テラーノベル
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ぐち逸のあとをつけることにした。
夜12時をまわった頃、仕事が終わっただろうぐち逸の後ろを静かに着いていく。
パッと見怪しい動きはなく、アジトへの帰路についているようだ。そういえば最近、毎日ではなく数日に一度くらいのペースで遅帰りだったな。今日は直帰の日か?
と思ってたらなにやらぐち逸が誰かと電話している。よく聞き取れないが、なんか嫌そう…?
あ、道変えた。
アジトの方角とは別の方に歩き出すぐち逸。不思議に思いながらもついていってみる。
しばらく歩くと、辺鄙な場所に建物があった。その入口でぐち逸は少しスマホをいじり、ほどなくして扉が開く。中からスーツを着た中年男性が出てきてぐち逸を招き入れた。
え、中入っちゃったじゃん。鍵閉まったし。どうやって忍び込もうかな。…よし。鍵穴があるってことはピッキングできるってこと。音鳴に教えてもらって使いどころがなかった技を使う時だ。
ちょっと時間がかかっちゃったけどピッキング成功。建物の中に侵入した。見張りはいないようで、難なく奥へ進む。
さて、ぐち逸はどこに行ったんだろうか。勘に任せあっちこっちと部屋を覗いてまわる。しかしなかなか見つからない。マジでどこに行ったんだアイツ。てかこんなとこに何しに来たんだよ。
ぶつぶつ思いながら歩いていると、おそらく地下へ通じてるだろう道を見つけた。自分が迷子になっても困るし、ここにいなかったらまた明日つけよう。そう決め地下へ降りていった。
地下へ降りると、扉がひとつ。一応耳をすませてみる。すると、声がいくつか聞こえてきた。ギャハハと下品に笑う声がふたつ、なにやら喋っている男性の声がひとつ、そして…喘ぎ声?がひとつ、…ってこれ、ぐち逸の声じゃね?いつも聞いているテノールボイスからは想像つかないが、たしかにぐち逸の声だ。
え、なに、もしかしてだけど、これ。
念の為持ってきた銃を持って、ドアノブをゆっくりと回す。どうやらここに鍵はかかっていないようだ。
勢いよく扉を開けると、
裸で手錠をかけられ犯されているぐち逸と、犯している男が1人、ぐち逸の口にモノを突っ込んで腰を振っている男が1人、それを楽しそうに見ているスーツの男が1人。その全員が俺の方を振り返った。
「なんッ」
スーツの男が何か喋るのを遮って頭に銃を撃つ。一発でダウンした。次に、驚いて逃げようとした男二人を同じくヘッドショットでダウンさせる。あっという間にあたりは血溜まりが生まれた。
「…っレダー、さん…?」
状況がうまく飲み込めてなさそうなぐち逸が俺の名前を呼ぶ。俺は何も言わず、部屋の端っこに落ちてたぐち逸の服を引っ掴みぐち逸に着せた。着せてるうちにぐち逸が寝落ちたので、そのまま抱えて建物を出た。
俺のぐち逸を、よくも。
コメント
2件
おおー!✨最高すぎます!✨