」
何も知らない顔で言う。
軽く笑う。
場の空気は一応明るいまま。
でも。
北斗の中だけが静かに沈んでいく。
北斗「……」
グラスに視線を落とす。
北斗「(そっか)」
短く納得するみたいに。
でも全然納得なんてしてない。
ジェシー「冷た!」
慎太郎「もうちょいなんかあるだろ!」
〇〇「えー」
笑ってる。
本気でそう思ってる顔。
風磨がちらっと北斗を見る。
樹も気づいてる。
でも何も言わない。
ジェシー「じゃあさ!」
無理やり空気を戻そうとする。
ジェシー「北斗が急に優しくしてきたら?」
慎太郎「それいい!」
〇〇「え?」
少し考える。
〇〇「…まあ」
〇〇「びっくりはする!」
ジェシー「それだけ!?」
〇〇「うん」
即答。
北斗「……」
北斗「(びっくりだけかよ)」
心の中で苦く笑う。
〇〇「でも」
少しだけ続ける。
〇〇「北斗はそういうのしないでしょ」
〇〇「だから想像つかない」
その言葉。
北斗の中で引っかかる。
北斗「……」
樹「するかもよ?」
軽く言う。
〇〇「えーしないって」
笑う。
〇〇「だって北斗だよ?」
完全に決めつけてる。
北斗は何も言わない。
ただ。
ゆっくりグラスを持つ。
北斗「……」
一口飲む。
北斗「(言うな)」
頭の中で止める。
言えば変わる。
でも。
北斗「(今じゃねえ)」
はっきり思う。
ジェシー「もう一周いく?」
慎太郎「いく!」
ゲームは続く。
でも。
北斗はほとんど喋らない。
〇〇は気づいてない。
普通に笑ってる。
きょもと話して。
みんなと笑って。
その様子を。
北斗はただ見てる。
北斗「……」
北斗「(それでいい)」
そう思おうとする。
でも。
北斗「(無理だろ)」
心の奥では否定してる。
時間が経つ。
お酒も進む。
〇〇はだんだん酔っていく。
〇〇「ちょっと酔ったかも」
ジェシー「きた!」
慎太郎「いいね」
〇〇は少しふらっとする。
きょも「大丈夫?」
〇〇「大丈夫」
でも少し距離が近い。
きょもに寄る。
その光景。
北斗の中で。
また感情が揺れる。
北斗「……」
北斗「(なんでだよ)」
理由は分かってる。
でも認めたくない。
風磨が小さく呟く。
風磨「やばいな」
樹「だな」
表面はいつも通りの空気。
でも内側では。
確実にバランスが崩れ始めている。
このあと。
さらにその歪みが表に出てくる。
〇〇「酔ったかも」
ジェシー「きた!」
慎太郎「いいねその感じ」
きょも「大丈夫?」
〇〇「大丈夫だって」
そう言いながら。
きょもの腕に軽く寄る。
〇〇「ねえ聞いて」
きょも「なに?」
〇〇「さっきのさ」
少し甘えた声。
北斗の視線が一瞬上がる。
〇〇「高橋恭平の話」
ジェシー「まだ言う笑」
慎太郎「好きじゃんもう」
〇〇「違うって」
でも否定のトーンが軽い。
〇〇「なんかね」
きょもの方を見たまま話す。
〇〇「久しぶりにああいうのだったから」
〇〇「ちょっと楽しかった」
北斗「……」
視線を落とす。
北斗「(楽しかった、ね)」
胸の奥がざわつく。
きょも「そっか」
優しく返す。
〇〇「うん」
少し嬉しそうに笑う。
その距離。
その空気。
北斗の中で何かが揺れる。
慎太郎「北斗静かじゃね?」
ジェシー「ほんとだ」
樹「どうした」
北斗「別に」
短く返す。
風磨がじっと見る。
風磨「無理すんなよ」
北斗「してねえよ」
即答。
〇〇「北斗」
急に名前を呼ぶ。
北斗「なに」
〇〇「飲んでる?」
北斗「飲んでる」
〇〇「もっと飲めば?」
軽く笑う。
北斗「……」
北斗「お前が飲みすぎ」
〇〇「大丈夫だって」
そう言いながらまたきょもに寄る。
北斗の手が止まる。
北斗「……」
ジェシー「〇〇もう赤いぞ」
慎太郎「ほんとだ」
きょも「水飲む?」
〇〇「いらない」
きょも「いや飲んで」
コップを渡す。
〇〇「ありがと」
素直に受け取る。
そのやりとり。
自然で。
優しくて。
北斗は何も言えない。
北斗「(ああいうのか)」
さっき〇〇が言ってたやつ。
頭に浮かぶ。
樹「そろそろやめとくか」
風磨「だな」
ジェシー「えー」
慎太郎「まだいける」
高地「〇〇も限界っぽいしね」
〇〇「まだいけるし!」
でも少しふらつく。
きょも「いけてない」
支える。
北斗が立ち上がる。
北斗「部屋戻るぞ」
少し強めの声。
一瞬みんな止まる。
〇〇「えー」
少し不満そう。
北斗「ほら」
それ以上は言わない。
でも。
いつもより強い。
きょもが〇〇を支えて立たせる。
〇〇「歩けるし」
でも少しよろける。
北斗「……」
一歩だけ近づく。
でも触れない。
そのまま止まる。
風磨と樹がそれを見る。
風磨「行くぞ」
樹「おう」
全員で部屋へ戻る流れ。
でも。
さっきまでとは違う空気。
少しだけ張り詰めた感じ。
北斗は何も言わない。
でも。
感情は確実に限界に近づいてる。
それでも。
北斗「(言うな)」
強く抑える。
告白だけはしない。
そう決めてるから。
廊下を歩く。
〇〇はきょもに軽く支えられながら歩く。
〇〇「大丈夫だって」
きょも「全然大丈夫じゃない」
〇〇「歩けるし」
少しふらつく。
きょもが肩に手を回す。
きょも「ほら」
自然に支える。
その後ろ。
北斗は無言で歩く。
視線は前。
でも。
しっかり見えてる。
北斗「……」
ジェシー「〇〇酔ってるな〜」
高地「ちゃんと寝かせないとね」
樹「部屋着いたら水飲ませるか」
風磨「だな」
〇〇「ねえ」
きょも「なに?」
〇〇「さっきの話さ」
まだ続ける。
北斗の足が一瞬止まりかける。
〇〇「やっぱいいと思うんだよね」
きょも「恭平?」
〇〇「うん」
普通に頷く。
〇〇「なんか安心するし」
〇〇「優しいし」
〇〇「一緒にいて楽」
北斗の中で、何かが強く引っかかる。
北斗「……」
北斗「(またそれかよ)」
きょも「そっか」
〇〇「うん」
きょもはそれ以上深くは聞かない。
でもちゃんと聞いてる。
そのやりとり。
全部聞こえてる。
北斗「……」
北斗「(安心、優しい、楽)」
頭の中で繰り返す。
樹がちらっと北斗を見る。
様子がおかしいのに気づく。
風磨も同じ。
部屋の前に着く。
樹「着いた」
ドアを開ける。
中に入る。
〇〇はそのまま座り込む。
〇〇「はあ〜…」
きょも「水飲む?」
〇〇「うん」
素直に頷く。
きょもがコップに水を入れて渡す。
〇〇「ありがと」
また自然なやりとり。
北斗は少し離れた位置に立つ。
何もせずに見てる。
北斗「……」
ジェシー「完全に出来上がってるな」
慎太郎「かわいいけどな」
高地「明日大丈夫かな」
〇〇は水を飲みながら。
きょもにもたれかかる。
〇〇「ねえ」
きょも「なに?」
〇〇「優しいよね」
きょも「誰が?」
〇〇「きょもも」
少し笑う。
北斗の中で。
一気に何かが崩れる。
北斗「……」
北斗「(なんなんだよ)」
風磨「北斗」
小さく呼ぶ。
北斗「なに」
風磨「顔」
北斗「普通だろ」
風磨「普通じゃねえ」
北斗は何も言わない。
ただ。
視線を逸らす。
〇〇「北斗も優しいけどね」
ふいに言う。
全員一瞬止まる。
北斗も止まる。
〇〇「でもさ」
続ける。
〇〇「なんか違うんだよねー」
悪気なく言う。
北斗の中で。
完全にスイッチが入る。
北斗「……」
でも。
言わない。
北斗「(言うな)」
強く押さえる。
北斗「…もういいだろ」
低く言う。
少しだけ空気が変わる。
〇〇「え?」
きょもも風磨も樹も見る。
北斗「その話」
それだけ言う。
〇〇「…なんで?」
少し不思議そう。
北斗「もういいって言ってんだろ」
少し強くなる。
部屋の空気がピリつく。
樹「北斗」
止めるように言う。
北斗はそれ以上何も言わない。
でも。
感情は完全に表に出始めてる。
〇〇はまだ分かってない。
でも。
確実に。
2人の距離がまた揺れ始める。
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コメント
2件

最高すぎる🥺
よし、最高。