それから数日、今俺たちは何をしているかというと…
「はい、俺の勝ち!」
…トランプである。まさか俺も『バケモノ』とトランプなんて夢にも見なかったが…
はい、この通りバッチリ楽しんでしまっているのである。警戒心なんてとうの昔に置いてきてしまったのであろう
「次もやろうぜ!」
…警戒心をとうの昔に置いてきてる人もう一人発見☆俺の視界にはもうノリノリで次の戦いに臨む準備をしているメテヲしか見えない
──────コンコン
その時、部屋の扉をノックする音が聞こえるこういう時は大抵メメの執事だ…一部のバケモノは俺たち人間の数倍良い暮らしをしているようで…
もうしばらくここにいるので大体は覚えてきてしまった
「お嬢様…こちらに」
そう彼が言うと少し真面目な顔をしてメメは立ち上がるとドアの方へ歩いていく。
メメが廊下に出た瞬間、執事によってバタンと無造作にドアが閉められる
「あーあ、なんか思ってたよりも楽しいやつらじゃんバケモノって」
そう言いながらこちらを見てくるメテヲ、その目は楽しそうな感情とともに、どこか安心したような感情が読み取れる
そう思う俺自体も正直いってここへ来てからは拍子抜けしてばかりだ。俺の中のバケモノの常識が180°変わったし…だけども、窓の外を覗けばあの数日前まで俺たちがいた地獄のような風景
…バケモノにも種類があるのだろうか?極端な話、人間にも女と男があるように…まあ人間は女と男で特段変わるようなことはないんだろうが…
などと考えているとメテヲがいつもの様にアホみたいな顔をしながら何気なく言葉を投げかけてくる
「なぁ〜…俺腹減ったよ〜…」
我慢しろよ…などとテキトーな言葉を投げ返すが、実の所を言うと俺も今とてつもなく腹が減っている。信じられないぐらいにだ、ここに来てから、別に食事を取っていないわけではない。
ただ、なぜか無性に腹が空くのだ。
…何か気を紛らわす物は無いのかと後ろを振り返る。そこには開いたドアの隣に立っているメメ…彼女は今の会話を聞いてか、少し…いや、一瞬だけだがものすごく悲しい顔をしていた。
さっき俺たちに出した昼食がそこまで自信作だったのだろうか、などと考え俺はメメに
「いやいや、さっきの昼食は美味しかったけどね」
と、返す。その言葉を聞いたメメは、ハッと我に返った様に一瞬固まった後 、
にっこり笑い
「それは良かったです」
…と言う。
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あれあれあっすーくん何で携帯触れてるの?
安心の後ろにある危険がよく伝わる! あれ…そう言えば今日って月曜じゃ…