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不確かな恐れと、触れる和らぎと

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不確かな恐れと、触れる和らぎと

3 - 測りかねる距離感

♥

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2024年04月28日

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3話です、ありがとうございます。


また最後に♡のあれ(呼び方わかんない)つけたんですが、次の話まだブラッシュアップしたいので、達成しても投稿まで時間かかるかもしれません。

その辺はご愛嬌で。


今回はちょっとイチャイチャするはずなので、楽しんでいただけるとうれしいです。











「、、ん………ぇ、?」



瞼を開くと、そこには全く知らない景色……ではないな、どこだっけこれ。


……あ、仁人の家か。


そうか、この匂いも微睡みの中で感じたものだ。


着替えさせてベッドに寝かせるなんて、そんなめんどくさいこともするんだな。


、仁人は、?


仁人を探そうと、まだ寝ぼけた足取りで寝室の扉を開くと、キッチンでなにか作業をしているその姿が見えた。



「じんと、」


「あ、起きた?おはよう」



仁人が優しく微笑んで、この笑顔を見れるのは幸せだな、と思うと自然とこちらも笑顔になる。


なにを作ってるんだろうとキッチンに近づくと、餃子を包んでいる最中だった。



「ありがとう…てか、ごめん。なんで俺、仁人ん家いんの?」


「え?」


「いや、俺てっきりホテルとか泊まるもんだと思ってたから…」


「ほんとに覚えてない?佐野くん、じんととはなれたくない〜!って言ったじゃない」


「、は?それガチ?」



何も覚えていない。

から、やりかねないと言えばたしかにやりかねない。


うーわマジ?それ恥ずすぎるんだけど。


そんな、俺が甘えるとかプライベートでは全然やんないのに。



「っんは、ウソだって、ウソ……って、え?顔赤っ!笑」


「はっ?なんなのお前、マジさあ…」


「でもまあ、甘えてたのはほんとだし。ホテルとったらしいけどどうする?って訊いても、んぅ〜…って言って起きないし離れないから、そのまま連れてきたわ」


「え待って、笑、それのほうが普通に恥ずいんだけど笑」



ちょっとそれはリアルすぎるって。


耳の先まで熱くなるのを感じる。


さっきの俺、ほんとに何やってくれてるんだ。

これはしばらくメンバーからネタにされる気がしてならない。


まあたしかに、嬉しかったんだよなあ、仁人が心配してくれて。


ほら、いつもはひねくれ淡白キャラ気取ってるじゃん、?

そうゆう仁人の優しい部分が見えた感じはしたよね。


なんか、うん、嬉しかった。


仁人への愛が溢れて、静かに背後から抱きついた。


腰に腕を回して、肩に顎を乗せて…。



「じんと、ありがとう」


「近っ!笑、びっくりしたあ……」



うわ、なんだこれ、なんか…もうずっとくっついてたいくらい心地いい。



「勇斗!つくってんだから離れろって」


「え〜〜〜〜〜〜〜ヤダッ」


「なぁに、いいけどさあ……いつもは俺の距離感嫌だとか言うじゃない」


「いつもはヤだけど今日はいいのっ」


「はいはい笑、じゃあ邪魔しないでよ?」



その言葉を聞いて、そっか、ちょっかい出してやる!と思い、耳元に囁く。



「じんと」


「うわあ?!」



そしてそのまま首筋に…。



「ちゅっ」


「わぁぁ、音がぁ…生々しぃ……」



ふ、いちいち反応かわいっ。



「…じんと、す……」



え。


いま、なんて言おうとした、?


すきだよ。って。


いや、そんなわけないじゃん。



「す…、?」



上目遣いの仁人もかわいい。


いやでも!すきじゃないよ、だって男だし。仁人だし。家族みたいなモンでしょ。


そうだよ。


そうそう。


メンバー愛的なね。


家族愛みたいなやつね、。


そりゃあ家族のことはすきじゃん。

そんな感じでメンバーも大好きだし。


じゃあ仁人のこともすきに決まってるじゃんって話。


そういうあれじゃないから、ね、。


早くなった心音がバレたくなくて、思わず離れる。



「ぇ、なに?」


「す……し!そう、すしの気分だったんだけど、やっぱじんちゃんがこんな愛情込めて餃子つくってくれてるの見てさ、すしなんかより仁人の愛情を食べたいなあって」


「キモぉっ!笑、なんかわからんけど、それはキモいよ、まじで。てかご飯つくってる人に対して他のもの食べたかったとか言わなくていいし」


「え?なんで!それを食べる気じゃなかった人をその気にしたってことは嬉しいでしょ!」


「あーわかったうれしいうれしい」


「棒読みっ!」


あっっぶね〜、乗り切った……。


「ごめんって笑」


…て、え、そんなかわいい笑い方してたっけ。


口元に手添えて、困り眉なんかしちゃって、女の子みたいな華奢な仕草にちょっとキュンとする。


……………いや、気のせいだから。


大丈夫。仁人はもとからかわいいし、俺はメンバーとして仁人がすきなだけ。

変な気持ちなんてないから。



「まあ食べたいならよかったよ。あの件で結構食らってそうだったし、食欲なかったらどうしようとか思ってた」


「あ!やっべ、忘れてた笑」



そうだよ、だから俺、仁人の家いるんだわ。


なんか呑気に遊びに来たくらいの感覚でいたわ。



「は?お前…あれ忘れられるくらい回復してんなら帰れよ!!」


「えー無理、なんか思い出したら怖くなりそうだし、仁人といたいし」


「なんか今日の勇斗変だわ、なんか、変なデレが笑…ま、佐野くんがいたいならいてもいいけど」


「まじ?!」



うわ、この家に仁人と住むってこと、?


やばすぎる。


仁人とご飯作りあって、洗濯とか掃除とか分担して、しかも距離感バカの仁人とでしょ……え、それってもう新婚みたいな、、。


って、なんで新婚みたいだと嬉しいんだよ、俺。


そんな微かな期待を抱いて楽しみにしていた同棲(?)生活だけど、呆気なく終わりを迎えた。







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