🖤💗1(side:mm)
前話の🖤視点です!
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🖤💗1(side:mm)
__偶然だったんだ。
たまたま佐久間くんが部屋にいたから
何気なく聞いただけだった。
佐久間くんの反応ってほんとに面白いから
なんて言うかなって興味本位で
押し倒してみた。
そしたら、
普段のダンスとかアクロバットからは想像できないくらい
小さくて細い身体に
きゅるきゅるの目
小動物かよ。
これで舞台の上ではあんな顔するんだから
ファンの子たちが狩られちゃうのもわかるわ
なんて考えてる間
佐久間くんは俺の胸を叩いて抵抗してる
でも俺には全然効かなくて
🖤「ほんとちっちゃいね、かわいいけど」
少しからかってみると
怒った素振りで横を向いてしまった
…どんな顔してんのかな。
頬をつまんで
🖤「こっち向いて」
揺れる視線を捕まえた
顔真っ赤…
💗「んみゅん」
🖤「なんだそれ」
💗「んむむみゅ」
この人は本当に小動物なのかもしれない。
ほっぺたの感触に夢中になっていたら
突然、目の前の大きな瞳が潤んで見えた
🖤「えっ!佐久間くんどうした」
泣かせた…?
しまった、やりすぎたか
途端に罪悪感が押し寄せてくる
💗「…なんでもない」
絶対嘘。
🖤「うそつけ」
なんか嫌だった、小さなことだけど
そんな嘘つかないで欲しかった
佐久間くんはいっつもうるさくて、SnowManのムードメーカー
でも1番皆のこと見てて、1番空気も読む。
意外とプライベートでは落ち着いてて
明るく元気だけど、たまにすっごい落ち込んだり
守られてるけど、守ってあげたい。
そんな気持ちになる
一緒にいるのは居心地が良くて
佐久間くんも俺の事気にかけてくれて
結構仲良くなれたと思ってるんだけど
やっぱりまだ俺は
佐久間くんの弱いとこ見れるほど
近づけたわけじゃないのか
でも、今の言葉が嘘だってわかるくらいには
俺、佐久間くんのこと知ってるよ。
過ごした時間の長さが違うのは
しょうがないとはわかってるけど
わがままだとも思うけど
ちゃんと気持ち教えて欲しいっていうか
もっと俺の事も信じて欲しい
なんか俺ちょっとダサい?
だけど、見過ごせない何かが
胸に引っかかってる気がする
よくわかんねー
自分の感情に戸惑いながら
潤んだ黒目がちな瞳をじっと見つめる
真っ赤に上気した頬は白い肌によく映えて
額にかかるふわふわピンクの髪の毛
綺麗に通った鼻筋
長い睫毛
よく知ってる香水の匂いがして
落ち着く、だけどそれだけじゃない
何かがいつもと違う気がする
このままじゃまずいかも。
でも不思議と、離れようとは思わなかった
🖤「…佐久間くん」
二人の間に流れる沈黙に
どうしてか鼓動がはやくなって
思わず名前を呼んでいた
💗「…………」
黙んないでよ。
なんかやばいんだって
込み上げてくる感情に
名前をつけたら
多分もう戻れない
そう、わかってるはずなのに。
震える薄い唇
吸い寄せられるように
___自分の唇を重ねた
🖤「…………」
💗「…………っ」
柔らかい感触に
飛んでいきそうになる理性をどうにか抑えて
でももっと深くまで知りたい
🖤「…………っは」
触れてしまったら
もっと
💗「…………ぅあ」
やばい。
いつもと違う艶っぽい声と
うっすら涙を浮かべた瞳
酸素が足りないのか、頭が働かない
💗「……………っ、あっ」
ドンッ
雑誌が床に落ちる音が
2人を現実に引き戻した
なんだったんだ、今の…
佐久間くんが何か言ってるけど
脳が痺れてよくわからない
肩を掴んで揺さぶられて、なんとか返事をする
🖤「ん…あぁ…」
💗「なんであんなことしたんだよ!!」
なんで、か…俺もまだよくわかってないんだけど…
🖤「ん〜…したかったから…?」
思ったままを答えたら
佐久間くんは火照った顔をさらに真っ赤にして
💗「はぁぁぁあ!?」
って、信じられないくらいの大声
さっきまで俺の腕の中にいた人と同一人物か?
何やらブツブツ呟きながらピンクの頭を抱えて
大きく肩で息をしてる
🖤「佐久間くん?大丈夫…?」
少し心配になって頬に手を伸ばした
💗「やっぱだめ!!!!!」
🖤「おぉ……」
大袈裟な拒絶反応にちょっと傷つく
まぁ突然あんなことされたらびっくりするよな
余裕無さすぎだろ俺…
若干の自己嫌悪に陥っていると
おもむろに佐久間くんが机の上の荷物を片付け始めた
🖤「なにしてんの佐久間くん」
💗「わからん!!!」
わからんって…
手まで真っ赤だけど?
自分で気づいてないのかな
大人なんだか子供なんだか
かわいいなぁ、なんて。
……かわいい?
あぁ…もうダメかもな
いつもと違う胸の高鳴りに
気づいてしまった
恋の始まりって
いっつも唐突だ
人を好きになるなんて
長いことなかったから忘れちゃったし
ましてやこの人は
男で、大事なメンバーで
そもそもこれは恋なのか
自分でもよくわからないけど
ずっと胸につっかえてた何かに
ようやく名前が付いたみたいで
今、目の前にいる小さな先輩が
どうしようもなく愛おしい。
💗「俺…俺トイレ行ってくるから!!」
そう言うなりドアを開けて
廊下に走り出ていく佐久間くん
🖤「荷物全部持って…?」
背中に声をかけるけど、聞こえなかったみたい
ほんとに変な人だ。
🖤「…フフッ」
無意識のうちに出た自分の笑い声が
今まで聞いたことないくらい柔らかくて
なんか俺、気持ち悪いな。
でも嫌な気分じゃない
久しぶりに芽生えた暖かな感情
隠せるような性格はしてないから
まずは、俺を好きになってもらうために
何から始めようか
いきなりキスはまずかったかな
佐久間くん恋愛赤ちゃんだし…なんて
ほころぶ口許に手をあてて考える
多分簡単な恋じゃない
でも、やっと気づけたから
今は早くこの気持ちを伝えたい
躊躇うなんてキャラじゃないしね
荷物を片付けながら、軽く深呼吸をした
うるさくてにぎやかで、どこかあったかい
ふわふわピンク頭の先輩
また明日も会える。
そう思うだけで嬉しくなる、単純な自分に
苦笑しながら楽屋のドアを開けた。
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最後まで読んでいただきありがとうございます🙇♀️🙇♀️
前話より文字の間(?)を空けてみたのですが、どちらが読みやすいかよければ教えてください!
ご意見、リクエストお待ちしております✨
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