続き⤵︎ ⤵︎ギルベルト目線
俺はプロイセンの化身ギルベルト。親父が本田菊のところに行け。と言われた。
正直面倒だが、親父の為ならいい。
ならば日本語を少し覚えとかないとな。
やっぱり日本語は難しい。
まず発音ができない。舌が言うことを聞かない。
「おっ、おふぁよぉ…?」
「こんにちぃっわ…これはスラッといけるぜー!」
「おやっすみぃ…これも楽勝だな!」
日本語とドイツ語は全然違う。改めて思った。
「……難しすぎるぜぇ、」
頭が痛い、無意識でベットにダイブした。
「世界は広いぜぇ、……」
「あれ、俺様寝てたか。」
気づいたら寝てしまっていた。
自分の部屋を出て、親父の方へ向かった。
「明日絶対行ってくれ。」
「親父わかったぜー!」
「じゃあ、Gute Nacht」
「オヤスミー!!」
初めて日本語を喋った。やっぱ、俺様すごいぜー!!
ピピッピッピッ
「小鳥さんが呼んでるぜ………ん、ふぁあーあ。」
目覚めがいい。大きなあくびをかました。日本語の本は開きっぱなし。
「別に通訳者がいるからなぁ…でも俺は負けねぇぜ!!こんなムズい日本語をスラスラ読めるようになってやるぜ〜!!」
俺の何が働いた。何故だろう分からない。でも負けたくない。自分に。
弱い自分を見せたくない。親父にも。
「んじゃ親父行ってくるぜ」
「頼んだよ。」
馬車に乗り、日本語の本を再び開いた。
少し、酔うがこのくらいなんともない。
集中が途切れてしまった。この時は汽車があった。馬車に乗り、駅で降り、汽車に乗る。
「はぁ…色々変わっちまったなぁ、」
窓の下枠に腕をおき、手の甲に自分の頭をのせた。
ぼーとしていると。駅に着いた。
「今から乗るのかぁ、カッコよすぎるぜ!」
人が多い。どこを見ても人。みんな足が早い。急いでいる。止まったら怒られる。
ならば俺も早く歩けばいいのだ。
「人間ばっかだぜ!栄えている証拠だな!」
馬車で少し酔い、人にも酔ってしまう。気持ち悪い状態。でもそんな事は顔に出さない。
理由は分からない。でも人に迷惑はかけたくない。そんな気持ちだろう。
「やっと乗れたぜぇ…結構しんどいな。」
ガタッゴト ガタッゴト
汽車の音だろうか。初めて乗るからなんの音か分からない。
睡魔が襲ってきた。この揺れのせいか?
少し寝た。
「ここがキクの家か?どっから入ればいいだ?」
「俺ん家とドアが全然違うぜ……?とりあえず…突撃いいいい!!」
ガッシャーン
思ってたのと違う。まず開け方が違う。これ横に開くのか…。
「ケセセセ‼️俺様が来てやったぜー!!」
彼はびっくりしていた。そして、俺もびっくり。名前だけ教えてもらい、写真とかは見ていない。
年寄りとか言うから老けているのかと思った。ほんとに爺か?疑問が次々に出てくる。
「あ、あなたは、?」
これもまた、ちっこいのに声が低いとか…、それはただの偏見か、まぁいい俺は役割を果たしに来ただけ。
「俺様を知らないなんて、世間知らずだぜー!!」
「す、すみません…引きこもりを卒業したばかりで……」
少しあせっているような、怖いのだろうか。
「俺様の事は師匠と呼べ!」
「師匠ですか、わかりました。」
感情があまり出てこない奴か。正直こいつが考えていることが分からない。
次の日その次の日もキクの家に訪問した。ちゃんとドアを壊さずに。
大阪藩と名乗る奴から茶を貰った。緑茶と言うらしい。
「う、うめぇー!」
と、俺が言うと、キクは喜んでいた。初めて見た。恥ずかしがって照れているのは。
褒めまくったら、心を開いてくれるかもしれない。
俺の家は最近忙しい。会えない時もあるかもしれない。でも合うように予定を合わす。
いつか消えてしまうことだってある。それを言いたい。でも言えない。キクに言いたいが、言ってしまうと、また不安で引きこもってしまうだろう。
ガラガラッ
「ケセセセ!来てやってぜー!!」
「静かに開けれましたね。 」
「ギルベルト君が来てくれると、何故か落ち着くんですよね…」
衝撃的だった。キクからこんな言葉を言うなんて。煽っているのか?照れくさい。
「そ、そうか!?それはありがたいぜー!」
俺達と同じ国 にこんな感情を抱くのは。それと同時に、改めて俺は人ではなく、国だったんだ。今も。
いつか消えてしまうことだってある。それを言いたい。でも言えない。キクに言いたいが、言ってしまうと、また不安で引きこもってしまうだろう。だが、言わなければ。
「……キク、言いたいことがある。」
「は、はい…なんでしょう…? 」
「…いやなんでもねぇ」
俺は言わなかった。いや言えなかった。
「言いたい時にい言えばいいですから、ね?」
優しい声で”私は大丈夫”と遠回しで聞き取れた。空気を戻すために、話を変えた。
「そうか…俺様に合わせろー!」
「俺様が来てやったのにお茶用意してねぇとは!弟子失格だな! 」
「あ、すっかり忘れてました。今から入れますね。」
「ひでぇぜ、まったくよぉ、」
「緑茶でいいですか?」
「いいぜー!」
「どうぞ。」
「Danke!!」
そういい、茶を受け取った。
「そういえば、どうして緑茶がすきなんですか?」
「ん?そりゃあ、まぁ美味いからな! 」
納得いくようないかないような曖昧な答えを出してしまった。
「ふふっ、ギルベルト君らしいですね!」
また笑った。笑った方が可愛いのに。無表情なんて、もったいねぇな
「俺らしいぜ〜!!」
キクは悩みがある。
大阪藩に聞いた、
「菊さん、みんなにな、ついていけるか分からへん。だからギルベルトさんに任せてもらってもええですか? 」
そうだ。キクは引きこもりを卒業したばかりだ。無理に動く事はできない。
「おう!任せろ!」
今は自信満々で言うしかない。もし、断るような事を言うと、相手は悲しくなるだろう。
そんな顔は見たくない。
それを思い出してしまった。またこの空気になるのか。と思う。
でも今しか話せない。ならば、
「なぁ、キク。」
「最近どうだ?」
と、聞いてみた。
「だ、大丈夫ですよ?」
言葉のキャッチボールが曖昧。きっと不安なのだろう。グイグイ言っても、大丈夫、大丈夫と言うだけだ。
「嘘つくなよ?師匠を舐めるなよ?」
「あはは、大丈夫ですってば、!」
「そうか、?なんかあったらこの師匠に言えよな!!」
「あはは、大丈夫ですってば、!」
まだ、心は開いていないのかも知れない。いつか言うだろう。いつか開いてくれるだろう。
「じゃあ、俺様帰るぜー!!」
「はい、ではまたいらっしゃってくださいね!」
「明日絶対くるぜー!」
「はいはい」
と、そんな会話が終わった。
また、駅へ馬車に乗り家に帰った。
「うぇぇえ、これは酔うぜ……」
まだ酔ってしまった。
明日もこれかと思うと気が重い。まぁ親父ために行ってるだけ。キクのためでもあるな。
「もう、なんか疲れたぜ……」
重かった瞼を閉じた。
長めにしてみました‼️めっちゃ書くの楽しいです‼️切ない系のギル菊見たかったんですよ…
でもほとんどえっちぃなのか、めっちゃ仲良い感じのしかなくて笑えん。それでもいいんですが…!
どこか切ないギルベルトを見たかった。
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