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徐々に屍の数が減ってきた。
「ハル、トウマは武器をしまってミズキとあいつの近くに居てくれ。あとは俺達で片付ける。」
「でも」
「あとは大人の役目だ。」
瓜生の一言で武器をしまったハルとトウマはミズキ達の近くで待機した。
「うぇ、結構くるな。」
ハルも急激な目眩に襲われる。
「霧島、怪我はないか?」
「ないよ。それより柊君はなんともないの?」
「ちょっと乗り物酔いしてるくらいかな。2人みたいな酷さはないよ。」
「悪かったな。」
ハルが寝転んで答える。
「ほんとーにねー。酷いよねー。僕の大切なおもちゃ、壊しちゃうんだからー。」
3人の背筋が凍る。
自分達4人以外に人の気配はしなかった。
なのに、なんで、ハルの隣に同じように寝転がっている男がいるんだ?
「やっほー、新入り君達。」
ミズキの目に男の身に纏うローブのマークが目に入る。
「狂信者•••!」
ミズキの言葉にハルとトウマが武器を構えるより先に駆けつけた叶が攻撃をしかけた。
「違うよ、熱心な信者だよ。」
狂信者は攻撃を軽々と交わしてみせた。
「異端者は君達なのになー。破壊神様は素晴らしいのに。それに僕しか残ってないなんて、あーあー、ほんとーに酷い酷い。」
「トウマ、ハル、2人を連れてシェルターに入りなさい。」
「僕はー?」
「行かせるわけねぇだろ!」
花村と瓜生も攻撃をする。
「行きなさい!」
トウマがミズキを抱え、3人は急いでシェルターの中まで走る。
「あははは!リセットだ!この世界のリセットだ!」
狂信者も反撃してくる。 そして地面に触れたかと思うと大量の屍を作り出した。
「くそ、沸き潰しが甘かったか!」
「ゴキブリみたいに沸いてきやがる!」
増えていく屍を倒してもキリがない。
「大将、大佐、沸き潰しは任せました。その代わり、場所は選んでください。」
「叶、なにを」
「こいつらは私が引き受けます。」
「待て!叶、お前!」
「わかった、やるぞ、花村。」
「ですが!」
「花村!」
瓜生の声に花村は自分の責務を思い出す。
「すみません、私情です。わかりました。」
花村は瓜生と一緒に狂信者を敷地内から遠のかせるよう誘導する。
「桔梗、血を吸って。」
“やったー!頑張っちゃおー!”
叶の両腕から血が流れ始める。そして両腕に握られた武器はそれを吸うと、激しく鼓動する。
「この一撃で、しとめる!」
先程とは比べ物にならない屍が一斉に襲いかかる。
“今だよ。”
武器のその声に反応し一振する。攻撃範囲が広がり、屍は殲滅された。
その一撃でシェルターの扉が壊れた。
「叶、さん•••。」
トウマの視線の先には左腕の肘から下を失った叶が立っていた。
花村達は狂信者を拘束していた。
敷地外には瓜生と花村の部下が待ち構えており逃げ場などどこにもなかった。
「どうしてお前達が屍を操れる。」
「さー?信心深いからかなぁ?」
狂信者は嫌な笑みを浮かべている。
「何人で襲撃しに来た。」
「実は僕1人だったりして!あははは!」
「花村。」
「はい。」
花村が狂信者の目の前に人の腕を投げ出す。
「!」
狂信者の顔に動揺が走った。
「沸き潰しってのはな、こうやってしてるんだ。お前達が地面に触れた時に屍が甦った。今までそんなこと下っ端の奴等には出来なかったんだよ。それをどういうことか、お前達は今日、俺の目の前でやってのけた。これはどういうことかな? 」
「し、知らない!知らない!僕はただ!」
なにかを言いかけ口を紡ぐ。
「•••お友達は素直に白状したんだがな。」
「まっ!」
懇願の声も虚しく、瓜生はそのまま狂信者に剣を振り下ろした。
「こいつも大した情報なしですね。」
「仕方ない。とりあえず被害状況の確認からだ。花村はあいつらの所に行け。」
「•••腕、なくなってるんですかね。」
「おそらくな•••だが、最終的に決めたのは叶の意志だ。」
花村はトウマと処置室前で待機していた。
重い空気が流れる。
「•••俺達のせい、です。」
先に口を開いたのはトウマだった。
ミズキと霧島には見せないようにしたが、叶の腕がなくなくなった衝撃は大きかった。
「違う。お前達には関係ない。判断したのは叶自身だ。」
「でも」
「こんな武器を使うんだ。代償があるのは当たり前だ。特に叶やミズキみたいに声が聞こえる奴らはな。」
「声、ですか?」
「適応力が高すぎるんだ。武器は味方だ。だから自分の主を守る。そのためなら人間の体にどんな負担がかかろうが、無茶な関節の動きになろうがおかまいなしさ。それでもお前達は覚悟の上、だろ?」
「そう、ですね•••。」
「まぁ、命に別状ないし、ミズキには追々訓練しながら話しはしていく。トウマ、ありがとうな。お前の機転で余計な負担にならずに済んだ。助かった。」
「いえ、俺達にまだ力があれば防げたことです。」
「ははは!頼もしい後輩達で安心だ!まぁ、また明日からな。それに今はまだ青春楽しめよ。若いんだから。」
花村はポンっと軽くトウマの肩を叩いた
。
「なにかわかったか?」
瓜生は確認の後すぐに研究施設に来ていた
。既に持ち帰られた狂信者の腕の解析が行われていた。
「まだ不確定ですが、チップらしきものが埋め込まれています。これがなんらかの作用をしているのかと。」
「そうか。」
「瓜生君、お疲れ様。」
「総帥。」
「なにやら物騒な話だね。」
「はい。これ以上の知恵を付けられる前に、早く奴らを潰さねばいけません。」
「そうだね。あの子達は巻き込んでしまうが、この代で終わらせよう。」