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#大人の恋
鷹槻れん

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#ハッピーエンド
美凪ましろ
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目が覚めると隣に海は居なかった。
まさか、泊まり?いくらなんでもそれはルール違反だ。
うんざりしながら着替えてリビングに行くとカーテンは締ったまま照明は煌々と付いてる中、スーツ姿の海が長ソファに座って眠っていた。
目の前のテーブルの上には私がプレゼントしたボールペンが置かれている。
少しは申し訳ないという気持ちがあるのかしら。
「海」
体を揺らして名前を呼ぶと、体が一度ピクンと跳ねてから「なお」と言いながら目を開けた。
やよいって言ったら蹴り倒していたかもしれない。
「こんな所で寝ていたら風邪をひくよ、昨日は飲みすぎたの?」
「いや、ああ・・・昨日はすまなかった」
悪さをして叱られている大型犬のようだ。
「どうしたの?お仕事なんですもの仕方がないじゃないですか」
「ああ、でも」
「とりあえず、着替えて。朝食は食べられる?」
「ああ、食べるよ。それからプレゼントありがとう」
「会社ででも使って」
「大切に使うよ」
海はボールペンを持って立ち上がるとベッドルームへ歩いて行った。
シャケの切り身をグリルに入れ火を付ける。
玉ねぎと溶き卵の味噌汁を作りながら、昨日漬けておいたきゅうりの浅漬けを盛り付ける。
ハンバーグや唐揚げで山盛りになっている三角コーナーを片付ける。
部屋着に着替えた海がダイニングに入ってきた所でシャケが焼き上がりテーブルに並べる。
海はチラリと三角コーナーを見て視線をもどした。
「昨夜はリクエストまでしていたのに、料理を無駄にしてすまなかった」
「お仕事なんだから気にしてないわ、弥生さんもいないし、それに主役はいないけどお義父さまと二人でお祝いしたから」
「え、親父と?」
「そう、弥生さんとの馴れ初めも聞いたの」
「へえ〜」
「ハンバーグねすごく褒めてもらったの、懐かしいって」
「そうか、所で昨日の埋め合わせと言ってはなんだけど、今日どこかに出かけないか?」
「今日?」
「そう、食べ終わったら」
「前に、運動を始めるって言ったでしょ?それで、駅前の屋内テニス場のテニススクールの体験入校を申し込んでいてそれが今日なの。この後、すぐに出かけるの」
「ああ、そんなことを言っていたね。じゃあ、俺も行ってみようかな」
「海は遅くまでお仕事していたんだから、今日はゆっくりしたら?お昼までには帰って来れると思う」
明らかなつくり笑いの海が「わかった行っておいで」と言った。
土曜日の午前中とあって、体験入校のメンバーは年齢層が幅広くオープンして間もないこともあり人数も多かった。
軽くシステムの説明があった後はストレッチをして、アンケートに書いた履歴により簡単なグループ分けがされた。
経験者とは言えほぼ遊びだったので初心者コースに入ることになり、軽いラリーを程よく楽しんだ。
弥生と海を泳がせるための時間が必要な為、何かしらのスクールに通う気ではあったが、久々の運動は体と脳にいい刺激を与えた。
シャワーを浴びて着替えていると、先程同じ初心者コースにいた女性から声をかけられた。
「入会はどうするんですか?」
「入会しようかと思ってます」
「「じゃあこれからランチしません?」」
声を掛けてくれた女性とは違う二人の女性が声を揃えて誘ってきた。
「ご一緒させてください」
海に『体験入校をした方たちとランチをしてから帰ります』とLINEを送った。
イタリアン風のファミレスでパスタやピザ、チキンなどをシェアしてドリンクバーで好きなものを好きなだけ飲んで元を取るんだ!って感じが楽しい。
4人の中で私が1番年下になるが、気兼ねすることなく話をすることができて話し込んでいるうちに午後3時を回っていた。
「いけない、そろそろ帰らなきゃ」
私が慌てていると他の三人も帰る支度を始めた。
私も含め4人とも既婚者で二人は平日のみで私と工藤さんは火曜日の午後と土曜日の午前中の2回にした。
皆んなと別れてからスマホを確認すると『分かった』という言葉と『帰りは何時くらい?』『遅くなるなら迎えに行こうか?』と連続で入っていた。
すっかり返事を確認するのを忘れていた。
鍵を開けた所に海が慌てて出てきた。
一瞬、弥生が来ていて慌てているのかと思ったが
「奈緒、返事がなくて心配した」
と焦った口調で言っているので、少しは心配したのかもしれない。
まぁ、この男は子供をもうけることが目標だから、私に逃げられるのは困るだろうから。
「ごめんなさい、話に夢中になってスマホを見てなかったの」
「いや、事故にでもあったんじゃないかと不安になっただけだから。楽しかった?」
「久しぶりのテニスで明日、筋肉痛になっていそうだけど楽しかった」
「そうか、それならよかった」
最初は緊張した表情の海だったのが、すこしづつ柔らかくなっていく。
「お昼はどうしたの?」
「ああ、食べてない。疲れてなければあのスーパーに行かないか?」
「いいけど、荷物を置いてくるね」
「あ、いや、休んでからでいいよ」
「休んだら動きたくなくなるから」
そう言って笑うと、海はホッとしたような表情になった。
もしかしたら、昨夜の事を気にしているんだろうか?
どうでもいいけど。
海が押すカートに果物や野菜を入れていく。
「海は何が食べたいの?」
「奈緒に負担のない物にしよう、なんでもいいよ」
「なんでもいいが、1番難しいんだから」
「はははは、ごめんごめん。じゃあこれは?」
そう言って海が手に持ったのは有名店の名前がついたピザだった。
生の状態でパッケージされていて、家のオーブンで焼くだけだ。
お昼に、みんなでピザを摘んだということは黙っていてあげよう。
「じゃあ、そうしよう」
お酒とおつまみになりそうなものもいくつかかごに入れるとレジに向かった。
会計の時、財布からカードを取り出す際、病院の診察券を落としてしまい海が拾ってくれたが病院名を見た海の表情に驚きの色が見えた。
コメント
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このエピソード、奈緒の“仕返し”がじんわり効いてきて面白かったです。三角コーナーの山盛りハンバーグ→義父と祝う→テニス仲間とランチ→海を“泳がせる”流れ、彼女の冷静な距離感と計算が細かい描写で伝わってきました。最後の診察券、海が何を驚いたのか…絶対ここ伏線ですよね。続きが気になります。