ちょっと待って。え?
莉音の口から突然出てきた言葉が私の頭の中をぐるぐると周る。
私はその言葉を理解できなかった。
“私の知らない内に、優雅(好きな人)と莉音(親友)が付き合っていた。”
それをやっと理解できた時、私は思った。
“私が優雅のことを好きだったこと、好きなことを絶対に莉音に知られてはいけない”と。
生まれてからの親友。
気まずい関係にはしたくない。
それが一番だ。
私 「へぇ、付き合ってたんだ」
莉音「そーそー。私さ、生徒会でめっちゃ忙し
かった時期あったじゃん?」
私 「そういえばあったね。2年の始めごろだ
っけ?」
莉音「そう。私もあんなに忙しくなるとは思わ
なくてさ、あの時期の前に告白してOKもらったんだー」
私 「へぇ」
ヤバい。
悔しさと怒りと悲しさとで泣きそう。
でも、今は耐えないと…
莉音「私めっちゃ忙しかったのに、ほら、あい
つってかまちょじゃん?付き合ってから
さらにかまちょ増してて、鬱陶しく思っ
ちゃってさー、振っちゃった笑」
私 「…」
…莉音、こんな人だったんだ。
大事な幼馴染で親友。
そして彼氏だった人にそんなことを言う人、だったんだ…
それに、私、莉音に言ったはずなんだけどな。
大昔の話にはなるけど、
優雅のことが好きなんだって…
私の目に一筋、滴が流れた。
2つ…3つ…
それらが止まることはなかった。
私 「…ごめん、用事思い出したから行くね」
莉音「あ、ちょっと?!」
莉音の引き止める声が聞こえたけど、私は無視して走った。
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