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ガシャン!!!バタバタッ!!!
「虹ちゃん!!!!」
「うるせぇーなぁー…」
「そんなこと言ってる場合じゃないのよ!!!」
ある日、母親が慌てて俺の部屋に来た。
初めは、ノックぐらいしろよ…と少しイライラしていた。
この日が…悲劇の始まりだった。
「なんだよ…?」
母親はいつも穏やかな人で、何言っても怒らない人だった。
だからこんなに慌てるなんておかしいと思ったんだ。
「虹ちゃん…落ち、着いて…聞いてほし、いの…」
母親の顔は青ざめていて、良い報告じゃないことだけは明確だった。
「あのね…」
「うん。」
「癒良ちゃんが余命宣告を受けたって…」
…
…
「……は、?…」
急だった。思考が追いつかなかった。
最初に出たのは間抜けな声だけだった。
ただ、心臓がドクン…ドクン…と音を鳴らしているだけだった。
癒良に、余命宣告が…?
その瞬間、俺は俺も分からないほどに早く部屋を出た。
階段を駆け下りて、玄関で急いで靴を履いて家を出た。
俺は今まで出したことないスピードで、癒良のいる病院に行った。
「…はぁっ、はぁっ、ゆ…らぁ、っ…」
病院に着いて、看護師さんに癒良のいる病室を聞いた。
「癒良…八雲癒良のいる病室はどこですかっ!」
「あれ、虹くん……癒良ちゃんですね?」
「はいっ…!」
看護師さんは俺の心とは真反対に穏やかだった。
「えっと、癒良ちゃんは102号室ですよ。」
…あれ、前の部屋と変わってない…
俺は急いで、でも走らずに癒良のいる102号室に向かった。
ーーガラガラッー!!
「癒良!!」
俺が焦りながら、声を出すと癒良のいるベッドの周りにいた癒良の母親と医者
が振り向いた。
「…あら、虹くん…」
癒良の母親が、声を漏らした。
「おば、さん…癒良、は…」
少し震えながら、癒良の母親に目線を向けた。
「虹くん。こっちにおいで…」
俺が震えながら癒良のベッドへ向かった。