テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
雫
860
うさみみ
793
「え、あ、あれ…お、俺…今何て言った…??」
「…『俺だってずっと蓮に抱かれたいって思ってたんだから』って言った」
何で一言一句違わずに覚えてるんだよ! 台詞みたいに覚えるんじゃねーよ!!
とても蓮の顔なんて直視出来なくて、今度は俺が俯いて顔を隠した。側にあった掛け布団を引っ張ってその中に隠れようかと思ったけど、蓮はそれを許してくれなくて。
布団を取り上げられたと思ったら、そのまま両肩を掴まれた。
「…さっき言ったこと、本当? そんな風に思ってくれてたの…?」
「そ、それは…あの」
俯いた俺の顔を見ようと、蓮が身を屈めて覗き込んでくる。国宝級イケメンの顔が近い…!
自分の発言と蓮の近さに心臓がバクバクと音を立ててる。
でもさ、俺、蓮の言ったこと忘れてないからな。
「れ、蓮だって…ずっと俺に触れたかったって、どういう意味なの」
「それは…」
「こんな状況で触れたかったなんて言われたらさ、俺のことそういう意味で好きなのかなって思っちゃうじゃん…」
「……思っていいよ」
「え…」
「思っていいよ…実際その通りだから。ずっと前から佐久間くんが好きで、ずっとずっと触れてみたくて堪らなかった」
蓮の言葉に驚いて顔を上げると、熱を帯びた眼差しとぶつかった。もしかして、ずっとこんな目で見られてたの?
ドキドキして頬だけじゃなく、何だか身体まで熱くなってくる。
じっと俺の目を見つめていた蓮が、そっと俺の頬に触れてきた。ゆっくりと撫でられて心臓が大きく跳ねる。
「ほっぺが真っ赤なのは、良い意味で取っていいの…?」
「うん…俺も、蓮が好き…」
こくりと頷いて小さく囁くと、蓮が嬉しそうにふわっと微笑んだ。
柔らかくて蕩けそうな笑顔にこっちが恥ずかしくなる。
「嬉しい…佐久間くん、好きだよ…」
「俺も……んっ」
引き寄せられて唇が重なった。何度も啄むようにキスが繰り返されてドキドキが止まらない。
やがて蓮の舌が入り込んて俺の舌を絡めとった。甘い吐息を漏らしながら蓮の背中に縋り付いて、ふと思い出す。
そういえば、俺も蓮も何にも着てなかった。
「ふっ、あ、んぅ…っ」
「はっ…さくま、くん…」
深く激しくなるキスの最中、蓮の腕が俺の腰を引き寄せる。
ちょ、待って。今は駄目だって…っ!
抵抗する間もなく抱き寄せられて蓮の膝に乗せられて。その一瞬、蓮の舌の動きが止まった。自分の腹に当たる俺の変化に気付いたから。
だってさ、好きな人とこんな濃厚なちゅーして裸で引っ付き合ってたら、そりゃ勃ちもするだろ?!
「…キスだけでこんなガチガチにしちゃって、可愛い」
「う、うるさい。しょうがないだろ…ずっと片想いしてたんだから」
「ん、そうだね。俺もおんなじ」
「え…あっ、ぁんっ」
蓮の腕が更に俺を引き寄せて、完勃ちになった俺のモノに緩く立ち上がった自分のモノを擦り合わせてきた。
突然の刺激に、自分でもびっくりするくらい甘い声が漏れる。
それと同時にお腹の奥が何だか疼いた気がした。
記憶にはなくても、俺の身体は確実に蓮に抱かれた快感を覚えてて。多分、もう一度それが欲しいって訴えてるんだと思う。
これはさ、もう、記憶に無い行為を再現しないと治まらないんじゃないかな…。
「…あの、れん…」
「佐久間くん…やり直しさせて?」
「やり直し?」
「ん、そう。俺と佐久間くんの、初めてのやり直し。少し触れただけでこんなに可愛くてエロいのに、何にも覚えてないのもったいなさすぎる」
「ば、ばか…っ」
「それに…せっかくずっと好きだった人に触れられるなら、ちゃんと大切に抱きたい。隅から隅まで愛し尽くしたい」
そう言って熱っぽく見つめてくる蓮に、全身が熱くなってくる。
俺もう多分、頭皮から足の爪先まで真っ赤なんじゃないかな。
蓮の眼差しも剥き出しの欲も、恥ずかしいし照れくさくて堪らない。
ても、同じくらい俺も蓮が欲しくてどうしようもなかった。
「……全部あげる。俺の全部、蓮のものにして…」
蓮の首に縋り付きながら、その耳元で小さく小さく囁いた。
大事な言葉は、蓮にだけ届けばいいから。
「っ、佐久間くん…佐久間くん、好きだよ…っ」
「あっ、んん…っ 蓮、れん…っ」
ぐるりと視界が回って、その場で押し倒されたのが分かった。
愛を囁きながら蓮が唇を落としたのは、俺の首元にあるハートのホクロ。
そういえば目が覚めて確認した時、そこに一際赤い痕が残ってたなって思い出す。
ここにキスしたいとか、考えてりしてたのかな。
蓮の俺への好きとか執着に実感が湧いてきて、身体がゾクゾクと震えた。
嬉しい、嬉しい。蓮、大好き。
俺の全部、隅から隅まで。どこもかしこも蓮のものだよ。
その代わり、蓮の全部も俺にちょうだい。
そう願いながら、蓮の愛撫を全部受け入れて。
あとはもう溺れて翻弄されるだけだった。
コメント
1件
読了しました…!両片想いがやっと通じ合った後の空気感がもう、たまらなかったです。「記憶に無くても身体が覚えてる」っていう描写、すごく切なくてでも甘やかで。蓮くんの「隅から隅まで愛し尽くしたい」って台詞が胸に刺さりました…幸せになってほしい、本当に。