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翌朝。
焼いたパンとトマトと卵のスープ、ヤングコーンやツナ缶、ブロッコリーなどのサラダを食べて。
今日の僕は朝出発組。だからすぐカヤック準備にかかる。
今日はシットオンという、要は上に乗っかるだけのタイプの艇。
後は柏先輩だ。
「今日は宜しく」
「宜しくお願いします」
という事で出発する。
今日も男性組は最後の出発。
ただ今回は昨日の成果もあってか、皆さん余裕がある感じ。
艇をカーブでスライドさせるのも綺麗に決まる。
柏先輩も、ほぼ姿勢制御だけで操っている感じ。
ただ乗り換えた区間、津々井先輩より柏先輩の方が重いようで、ちょっと苦労したけれど。
そしてあっさりと見覚えのある赤い橋へ。
楽しい時間の終わりを告げる目印だ。
今回は女性陣も、それなりに体力が残っていたらしい。
片付けを手伝ってくれた。
そして着替えて、出発地のキャンプ場に戻る途中の車内で。
僕だけじゃ無い。
全員が、これで終わりで残念という感じ。
そんな雰囲気を察したのだろう。
運転中の草津先生が教えてくれる。
「ここは確かに綺麗で流れがいい川ですけれどね。平地の流れのゆるい川で遊ぶのも楽しいんですよ。魚を始め、色々な生き物が多いですからね。細めの水路なんかに入ると、小魚が飛び込んできたりする事もあります。それこそ利根川の中流くらいの処とかでもいいです。そういう別の楽しさがあるんですよ」
確かにそう言われてみると。
そんな楽しみ方も面白いかもしれない。
更に小暮先生が、とんでもない事を言う。
「それに草津先生、このうち2艇はキープしたんですよね」
「ええ。於田先輩から今回譲り受けたんです。一戸建てからマンションに引っ越すそうなんで。あとFRP製のカヌーも1隻追加ですね。今回は持ってきていないですけれど」
つまり3隻は、あの家にキープしたという事か。
その気になれば、いつでも使えると。
しかし気前がいい先輩がいるものだ。
更に。
「でも小暮先生も、この前ミニホッパーをオークションで落札しましたよね。状態いいから、夏までに霞ヶ湖あたりで試したいって言ってませんでしたっけ」
草津先生が爆弾投下。
「クッチー、駄目。あれはまだ生徒には言っていなかったのに」
慌てている小暮先生の台詞に被せて。
「ミニホッパーって何ですか」
そう石動先輩が尋ねる。
「1人用の小型のヨットですよ。風がいい感じに吹いていれば、最高に楽しい乗り物です」
「あ、先生ずるいのですよ」
たちまち発生する抗議と、小暮先生の弁解。
「だって1人乗りですし、生徒が沖合で沈したら、助けられないじゃないですか」
「魔法使い2人と、念動力持ちと、空飛ぶ宴会場があるのです」
「せめて昔のカンを取り戻すまで、1人で練習してからです」
それにしても……。
「それにしても先生達、どれだけ色々そういう遊びをやっていたのですか」
皆の疑問を代表して、松戸先輩が尋ねる。
「登山系を除けば、あとはダイビングと素潜りと、モトクロス位でしょうか」
「クッチーはあと、野生の食物採集ですね。大学時代、海で防波堤にへばりついた牡蠣を食べすぎて、酷い目に遭った事もありましたっけ」
「それは若さ故の過ちです」
先生方2人とも、まだまだ色々引き出しを持っている模様だ。
つまり今回のカヌーが終わっても、まだまだ楽しい遊びは色々あるという事か。
マイクロバスはキャンプ場へ向かっている。
「霞ヶ湖と言えば、霞ヶ湖マラソン大会でコスプレして走ったのも、懐かしいですね」
「あれは小暮先輩がやろうって言ったからじゃないですか」
「セーラー服スタイルは恥ずかしかったですね。でもステッキ片手に、自作のフリフリな魔法少女コスチュームで走ったクッチーの度胸には、勝てなかったです」
「その黒歴史は、生徒の前で言わないで欲しかったです……」
そんな先生方の暴露大会をBGMに。