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『印象』
小さい頃、あまりに輝いていたから見間違えたんだ。ステンドグラスから差し込む光との色合いで神様って思えたくらいに。
……そんな事をポツリとこぼしたソイツは生意気にも偉い上の連中なんて気にもとめずにぶち当たっては口調だって悪い。
少し前まではそんなこと無かった筈なのにいつの間にか彼奴は何処から誰が見ても「クソ生意気」この一言だけだった。
そんな彼を羨ましいと感じた事はどれだけあったかもう分からなくなったくらいには今だって鮮明に覚えてる。
「おい、マリア」
「ろまーのさまだ!」
キラキラした期待と希望、待望に溢れた眼差しが向けられる。
其れが疎ましいとも煩わしいとも感じた事が無いとはお世辞にも言えない。何度だって感じたことだった。
「……お前。ほんと、その表情ムカつく」
ムスッとへの字にしながらボヤくと目の前の少年はキョトンとしていた。
「ろまーのさま……その、おれさまのことキライ?」
「……別に、キライとは思ってねぇよ。」
そんなにも綺麗なのに誰よりも血気盛んなお前がどんどん汚れるみたいでムカつく。
そう呟くと彼の瞳はゆらゆらと揺れていた。
「あの時のお兄様の言葉聞いた時、いっぱい懺悔しなきゃって思っちまった。汚れてごめんなさいって」
「……お前が俺を神様見たいに見えた様に俺もお前の姿が」
天使みたいに見えたんだよ。