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Where are we?
予想通り、と言うべきか。
私は完全に迷子になった。
見た事のある人も、場所も、もう見えないし、分からない。
(おうち に帰りたい)
そう思った時には、涙が出ていた。
最初は小さかった嗚咽は、だんだんと大きな泣き声になった。
ずーっと泣いてる私を見ても、誰も話しかけない。
しばらくして、泣き疲れた頃。
1人の男の人が話しかけてきた。
「君大丈夫?ママは?迷子かな?」
おそらく20~30歳くらいの人、優しそうな雰囲気を放っている。
「…うん」
「そっか、迷子か。」
「大体の家の場所は分かるかな?」
「わかんない」
「電話番号は?」
「…知らない」
「うーん、とりあえず交番行く?」
「駄目!警察は嫌。」
「へぇ。なら、一旦 おじさん家 来る?」
「うーん…」
「大丈夫。暖かいお茶も、お菓子も出すよ」
「…行きたい。」
「よし。落ち着いたら、お母さん探そうね。」
おじさんに手を引かれて、駐車場に行く。
私は、おじさんの車に乗って、おじさんの家に向かう。
(おじさんの名前、聞いてないな…)
おじさんの名前を聞こうとしたけど、泣き疲れたのか、眠くなって寝てしまう。
「寝ちゃったのかい?ノア。」
おじさんはノアの名前を呼んで微笑んだ