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白山小梅
白山小梅
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” |碧音《あおと》くんって、なんで彼女作んないの? “
うんざりするフレーズを聞かせたのは、バイト先のお気に入りの客だ。で、俺はさっき、酔いつぶれたお客を家に送ってやったわけ。
もちろん、見た目タイプな女の子のみね?さらに言えば、スタイルもそこそこ良い子ね?
俺は《《千景》》みたいに、誰でもOK、彼氏持ちでもOK、彼女がいても以下略っていう博愛スタンスでは無いので、介抱する女の子にはきちんと条件を設けている。
一応、子どもでは無いので、いい感じになればもちろんそのまま《《いただく》》こともあるし、それも暗黙のルールである。で、この女と寝るのは初めてでは無い。
つまり、いままで、コトが終わればシャワーを浴びてすぐに寝るっていう、あっさりとした関係が気に入っていたにも関わらず、何度目かを経てこの手の話を持ち出すってことは……。
なんとなーく、めんどくさい感じになりそうで、先行きが不安である。
我ながら、ろくな恋愛してねーな。と、たまに思うけれど、上には上がいるので別に気にしない。
とか言いつつ、床にちらばった自分のロンティーとユルっとしたチノパンを履いて、テーブルに置いていたスマホと財布をポケットに仕舞う。
” 彼女を欲しいと思ったことが一度も無い “
で、めんどくさくなる前に、んじゃあ帰るわ。と、さっさと退散する。多分、あの女と寝ることはこの先無いだろう。
Q、なんで彼女、欲しいと思ったことがないの?
A、あの子以外、欲しくないから。
俺は今でも、彼女の影を追い求めて、
別の誰かの温もりを手繰り寄せている。
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