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「俺が行く。」
マデスの後ろで戦いを見守っていたタクトが、一歩前に出た。
「タクト、何を――?」マデスは驚きの表情を見せる。
「お前、さっき負傷したばかりだろ? ここは俺が引き受ける。リリスさん、アンタの夫を傷つけるわけにはいかねぇんだよ。」
タクトは苦笑しながらマデスの剣を奪うように受け取ると、振り返らずにリリスの前に立った。
リリスは立ち上がり、冷たい微笑みを浮かべる。「あなたが相手? 面白いわ。でも、あなたにこの私を止められるかしら?」
「さあな。」タクトは剣を軽く構え、にやりと笑う。「ただ、俺は負けない。だって俺、アイドルだから!」
周囲には、リリスが作り出した闇の結界が張り巡らされていた。光は遮られ、二人の動きが影の中に溶け込む。
リリスが闇の槍を繰り出す。鋭い槍は風を切り裂き、タクトの胸元を狙った。
「おっと危ない!」タクトはその槍を紙一重でかわしながら、剣を反撃のように突き出す。
「速いじゃない。でも、そんなものでは届かないわ!」
リリスが手をかざすと、地面から無数の闇の鎖が現れ、タクトを縛り上げようとする。
「ちょっと派手すぎるんじゃねぇの?」タクトは不敵な笑みを浮かべた。「けど、俺の観客がいたら喜ぶかもな!」
鎖が近づく寸前、タクトの剣が放つ光が結界の一部を突き破り、鎖を消し去る。
「ふざけているようで、なかなかやるじゃない。」リリスは目を細め、冷静にタクトを観察する。「でも、あなたにその剣を扱いきれる力があるの?」
「扱いきれるかどうかなんて知らねぇよ。」タクトは剣を構え直し、笑う。「ただ、俺は負けない。俺の推しがマデスだから!」
タクトは剣を振りかざし、突進した。その一撃がリリスの防御の一部を削り取る。
「まだまだ!」リリスは体勢を立て直しながらも、一瞬の動揺を見せた。
タクトの剣が放つ光は、リリスの闇を少しずつ押し返していく。だが、リリスも本気を出し始め、さらに強大な術式を展開する。
「あなた、ここで終わるのよ。」リリスの周囲に悪魔の亡霊が集まり始めた。「堕天使の戒壇――完全解放!」
「マデス、お前は無力だと思ってたけど、すげぇ剣作ったじゃねぇか!」タクトは光に包まれながら叫ぶ。「これでアンタを止めてやる!」
二人の力がぶつかり合い、戦場は再び大きく揺れ動く。果たして勝負の行方は――。