今回は実況者関連全く関係ありません。
俺がこういう物語を書くのは、今回のもので最初で最後かもしれませんね…。
では、お楽しみください。
⚠️微ホラー・BL⚠️
それは、夏休みにたまたま墓場が近かった俺の家で行われた怪談から始まった。生憎と両親は同じ仕事をしているからか移動になり、今は家に1人で住んでいる。
学生生活も残りわずか…そんな最後の夏休みにせっかくだから思い出作りとして何かやらないか?という話になり、成り行きで俺の家で怪談をすることになってしまったのだ。
何かと金もかけたくないらしいから、内心少し面白そうだと思う自分の意思を尊重して承諾した。
そして今、彼らはとてつもない空気感の中、少しの物音に肩を震わせている。
___ゴンッ
「な、なんだ⁉︎今の音…‼︎」
「ただの風の音だろ?気にすんなって…」
そう。俺は幽霊を全く信じていない。
少しでも怖い気分になれば暑さが凌げると思い、今回のことを承諾したまであるのだ。
横に座っていた佐々木がまた、肩を震わせる。
はぁ…
「で、誰から怪談を始めるんだ?」
「お、おま‼︎この状況でか⁉︎」
「本来の目的はどうしたんだよ…」
今回の提案者、成田が声を上げるも、自分の家の中でビビり散らかす彼らに苛立ちが走ったのかもしれない。俺は「本来の目的」と付け足すことでこの家に来た意味を再度思い出させてやる。
成田が声を震わせながら「じゃ、じゃあ俺から…」と手を上げ、話を始める。
「これ、去年の夏休みに旅行に行った話なんだけど…」
「え?何お前が体験したやつなの?」
「…うん」
ぎこちなさそうに彼は話を続ける。
「俺達が宿泊していた宿は森の中にあって、けど温泉とかなると山奥のがいいじゃん…?んで結構人気の宿だったのね…」
話しずらいのか両手の親指を交差させている。
「風呂とか飯とか、全部終わらせてもう部屋に戻ろうってなった時、「それ」が部屋の前で彷徨いてたんだよ…」
「それ?」
蝋燭の光が照らす彼の顔が、青ざめていることに気がつく。
「白装束の女…で、ずっと彷徨いてるから最初は部屋迷ったのかなと思ったの。だから管理人さんを呼びに行ったんだけど、戻ってきたら…いなくなってて……」
カタカタと歯を鳴らす彼に少し鳥肌が立つ。
俺は少し聞き返してみる。
「管理人さんには聞かなかったのかよ?」
「聞いたよ…そしたら昔、この宿で死んだ女の霊なんじゃないかって…冗談じゃねぇぜ」
「うわ怖ええぇ…」
佐々木が思わずといった素振りで声を上げる。
もう気がついたかもしれないが、この空間にいるのは俺と佐々木、最後に成田の3人だけ。
前に座っていた成田がガタガタと震え出し、俺を指差す。その顔は怯えに染まっていた。
「…なぁ、お前、後ろ……、」
横、前には2人がいても、“後ろ“には誰もいないはず。
恐る恐る、ゆっくりと後ろに振り返ると…
1人の男性が暗闇の中、こちらを見下ろし突っ立っていた。
思わず出そうになった叫びを両手で塞ぐ。
「「ゔあああああああ‼︎‼︎」」
慌てた様子で2人が玄関を目指し走り、そのまま家を出て行ってしまった。
2人だけ、になってしまう。
そもそも、幽霊が恐れられるのはあくまで人間自身が理解を伴わないからである。また、人間は理解出来ないものを怖がり、距離を取る習性があるため、俺は幽霊を信じなかった。
男性に体を向け、質問する。
「…どなたですか?」
すると彼はゆっくりとしゃがみ、俺と目線を合わせてきた。
彼はこう言った。
『幽霊さんです』___と。
コメント
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冷静すぎる強ぇ
こわぁ、...