晴明は声を張り上げ、最後の呪文を唱え始めた。その瞬間、彰子が不自然に震え始め、彼女の瞳が闇に染まった。
彰子(蠱毒):「我を封じようとするか!この女を闇に染めてやろう!」
鬼の声が彰子の口から漏れ出し、彼女を支配しようとしていた。しかし、晴明は怯まず、呪文をさらに力強く唱え続けた。
蠱毒の鬼と晴明の闘いは、壮絶な攻防戦へと発展していった。鬼は必死に体を奪おうとし、晴明はそれを阻止しようと全力を尽くした。儀式の中、晴明の体から放たれる光が徐々に強まり、ついには屋敷全体を包み込んだ。
光の中で、蠱毒の鬼は苦しみながらも消え去ることはなかった。しかし、晴明の呪文がついに鬼を封じ込め、再び封印を施すことに成功した。彰子の体から鬼の気配が消え、彼女は静かにその場に崩れ落ちた。
晴明は深い息をつきながら、彰子に近づき、優しく声をかけた。
晴明: 「藤原様、これで一時的に鬼を封じました。しかし、消し去ることはできません。あなたの心が強くある限り、鬼は再び蘇ることはないでしょう。」
彰子は涙を浮かべながら、晴明に感謝の意を伝えた。
彰子: 「晴明様、本当にありがとうございました。私…もう二度と鬼に心を支配されないよう、強く生きていきます。」
晴明は微笑み、彼女を励ました。
晴明: 「その意志があれば、大丈夫です。未来は、あなたの手にかかっています。どうか、これからも強く、雅な心で都を護ってください。」
こうして、蠱毒は再び封印され、彰子は都での生活を続けた。彼女は晴明の言葉を胸に刻み、強く生き抜いていくことを誓った。
都は平穏を取り戻したが、陰陽師たちは知っていた。この世ならぬ存在が、現れることがないよう、目を光らせているべきだと。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!