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それは2年前の話だった。


?「君が私のペア?よろしく!」

カスミ「…あぁ、よろしく。」

当時の私はキヴォトスであまり聞かない中規模なマフィアの一員だった。あまり派手な行動は好まなく、また、ペアとされる人物だとしても互いに名は教え合っては行かなかった。

?「それで?今日はどんな任務?」

カスミ「あぁ、ブラックマーケットにて取引の品を取りに行ってこいとの事だが…既に上の者が数名向かっている。私が行くから、君は違う任務に行ってくれ。」

?「りょうかーい。」

そうして私は彼女と別れて取引現場へと向かう。


先輩「あぁ、カスミか。遅かったな、そろそろ取引先が..」

何やら取引先の態度が変だった。手元を隠し、こちらに近づく。

取引人「さて、お目当ての品を出してもらえますか?」

先輩「あぁ、ではこちらを。それでは代金を…」

ジャキッ

取引人「おっと、物だけ貰うからな。」

数十人はいるであろう黒スーツの人物達に銃を向けられる。取引の内容は念の為と丸腰で頼まれたはずだ、当然銃はない。

先輩「ッ..!カスミ、走れ!」

見慣れた銃口でもこちらが丸腰となれば敵うはずがない。先輩に言われるようにひたすら走った。がその最中、

パンッ

後ろから銃声が聞こえた。先輩の声はない。こんな事で死ぬはずはない。なのに声が聞こえない。そのまま私を探すように追いかける音と銃弾が飛んでくる。

カスミ「一体何が起こって…ッ!」

その後なんとか組織に逃げ帰った。その後日報告が入った。


私の先輩は死んだ。

マフィアと言えどここまでの事は考えていなかった。心の中で様々な感情が渦巻く中、私のペアである彼女も帰ってきた。

?「はぁ….はぁ….」

カスミ「..あぁ..君か。」

?「…先輩に関しては..残念だったね。」

カスミ「…あぁ。君こそ疲れてるようだが..何があった?」

?「…先週来た子も…数人に襲われて手も足も出なくて….」

カスミ「なっ…!彼女に着いていく護衛は?」

?「…それが..ッ..これも自分のためだとか言って、誰も着いていかなかったみたいで…上の人はこれを隠蔽するって..世間に漏らせば…消されるだろうね。」

カスミ「ッ…何が起きている?」

?「上層部の入れ替わりが起きてからだよ…今まではマフィアと言えど命だけは何よりも守れるように厳重になってた、今では利益の事しか考えてないよね…」

カスミ「そうか…..」

この日、私は組織を抜け出そうと決心したのだ。計画を練り、彼女にも最後に伝える事にした。

カスミ「…と言う事だ。少なくともバレれば無事じゃ済まないだろうけどな!」

?「そっか、…ならさ。私も着いてくよ、君に。」

カスミ「…良いのか?少なくとも楽には行かないだろうが。」

?「ここまで来たんだもん、着いていくよ。」

カスミ「…そうか。」

翌日作戦を決行した。自分ながらに悪くない作戦を練れたと思っていた。なんとか監視の目を掻い潜り脱出に近づいて行った。

カスミ「この先だったな、ハッハッハッ!まずはそうだな、お前と一緒にゆっくり温泉でも…」

その言葉を紡ぐよりも先に、

冷たく、冷酷な弾丸が彼女を貫いた。

カスミ「ッ何処から..!!?」

?「ッ..!」

彼女は金属の床に倒れる。先輩の時もそうだった。基本軽い撃ち合い、銃弾ではこの世界の住民が死ぬはずはない。そう思っていた。先輩が死んだのも、いまこうして一撃の銃弾でこの子が重傷を受けているのも…後に全てヘイローに影響を与える分体の耐久力を著しく下げる、そんな特殊な弾丸を組織内で作られて、別組織にも横領されていた。この弾が当たった瞬間今で言う外から来た先生と同じくらいの耐久力になってしまう。その状態で胸元を狙撃される。当然、無事ではなかった。

カスミ「お前ッ…お、起きるんだ、もうすぐ地下に繋がるんだぞ!!」

?「ごめん….バレちゃったね…..でももう地下鉄が通る時間なんだ、早く行って!」

カスミ「ここまで来ておいてそれはないだろう!良いか、必ず生きる。それだけ考えて私に着いてくるんだ、分かったか!!」

直前まで安堵していた分焦りと恐怖が押し寄せてくる。しかしここまで来た。絶対にコイツを死なせる訳には行かない。その一心で彼女の肩を支えて暗い地下道を通り、使われていない線路を渡る。それでも追いつかれるのは時間の問題だった。背後から弾丸が飛び交い、私にも命中する。

カスミ「ぐっ…」

それでも尚彼女を支えて列車に飛び乗った。

カスミ「はぁ….はぁ…..」


カスミ「これでもう安心だ..!予定時刻ではこの列車はゲヘナ行き。未知の領域だが…あそこよりはマジだろう?いやぁ、まずは何をするか!共に温泉でも行って発破について語り…いや、それか今まで見た事ない世界を見るのが最初か!楽しみだなぁ!..無論君も大丈夫ではないだろうが…今は後のことを考えようじゃあないか!無事組織から抜けれた訳だしな..まずはずっとお預けだった名前の公表と行こうじゃないか、私は鬼怒川カスミ。君…は…..?」

列車に乗れたからと言って何を安心していたのか。あの時の私を今でも強く憎んでいる。既に…




彼女の意識は、永遠に沈んでいたのだから。

カスミ「…へっ….?な、なぁ、ここまで来てこれはないだろう?なぁ、なぁ…!」

必死に彼女の体を揺さぶるも反応は無し。何故。何故いつもこうなのか。計画を立てるだけ立てて実行するとなればこれだ。何も守れない。何も成し遂げられない。

カスミ「私は何故いつもこうなんだ…?私は…」

涙を流す事すら生辛い。悲しみでも絶望でも憎しみでも、それ以下の感情でもない。ただ彼女の亡骸を抱き、列車を降りる。無人の誰も使わないような列車だ。無人駅で、それも深夜。まるで救いなど元から無いよう設計されたように。駅を出るや否や、私は彼女と共に倒れた。遠のく意識に誰かが近付く。



下倉メグ「わっ..誰か倒れてる!?き、君たち大丈夫!?…!誰か今すぐ救護室に運んで、早く!!」

その声が耳に入ったが最後、意識は切れた。

目が覚めれば無機質に白い天井。

下倉メグ「あっ..目が覚めた?」

赤髪の少女、これが後に私の良き理解者であるメグだった。

カスミ「こ…こは…ッ!そうだ、彼女は..!!」

彼女は悲しそうな目で私を見つめこう言う。

メグ「運ばれる前からもう遅かった…」

それ以上彼女は何も言わずに私を抱きしめた。

カスミ「あっ..ぁあ…!!ぁあ…!」

ここでようやく全てを飲み込み、全ての感情を取り戻したように泣き喚く。

カスミ「彼女は…っ…名前も聞けずに…っ..!」

メグは私にこう言う。

メグ「君…ずっとあの子の手を離さなかったよ、…温泉に興味はない?」

カスミ「温泉…ずっと話してはいたが、結局行けなかった。」

メグ「私達は温泉を開発するために温泉を掘る部活動をしてるんだ、君もどう?」

そこから彼女の助けもあり、正式に入学手続きを取り、温泉開発部に入部。その後あの少女の葬儀を小規模ながらに行った。私たちの属したあの組織は、今では存在しなくなった。これで良かった。




カスミ「…さーて、今日も掘っていくぞ!!」

部員「はいっっ!!」

メグ「部長今日も頑張ろー!」

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