テラーノベル
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アンディ・ビームスの精粉工場で一日中精粉し、袋詰めして閉じ、それを梱包する仕事に費やしていたジャスティンが、フラフラで家に着いたのは夜の8時頃だった
喉が渇いてむずむずしているし、 鼻もさっきからくしゃみが止まらず、きっと小麦粉のせいだろう、咳をこらえるのがやっとだ、急いでシャワーを浴びたくて鉄製の階段を鼻歌を歌いながら登り、家のドアをガチャンッと開けた
「あっ!お帰り! 」
目の前で竜馬がエプロンを付けて、おたまを持ってジャスティンに微笑みかける
「・・・・何やってんだ?」
ジャスティンはしばらく玄関で一時停止し、目を丸くして竜馬を見た、部屋中に良い匂いが立ち込める
「カレーを作ったんだ、ジャスティン今日ハードワークだって聞いてたから」
「すげー良い匂いする・・・」
鼻をヒクヒクさせて目を閉じて、ジャスティンが周りの匂いを嗅ぐ
「カレーって何だ? インド人が食う「curry」ってヤツか?」
ジャスティンは竜馬の背後に来て、ガスレンジにかかっている鍋を見る
「「curry」は「curry」でも日本のcurryだよ」
「このキッチンで料理をしたのは お前が初めてだ・・・俺の他にはって意味だけどな・・・ 」
「そうなの?」
竜馬は伸びて鬱陶鬱陶しくなっていた前髪を、ちょんまげのように結び、おでこ全開でジャスティンに微笑んだ
「といっても俺が作る料理なんて、ベーコンをフライパンで焼く程度だけどな、その鍋もロックハウンドさんがくれたもので お前が初めて使っている 」
マジマジと珍しそうに鍋を見つめる
「先にシャワー浴びてくる? なんか君がしゃべるたびに辺りに粉が舞ってる、あと冷凍の米をレンチンすれば出来るよ 」
腹ペコのジャステインは慌ててシャワールームに向かった、ぐつぐつ煮えているカレーをひと混ぜし、火を止めた、部屋中に家庭的な匂いがたちこめた
シャワーを浴び終わったジャスティンが、スゥエットのズボンに上半身裸で、クビにタオルをひっかけコカ・コーラのベンチに座って、じっとこっちを見ている、美味しいものを食べられる期待で瞳はキラキラしている
アルミニウム製の大きな皿にレンチンした米を盛り 、その上にカレーをかけて盛り付けた、美味しそうな匂いがするし、二回目にしては上手に出来たのではないかと竜馬は思っていた
「熱いから気を付けて」
ジャスティンは湯気の立つカレーと米を、大きなスプーンで絶妙なバランスですくいあげ、そっと息を拭きかけて、一口で口の中に入れた
「なんだこれ!!うめぇ!!!」
ハハッ「本当?よかった 」
竜馬はホッとして自分もカレー皿を手に取った、かきこむようにカレーをむさぼり食べているジャスティンを見ながら、竜馬もカレーを食べた、我ながら良い味だった
「俺!毎日これでいい!!」
カレーライスを二杯おかわりしたジャスティンは元気を取り戻し、帰ってきた頃は、疲れで青白かった顔も、ピンクに染まっていた
「今日ビームスさんの所どうだった?僕も来週行こうかな」
てっかまき
33
321
#莉犬くん
みく
27
コカ・コーラ―の瓶をラッパ飲みしているジャスティンがニヤリとした
「貧弱なヤツは肩壊れるぞ」
「僕も体を鍛えたいんだ」
二人はすっかりカレーをたいらげた後、竜馬は鼻歌を歌って食器を洗った、その周りを何故かジャスティンがソワソワして竜馬の回りをウロウロしている
「あ~・・・その・・・ 大変だったんじゃないのか? こんなの・・・作るのって・・・ 」
壁にもたれて腕を組み、なぜかバツが悪そうにジャスティンが言う
「?・・・そんなに大変じゃなかったよ?といってもこれしか作れないんだけど、あとシーフードとか入れたらもっと美味しくなると思うし・・・ 」
「そ・・・そうか!あれだな!材料費・・・いくらだった?ほら・・・日本食って高いだろ? 」
そう言ってじゃステインは、ジーンズからクシャクシャの10ドル紙幣を3枚出しながら言った、竜馬はクスクス笑いだした
「ねぇ・・・ジャスティン 」
「な・・・なんだよ! 」
ジャスティンに近づいて顔を覗き込む
「そういう時は素直に「ありがとう」って言ったらどうかな? 」
フンッと腕を組んで頬を染め、ジャスティンはそっぽを向いた 、筋肉質の前腕はうっすらと金色の毛で覆われている
「そんなの言い慣れてないから無理だ!」
ジャスティンは(何を馬鹿なことを)と言った感じだ
クスクス・・・ 「僕で練習してもいいんだよ」
「するもんか!」
そう言いながらもジャスティンは、竜馬の傍を離れようとせず、竜馬が皿を洗って何気なくジャスティンに渡すと、大人しく布巾で皿を拭き出した、それを見てまた竜馬は笑いそうになるのを必死でこらえた
「それとね・・・僕・・・ ミリーと別れたんだ」
「・・・お前はそれでいいのか?」
「うん・・・なんか・・・僕ってさ、女の子といるよりジャスティンと遊んでる方が楽しいみたい」
へへへっと嬉しそうに竜馬が笑った、ジャスティンといると時間が早く過ぎて行くし、何もかもが面白く感じられる、素直にそれを口に出した
「ふ~ん・・・・・ お前ゲイかよっ! 」
フフンッと意地悪そうに肩眉を上げてからかうジャスティンを、アホかっという顔で竜馬が二の腕にパンチをかました、笑いながら竜馬はカレーの匂いがついたからシャワーを浴びると言ってバスルームに入って行った
「おい!家で浴びろよ!」
「やだよ!カルロスの所、水圧が最悪なんだ」
そう言って竜馬はバタンッとシャワー室のドアを閉めた、暫くするとバスルームから湯が流れる音がした
「・・・・・・ 」
ジャスティンは少し頬を染め・・・竜馬が洗って綺麗にした皿をじっと眺めていた
バタンッ「わぁ!」
なんと竜馬が全身泡だらけで出て来た、途端にジャスティンは困惑し、さっきよりももっと頬を染めて竜馬を見ないようにそっぽを向いた
「・・・・前ぐらい隠せよっ!」
「いーじゃん!別に!男同士なんだから、えーっと僕が買い置きしてたシャンプー・・・ あっ!あった!これこれ! 」
視界の隅で全裸の竜馬がジャスティンのすぐ傍で屈んで、キッチンの戸棚を開けてシャンプーを取り出し、またぺたぺたと裸足でシャワー室に戻っていった
ジャスティンは去って行く竜馬のほど良く筋肉の付いた綺麗な背中と・・・形の良い尻を盗み見てしまった・・・
途端に心臓に激しい戦慄が走る
また湯が流れる音が部屋に響き ・・・
ジャステインは深く息を吸いこんだ
コメント
1件
うわ、このエピソードすごく良かったです!カレー作って待ってる竜馬と、不器用に「ありがとう」を言えないジャスティンのやり取りにじんわりきました。シャワー後に全裸で出てきちゃう竜馬と、思わず盗み見してしまうジャスティンの反応…二人の距離が確実に縮まってるのが伝わってきて、胸がときめきました。次が気になります!