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でも…誰もいるはずなどなかった。
1つだけわかった事は、あの声の主は葵さんが恐れている能力者の彼女に間違いないという事だった。
僕は先程の彼女の言葉を思い出していた。
“大丈夫”そう彼女は言っていた。
何が大丈夫なのだろう?
今更何をしても間に合うはずなどないのに…。
ピンポーン…ピンポーン…‥
玄関のチャイムが鳴り、ドアが開く音がした。
誰かが来たようだ。
そんな事はどうでもよかった。
今は、少しでも茉奈ちゃんの為に出来る事を考えるのが先決だった。
「瑛太っ!」
1階から僕を呼ぶ母さんの声が聞こえた。
「なにっ?」
僕はベッドの上から、1階の母に向かって大声で叫んだ。
「岐阜のおばあちゃんから荷物が届いてるわよ」
その言葉を聞いた瞬間、ベッドから飛び起き1階に向け走り出していた。
「かっ‥母さん…荷物ってどれ?」
「玄関に置いてあるわよ。でも、おばあちゃん、何を瑛太に送ってきたのかしら?」
「さぁ…何だろう?」
荷物と聞いて“ピンッ”ときたが、知らないフリをした。
母さんは、不思議そうな顔をしていた。
それもそのはずだった。
マサおばあちゃんが、僕に荷物を送ってくるなんて初めての事だったんだから…。
「おばあちゃんに電話しときなさいよ」
「わかった」
それから荷物を開けることなく、直ぐにマサおばあちゃんの家に電話をした。
『もしもし、横山ですけど…』
マサおばあちゃんの声だった。
『もしもし、マサおばあちゃん…瑛太です』
『おぉ…瑛太か? 元気じゃったか?』
『うん、元気だよ。マサおばあちゃんは元気だった?』
『わしは、いつも元気じゃ。この歳になっても病気1つしとらん。それにまだボケてもおらんしな』
『良かった。いつまでも元気で長生きしてよ』
『嬉しい事言ってくれるじゃないか…ありがとね。それより電話してきたって事は、わしが送った物が届いたって事じゃな?』
『今さっき届いた所だよ』
『そうか…それで茉奈ちゃんという女の子の命が助かるんじゃろ?』
『えっ!?』
『知ってるんじゃろ? その“木の箱”の中身を…』
『まだ開けてはいないけど、何となくわかる』
『それで救ってあげなさい。幼い尊き命を…』
『うん、必ず助けるよ…。それより、マサおばあちゃんに“木の箱”を渡した女性は一体何者なの?』
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瀬名 紫陽花