手の中にはピンク色の花びら。
暖かい風が吹いた後、君はこう言った。
「さようなら。」
その時、一瞬だけ冷たい風が吹いた。
『俺……なんで泣いてんだろ。』
ゆっくりと正門まで歩き出す2人。
でもその姿はいつもと違う。
「いつも一緒にいてくれはってありがとな。」
「またね。」
手を振った君は、微かに泣いていた。
「返事してや……。」
俺は返事をしない。ガキ見てえだけど、深くとらえてしまうんだ。
その、「またな」が一生の後悔のように思えて……。
『また……会ってくれるよな?』
「もちろんやで。」
2人でニカッっと笑うと正門の扉を開けて、また新しい道へと歩き出した……。
それからというもの、レトさんから返事はない。
約束……。なんだったんだろう。
そんな事を思いながら、古びたノートパソコンをこじ開ける。
いつも見ている「レトルト」というゲーム実況者。
別に深い意味は無いけど、見てしまうんだ。
『生放送始まってる。』
「はいこんちゃーす。」
馴染みのある挨拶で、生放送が始まる。
「今日はね、ちょっと雑談をしていこうかな。」
今日は、いつもと違って雑談をするらしい。
この人の話、凄く面白いんだよね。自分語りするやつ、大体嫌いなんだけどさ
「俺ねぇ。高校生の時、好きな人がいたの。」
「告白とか出来なかったけどねぇ……」
俺と同じような感じだな……。したいけど、出来ない。
そんな辛い気持ち。あぁ、思い出したくなかったけどなぁ。
「でもね。1つ約束したことがあるの。」
「また会おうなって。」
聞いた事ある言葉……。
『ッ……』
俺はすぐさま家を飛び出す。
冷たい風をきりながら。
『レトさんッ!』
正門の前には、ノートパソコンを持ったレトさんが立っていた。
「随分待たせたな。笑」
クスッと笑って、俺に近づく。
「付き合ってください。」
その時、暖かい風と共に、1枚の花びらが落ちてきた。
あの時を思い出すような……。
『よろしくお願いします。』
2人はまた、新しい扉を開いた。
コメント
6件
終わり方…雑…なのか……?すっごく面白かったんだけどなぁ………。ちょっとなんか、ふわって感じの表現で、こう…ギュイーンって後から来る感じで、面白かった!!(語彙力)あおちゃんの久々のやつ、楽しんで読ませていただきますた(^-^)v
久しぶり。なんか終わり方雑だな。