きりやん視点
少し肌寒い。
夜の帳の中で、俺らは線香花火をしていた。
ただただ沈黙が続くだけ。
2人ともやけに集中している。
sm「あっ…、」
静寂を破ったのはスマイルの声だった。
松葉と呼ばれる弾け方の途中で落ちてしまった。
スマイルは俺の手にある、まだ弾けている線香花火を見つめていた。
キラキラとパチパチと。
淡く儚い光を数分間見つめ続けた。
散り菊。
花びらが散るように、段々と色を失い消えていく光。
sm「終わっちゃったな。」
kr「もう一本やる?」
俺はスマイルにもう一本と、線香花火を差し出す。
カチッ。
ライターで火をつけて、もう一度線香花火をすることにした。
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