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アルカside
燃える屋敷から抜け出したあと、僕達はそれぞれの家に帰った。
アイラが死んだから、全員の洗脳が解けたらしい。僕とアスカは家が燃えちゃったから、トウカの家へと向かう。
トウカの家は、当たり前だけど…何も変わってない。まだ、トウカがいるみたい。
トウカの亡骸をソファーに寝かせて、僕達は眠りについた。
お互い、何も話すことなく、寝室へと入る。
トウカが死んだっていう実感が湧かなくて、ただ、ぽっかり穴が空いたみたいな気持ちになった。
頭をよぎるのは、トウカとの思い出だけ。
初めて僕の研究室に押しかけて来たあの日、
旅から帰って来たヒスイたちとトウカはどんどん離れていった。
3人目の転生者、アイラが来た時も、トウカは1人だったっけ………
僕は、トウカのあの白くて長い髪、ルビーみたいな目………
冷たいように見えて、優しいところも大好きだった…………
「また……星見に行こうね……トウカ。」
そう呟いて、眠りに落ちて行く。
明日は…いい日になるかな
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NO side
ー翌日ー
この日、街は大騒ぎ。
街にあったあの大きな館が燃えた。中からは、怪我をした聖職者と、1人の少女の遺体が発見されたのだそう。
この日、この事件で亡くなったという、聖職者のココン、アイラの葬儀が行われた。
街の住民達は、2人の死を悲しんだ。
トウカの遺体はというと、まだアルカが所持している。
トウカが死んでから、アルカは変わった。
前より引きこもるようになり、彼の腕にも傷が見られるようになった。
アルカside
トウカが死んだあの日から、僕の日常は変わった。
毎日、トウカを取り戻すため、毎日資料を読んで、実験の繰り返し。
周りの人は僕がおかしいって言うけど、これでトウカが戻って来るならいい。どんな手を使ってでも彼女を取り戻してみせる。
《……なぁ》
いつものように実験の準備をしていると、どこからか声が聞こえて来た。
「ん? ここは入っちゃいけない場所のはずだけどなぁ?」
《アルカ……覚えてるか? 俺だよ。カルヴァリーだ……!》
足元から聞こえる………?
視線を下に向けると、トウカが大事にしていたぬいぐるみだ。
「あはは……僕にもとうとう幻聴が………」
《違う! 幻聴なんかじゃない。 トウカを生き返らせたいんだろ?》
その言葉に、僕は固まる。
「今………なんて?」
《トウカを生き返らせる方法、教えてやる。》
カルヴァリーとか言う奴によると、トウカもこの方法を使って僕を生き返らせたらしい。
《そうだな………じゃぁ…お前の目をもらう。》
「………目? それだけでいいの?」
《ほぅ…目まで差し出すか…お前、相当狂ったな。》
「そんなことないよ♪ さ、早くやっちゃお♪」
するとカルヴァリーは、呪文みたいなものを唱え出した。
失ったはずの目は今でもちゃんと機能している。
《…》
「カルヴァリー……?」
《礼はいらない。トウカと約束したんだ。また会おうって……》
「ありがとう…」
《いらないって言ったろ?》
「……んん……ここは……何で私……」
目を覚ましたトウカがゆっくりと起き上がる。
「トウカっ………!!」
思わず、トウカに抱きつく。
あったかい………本当に戻って来たんだ………
「ねぇ、みんなで星、見に行こうよ。」
「えぇ。もちろんよ。」
トウカはにっこりと微笑んだ。