エドガー・アラン・ポオにまたもや別の異能を貼り付けちまった
【冒頭モノローグ】※ポオ視点
愛しているから、黙って従いたくない。
愛しているから、君に死んでほしくない。
……それでも、“生き残るための選択肢”が、
君を犠牲にしろというなら――
俺は、世界を間違ってやる。
【場面:無機質な密室】
二人は次のフロアに辿り着く。
そこは白一色の密室で、中央には二つのボタンと一台のモニター。
天井には毒ガス散布装置のようなものが見える。
語り部(モニター越しに)
「最終実験にようこそ。
ルールは単純です。赤のボタンを押せば“ポオ”が、青を押せば“乱歩”が即時解毒処置を受けます。
ただし、もう一方は毒が倍速で進行します。
押さなければ――両方死にます」
【ポオの激昂】
ポオ(机を殴りつける)
「お前らの歪んだ“選別”なんかに屈するか!そんなボタン、押すわけが――!」
乱歩(咳き込みながら)
「落ち着け……やつらの目的は、“俺たちがどこまで相手を犠牲にできるか”だ。
冷静になれ、ポオ」
ポオ
「冷静でいられるか!!君がこのまま死ぬのを、黙って見ていろって言うのか!?」
【毒の進行と乱歩の推理】
乱歩の片腕が痙攣して動かなくなっている。
しかし彼は、じっとボタン装置を観察し、わずかなズレに気づく。
乱歩(つぶやく)
「……ボタンに、微細な指紋誘導センサーが仕込まれてるな。
これ、選ばせる“ふり”をして、本当はどっちを選んでも“両方死ぬ”設計かもしれねぇ」
ポオ(息をのむ)
「……罠?」
乱歩(うなずいて)
「ああ。“殺し合いを演出する”のが目的なら、“どっちが押したか”のデータさえ取れりゃ満足なんだよ」
【ポオの抵抗と決断】
ポオは震える手で赤ボタンの上に指を置く――が、押さない。
彼の顔には恐怖と怒りと愛しさが入り混じっている。
ポオ(苦悶)
「君が俺を守ろうとするなら……
俺は“君を選ぶことを拒む”ことで、君を守る」
乱歩(息を詰まらせる)
「ポオ……」
ポオ(泣きそうな声で)
「これは俺の選択だ。お前を“殺すふりすらしない”。
そんな実験、成立させない」
【選択システムの異常作動】
異常アラートが鳴る。
「ERROR――条件未達。心理反応不十分。被験体ポオ、拒絶度異常値――」
扉の向こうから、再び《黒翼》構成員・カフカが現れる。
カフカ(皮肉気に)
「想定外だね。普通は愛してる相手だから“助けようとして殺してしまう”んだけどな」
乱歩(うつむきながら笑う)
「悪いな。俺ら、“普通”じゃねぇんだよ」
【クライマックス:ポオの異能発動】
怒りの限界に達したポオの異能《モルグ街の幻影》が暴走しかける。
部屋中が黒い羽根と幻想に包まれ、カフカの姿が飲み込まれていく。
ポオ(感情をむき出しにして叫ぶ)
「俺の幻想で、お前の真実を塗り潰してやる!!」
カフカ(声だけ残し)
「見せてもらおうか、愛ゆえの狂気――」
【エピソード末:解毒の兆し】
ポオの異能の干渉により、毒の循環装置が一時停止。
乱歩は床に崩れ落ちながらも、かすかに笑う。
乱歩(かすれ声)
「やっぱ、お前……怒っていいときは怒るタイプだな……」
ポオ(そっと抱き寄せ)
「お前の命が賭けられてるのに……怒らずにいられるはずないだろ」
【第3話ラストモノローグ:ポオ】
君の推理が、世界を救うなら、
俺の幻想は、君一人を救うためにある。
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