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これは、僕の記録であり、逃走劇
こんな事。知らない方が幸せだったのかもね
「ここは楽園です」
これは呪詛だ。洗脳教育だ。この言葉を今まで何度聞いただろうか
これが本当の「世界の終わり」だなって
「師匠、そろそろ出ないと間に合わなくなります」
僕の弟子が時計を見ながらいう
「おっと、時間に疎くてね。急いで行くよ」
バスに乗る。窓の外の景色を見る。果たしてこの景色は本物だろうか
1時間ほどバスに揺られついた先は、大きな会場だ
言い忘れていたが、僕はピアニストをやっている。ここじゃもう有名さ
「桐生さん、本日もコンサート頑張って下さい!」
通りすがる人々はそうやっていってくれた。それが僕の励みとなり生きるわけでもある
僕は一礼し、トークを始める。終わったら曲を弾く
そして僕はいつも通り感情を精一杯込めて演奏する
時には淡々と、時には悠々と、時には堂々と
大きく一礼をする。その時だった
「おらぁ!貴族どもは出てこい!」
「反逆者」だ。そして僕は弟子に連れられ、舞台をひっそり退場
「またか」
「最近多いですよね」
「ああ、うん…」
僕は内心、「反逆者」を応援しているんだ。でもそれが知れたら、僕の人生も全て終わる
僕はこの世界が嫌いだ。救いがないんだ
ほとんどの子供は洗脳されて大人になる。でも一番残酷なのは、僕のように洗脳しきれなかった子供なんだよ
反逆者は貴族を恨んでいる。貴族は今のこの世界の統治者の一員のようなものだ。それが気に食わないやつは反逆者となり、周りからは「社会のお荷物」扱い
最も皮肉なのは、僕が元貴族だという事だ
処罰されたいなんて自ら思ったこともあるくらいだ
一体どうして世界は変わったんだろう
ああだめだ。頭が痛くなってきた。今日は家に帰って休もう