第二話 流行
「何を見ているんだい?」
正雄は二人に聞いた。
どうやらアニメを見ているらしい。
「えーっ!じいちゃん知らないの?今流行りの『舞妓のまいちゃん!』だよ!」
声変わり前の可愛らしい声で勇太は答えた。
「学校のみんなも見てるんだ!まいちゃんが舞妓さんになるために頑張るっていう話なんだけど、ギャグシーンもたくさんあって面白いんだよ!」
「そのアニメ、大人にも人気らしいわよ」
娘が会話に参加した。
「感動するシーンとかあるらしくて、まあ私は見たことないけど」
「そうなのか」
「じいちゃんも見てみてよ!」
「そうだなあ…」
アニメを見るかどうかはわからないが、勇太のスマホに写っていたキャラクターに少し違和感を感じた。
勇太たちとの1週間はとても短く感じた。
「また遊びにおいで」
「うん!またね!」
3人が帰ると、正雄はパソコンを開いた。
数年前にに買った古い機種だが、普段ほとんど使わない正雄には十分だった。
勇太のスマホで見たキャラクター、おそらくまいちゃんは着物を着ていた。
その着物に何故か既視感を感じたのだ。
もう一度パソコンでまいちゃんの画像を見てみた。
やはり見覚えがある。
一体どこで見たのだろう。
しばらく考えていると、1つ思い当たるものがあった。
正雄はパソコンを閉じると和室の押し入れを開けた。
「やっぱりだ」
第三話 評価
コメント
1件
続き楽しみ待ってました! 今回もめちゃめちゃ面白かったです!