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「どうやら、上手くいったようね?」
ふぅと安堵の溜め息をする遥。
「そうね、良かったわ!」
小さい拍手で二人の姿を陰から見送る蘭子と遥の姿があった。
「ちょっと。今、蒼、こっち向かなかった?睨んでなかった!?」
辺りは暗くなっているため、この距離からでは表情までよく見えない。
「あいつ、きっと気付いている。私たちの作戦。でも結果的に良かったんだから、感謝してほしいわよね?」
弟に感謝してほしいと姉は「フン」と鼻息を鳴らす。
「良かったわ。先輩として、元師匠として、蒼のあんな幸せそうな姿見たの初めてよ」
蘭子は目が潤んでいるようだった。
「そう。私も。あんな弟の顔見たの、子どもの時以来かも。相手が桜だから応援したんだけどね」
腕を組み、二人は蒼と桜が見えなくなるまで見送った。
「このまま幸せになってほしいわ」
「そうね」
二人は願うようにそう呟いた。
…・――――…