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〖 美しい死 〗
桃紫、黄紫
黄くんクズ、桃くん未成年喫煙者
クッソ長いっす
「 黄は2位だな 」
「 すげぇ…!! 」
何が凄いのだろうか。
僕は僕よりできる人を知っている。
双子の弟。
昔からだった。なんでも彼の方ができた。
でも、愛は、信用は、僕の方が上。
彼は勉強が出来ても教えることはできない。
彼は運動が出来ても精神は不安定。
彼はオマケに不細工という枷が着いている。
だから、僕は2位でも褒められるし、
顔も綺麗だし、完璧なんだ。
僕の方が愛を知っている。
誰からも愛される。僕は満足してる。
今の自分にも、今の環境にも。
「 1位なんて、黄もすぐとれるさw 」
分かってる。
彼の方がなんでも出来るんだから。
俺は彼の弟で、
兄がいるから勉強も運動も出来るんだ。
所詮俺は彼の引き立て役をするために
生まれてきた分際。
不細工で、何も出来なくて当たり前。
兄が幸せそうにする度俺は傷つくけれど、
でも、それが周りが俺が願っていることなんだ。
そう、自分に言い聞かせた。
–––♢
桃「 紫くん…? 」
紫「 ん? 」
桃「 好きだよ 」
紫「 うん。 」
桃「 紫くんは? 」
紫「 …どうだろうね 」
桃「 そんな曖昧な
小洒落た返事似合わねぇって 」
紫「 それもそうだね 」
「 あ、桃くんまた煙草吸って… 」
桃「 煙草は嗜むってんだよ…
お子ちゃまが 」
紫 「 …雨が止みませんね」
桃「 ふッ、
だから小洒落た言葉は似合わねぇよ 」
「 雨は止んでも、
月が見えるかはわかんねぇ… 」
紫「 ッッ… そっか。 」
「 あの、さ、俺と昔話をしよう 」
桃「 紫くんにしては面白いこと言うやん 」
「 まず、どこから? 」
紫「 さぁ、どうしようか。 」
桃「 なな、ずっと嫌われてたからな 」
紫「 桃ちゃん煩いよ 」
「 桃ちゃんだけだったよ。
こうして俺を愛してくれたの 」
桃「 うん。知ってるし、その自信があるわ 」
紫「 桃ちゃんらしいや 」
桃「 じゃあ、話すなら俺らがあった時かな 」
「 あの出会い方俺好きだよ 」
紫「 分からんでもない 」
桃「 親に虐められてたんだよな、確か 」
紫「 虐めだなんて…
生易しいものじゃないけどね 」
桃「 黄よりななのが綺麗なのにね。」
「 マスクとってよ。」
紫「 ん 」
桃「 ほら、綺麗だ。
睫毛長いし、唇もふっくらで。」
紫「 桃ちゃんも
俺の事好きなんて物好きだよね 」
桃「 そうか?ななも相当だろ? 」
紫「 桃ちゃんはモテるでしょ? 」
桃「 じゃあお相子って奴か? 」
紫「 そうかもね 」
桃「 黄ってば兄としての威厳がないよな 」
紫「 甘やかされてるからね 」
桃「 まぁ、将来困るのはあいつだろ? 」
紫「 将来があるだけまだマシでしょ? 」
桃「 まぁな。俺らはもういくか? 」
紫「 もうちょっとだけ。」
桃「 最期にでもあいつを
懲らしめたかったかも 」
紫「 あぁ、俺も 」
桃「 一緒に燃やしてしまおうか 」
紫「 それはダメだよ 」
桃「 じゃあ、もういくか? 」
紫「 あともうちょっと。 」
「 あいつの家でも行ってみようか 」
桃「 いいんじゃない 」
黄「 やな予感がします 」
青「 んなわけないよ 」
黄「 誰かが噂してる…そんな感じ」
青「 黄くんは頑張ってるから大丈夫だよ 」
黄「 ……僕ッ…クズなのかなw 」
青「 あいつより1000倍黄くんのがいいよ! 」
黄「 ですよねwww知ってます 」
青「 黄くん流石だわ 」
ピンポーン
黄「 ひッ! 」
青「 … 」
ガチャ..
青「 なにしに来たの? 」
桃「 別に 」
紫「 夜景を見に来た 」
青「 それなら桃くん家でも…… 」
紫「 俺がここがいいの。最期になるから。 」
青「 ふーん。もう来ないんだね 」
桃「 当たり前だろ?
息しずらくてなんねぇもんこの部屋 」
青「 失礼なやつ 」
「 まぁ、好きにすれば? 」
紫「 桃ちゃん行こうよ 」
桃「 嗚呼 」
黄「 気味が悪いんですよ彼奴ら 」
「 何考えてんのか分かんないとことか 」
青「 同感だわ僕も 」
桃「 どう?綺麗? 」
紫「 ははッ、分かんない 」
「 自分が汚いから
周りが綺麗か分かんないやw 」
桃「 うん。俺も 」
紫「 さぁ、お終いにするかい? 」
桃「 さよならだな 」
紫「 ねぇ、どうせならそのライターで
殺っちゃおうよ」
桃「 さっきダメって言ってたくせに 」
紫「 こういう時だけ
神様は味方してくれたりして 」
桃「 有りうるな 」
紫「 じゃあ、最期に愛を確かめようよ 」
桃「 口か頬か 」
紫「 桃ちゃんに俺、黙らせて欲しいな… 」
桃「 好きなだけな 」
チュッ…チュルッ
紫「 ん、ふッ… 」
桃「 す…きッ…はぁッ…」
カチッ……ボッッ
黄「 ね、青ちゃん…あれ… 」
青「 火……かw 」
「 神は彼奴らを味方しそうだ。」
黄「 え……? 」
青「 日頃の行いかな…w 」
黄「 青ちゃん… 」
青「 ずっと愛してたよ 」
黄「 あぁ…僕、最期まで愛されてて幸せ者だ 」
青「 彼奴らとは違って
僕らは愛されてたんだよ 」
黄「 僕らには神がついてたからね 」
青「 うん。」
「 ほら、見て、炎もすぐそこ。」
黄「 好き…… 」
青「 僕も 」
––––♢
桃「 んッ…? 」
紫「 あ、桃ちゃん起きた 」
桃「 病院か? 」
紫「 奴らは居ないよ 」
桃「 そっか。
じゃあまた探さなきゃな死ぬ方法 」
紫「 いつもだよね 」
「 もう飛び降りちゃう? 」
桃「 ななが醜くなるからダメ 」
紫「 桃ちゃんの血が綺麗かも知れないよ? 」
桃「 俺は美しい死がいいよ 」
紫「 まぁ、旅も慣れたもんだよね 」
桃「 次は何処へ行こうか 」
紫「 俺は桃ちゃんと一緒ならいいよ 」
桃「 次は死ねるかな 美しく」
紫「 俺らなら綺麗に死ねるよ 」
桃「 ドライブしよう 」
紫「 うん。いいよ 」
桃「 密室で煙草嗜んでやる 」
紫「 一酸化炭素中毒?」
桃「 笑顔で死んでやろうぜ 」
紫「 いいね、それ 」
「 俺、いい場所知ってるよ? 」
桃「 じゃあ俺が退院したら行こうか 」
紫「 うん 」
美しい死
コメント
4件
私ほんとこーゆーの好き😭 もう大好きすぎる😭😭