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円柱は一本ではなかった。
ざっと見渡せる範囲だけで数十本、いや、大き過ぎてそれぞれが互いに死角を作っていた為に、全てを俯瞰する事は出来なかったが、感覚的には百本を越える存在感がビシビシ伝わって来ていた。
そう、テューポーンさんはチームだった様である、つまりテューポーンさん御一行だったと思われた。
御一行の足元では、レイブ達を相手に暴威を振るい捲っていたモンスター達が脅えた素振りで足を止め、得体の知れない化け物の登場にらしくないパニックを起こしているようであった。
とは言え、生来馬鹿な魔物である、論理的な行動など取れる訳もなく、棒立ちのまま思い思いに大声で騒ぎ立てたり、バタバタと地団太を踏む位が関の山であったが……
そんな魔物、モンスターは見る間に数を減らして行った。
彼等の消える様を見たレイブは二つ目の間違いに気が付いたのである。
――――あー、吸血タイプじゃあ無かったんだー、うわあー
言葉の通り、叫び捲り足を踏み鳴らしていたモンスター達は丸ごと喰われた、何だったら立っていた地面ごと、レイブの感覚的に表現するならば、その場の大気や環境ごとそれはもう一緒くたに空間が抉り取られてしまったのである。×百以上、である。
――――ああ、そう言えばアスタさん、百頭の魔とか言っていたしな。 ん? 百頭って? ま、まさかっ! いやいや、それよりもまず、これだけは先に聞いておかないと! 大事な事だよな、うんっ!
「えっと、アスタさん? この皆さん、テューポーン御一行ってあのあれですよね? 味方とかそう言う、的な? ヤツですよね?」
アスタロトは自分の背後で今正に繰り広げられている殺戮や、モンスター達の断末魔を一切気にしていない風で、優しい微笑をレイブに向けたままで答える。
『ん? 無論味方だぞ! と言うか、まあ身内? ってのかな? コイツは孫娘の亭主なんだけどな! ははは、何か改めて家族の事とか紹介するとか、口にして言うと恥ずかしいなぁ~、お~い~♪』
「あぁー、お孫さんのー、へえぇ~」
なるほど…… どうやらこの規格外の化け物はアスタロトの一族らしい事が、割と鈍い方のレイブであっても理解できた。
ってか、ここまではっきり言われれば判らざる得ないだろうね。
家族のそれも序列的には結構低いタイプの化け物だったようだ。
皆さんに判り易く言えば、法事とかの集まりで後ろの方で愛想笑いに終始するタイプの若い旦那さんと言えばご理解頂けるだろうか、何しろ孫娘の連れ添いだもんね。
嫁『アタシが小さい頃ね、お婆ちゃんが大好きでずっと後ろくっついて歩いててぇ~』
テ『へ、へえ、そうなんだ』
叔『そうそう、お前ってば小学校の入学式で婆さんのスカートの中に隠れちゃってな! はははっ!』
嫁『やっだぁー叔父さーん! んでも懐かしいなぁー、そんな感じだったんだよ、テューポーン君』
テ『へ、へえ~、好きだったんだね~、お婆さんの事』
嫁『うん! 大好きだったよ! ね? 叔父さん、伯母さん?』
叔『ああ~、この子は婆さんに懐きっ放しでなぁ~、なあ、姉さん?』
伯『ホントホント! この子と母さん本当に仲良しだったのよぉ~、テューポーン君?』
テ『へ、へえぇ~、そうなんすね~(いや、知らねーし!)、そうなんだー』
的な立場ではないかと類推してしまうのはあくまでも、私、観察者の私見に過ぎないが……