かもしれない〜確定へ前編

目黒と渡辺の仲が良いのは、皆んな知っている。

黙っていても間が持つのは、本当に仲が良いことだと思う。

岩本は佐久間といても、そうはならない。

やはり、メンバーとして好きなんだと思う。

渡辺は付き合ってる人がいるのだろうか？

岩本は聞けない。

自分のこのちょっと気になるという気持ちは「恋」なんだろうか？

少しずつ育っていく気持ち。

まだ、言わないようにしている。

ただ、いつまで言わないでいられるか分からない。

練習日

渡辺の様子が少しおかしい。

ダンスもワンテンポ遅れる。

頬がほんのり赤い気がする。

岩本ー翔太！

渡辺ー何？

岩本ー体調悪いか？

渡辺ー大丈夫。

岩本ー熱あるんじゃないか？

渡辺ーん〜熱いけど計ってない。

岩本ー苦しくなったら休めよ。

渡辺ーうん。

目黒が渡辺のそばにいる。

ふらついた渡辺の腕を掴む。

「翔太くん、休もう」という声が聞こえてくる。

目黒が渡辺を椅子に座らせる。

水を持ってくる。

メンバーも踊るのをやめて、渡辺のそばに行く。

ラウー体温計借りてきたよ。

目黒ー計って？

渡辺ーん。

岩本ーちょっと休憩。

目黒ー岩本くん、40度ある。

岩本ー翔太、病院行ってこい。

目黒ー連れて行くよ。

岩本ー任せた。

目黒に支えられて控え室に向かう渡辺。

しばらくして、目黒から電話がかかってきた。

今は点滴をして熱を下げてる。

今日、明日はゆっくり休む事と医師から言われたと言う。

皆んな控え室にいる。

マネージャーと渡辺を車で待たせ目黒は渡辺の荷物を取りに来た。

岩本ー翔太、大丈夫か？

目黒ー今は点滴のおかげで37度くらいに下がってる。

家で休ませて来るよ。

岩本ー1人で大丈夫か？

目黒ーとりあえず今日は俺の家に連れて帰って様子を看る。

岩本ー・・頼んだ。

目黒ーじゃあ、俺ちょっと抜けるけど戻ってくるから。

岩本ー分かった。

渡辺の荷物を持って目黒が走って行く。

岩本の胸の中が何かモヤモヤする。

目黒が戻って来て、薬を飲んでぐっすり眠っていると報告を受けた。

その夜。

岩本は目黒の家に向かった。

渡辺が気になる。

目黒ーいらっしゃい。

岩本ー翔太は？

目黒ーまぁ、上がって。

岩本ーお邪魔します。

目黒ーこっち。

渡辺はベッドに起き上がり、お粥だろうか食べていた。

目黒が作ったのだろう。

コーヒーを持ってきてくれた。

渡辺ー照、悪かったな。

岩本ー熱は？

渡辺ー微熱だ。

岩本ー明日ゆっくり休め。

渡辺ーん。

目黒ーほら、休まなきゃダメ。

渡辺ー分かったよ。

目黒ー翔太くん、明日は行くつもりだったんだよ。

岩本ー休め。

渡辺ー分かった。

目黒ー俺が帰ってくるまで、大人しく寝ててね。

渡辺ーはいはい。