ソファで寝転んで動画見ながら、ポテチをぽりぽり食べてるてつくん。完全に休日モード。
「てつくん、ちょっといい?」
「んあ?説教?コーヒーこぼしたの…バレた?」
「ちがう」
ちょっと真面目な声出したら、
ポテチの袋をそっと閉じて、急に姿勢を正す。
「……マジのやつ?」
「うん。あのね」
「やだ、怖い。借金?なんか買った?俺払うけど?」
いやなんでいきなり破産ストーリーなんだ。
「違うってば。
妊娠してました」
てつくん、
ポテチの袋を握りしめたままフリーズ。
固まる。
5秒。
10秒。
まばたきゼロ。
「てつくーん??」
「…………え?俺、なんかした?」
「したよ?」
「……あ、そっか……俺か……俺が犯人か……!」
ようやく回線がつながったらしい。
「マジで!俺、パパ!?え、え、俺が!?
ちょ、待って、心の準備してない!!」
興奮してうろうろし始める。
「ちょっと落ち着いて!」
「いや、父親って一大事じゃん!?え、どうしよ、SNSのアイコン変える?」
「なんで?」
「パパっぽい雰囲気にした方が良くね?猫の写真のままでいい?」
「別にいいよ」
「よかったぁぁーー!!」
急に戻ってくる。
「ねぇ今どんな気持ち?気持ち悪くない?
俺、医者じゃないけど、冷房のリモコンなら今すぐ持ってこれる!」
なんの役に立つのそれ。
「てつくん、落ち着いて」
「落ち着いてられるかよ!俺の遺伝子が……動き出してる……!
やばない?史上最強の黒尾(ちっちゃいver.)爆誕するんだけど?」
嬉しすぎて語彙力が迷子。
そして急にしんみりして、
ぽつっと一言。
「……ありがとな、🌸。
俺に知らせてくれて。俺に任せてくれて」
最後だけ妙に真面目に締めるのが、彼らしい。
「とりあえず座ってて。ポテチ下げるわ。
今日からお前、ソファに住み着くこと決定だから。なにかあったら召使を呼ぶための鳴らすベルみたいに俺を呼べ」
「ベル持ってないけど」
「俺の名前呼んだら来るから。秒速で」
コメント
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最高✨