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太太♀書くぞー
3本あるよ
めっちゃ急いで書いたから色々おかしいよ
中也に初めて会ったばっかりの太宰さんと探偵社に入った後の太宰さん
十五歳の太宰治は、ひどく不機嫌だった。
ついさっき、ポートマフィアの初仕事で最悪な「犬」を拾ったばかりだった。羊の王だか何だか知らないが、小柄な癖に声ばかり大きくて、暴力頼みの乱暴者。思い出すだけで虫酸が走る。
「はぁ……早く帰って首でも吊ろう。あんな蛞蝓とこれからコンビだなんて、人生の墓場だ」
ヨコハマの裏路地、薄暗い街灯の下でそう吐き捨てた時、ふわりと甘い、だがどこか嗅ぎ慣れた薬と潮の香りが鼻腔をくすぐった。
「おや。若かりし頃の私は、随分と生きが良さそうだね」
聞き覚えのある、けれど自分より少し高くて、どこか艶のある声。
振り返ると、そこには砂色のトレンチコートを羽織った「女性」が立っていた。
首元や腕には、自分と同じように白い包帯が巻かれている。だが、その佇まいは十五歳の少年が持つ鋭利な毒とは異なり、どこか抜けたような、それでいてすべてを見透かしたような大人の余裕に満ちていた。
「……誰だい? 僕の変装にしては、胸の凹凸の再現度が悪趣味だ」
少年太宰は目を細め、懐の手を警戒させる。だが、目の前の「彼女」は、くすくすと悪戯っぽく笑うだけだった。
「失礼な。これでも一応、そっちの君よりは健康的な生活を送っているつもりだよ? ……ああ、なるほど。中也と出会ったばかりの時期かい。顔に『蛞蝓の粘液がついて不快です』って書いてある」
「中也」という名を聞いた瞬間、少年太宰の瞳から温度が消えた。
「何故その名を知っている。君は、誰だ」
「君だよ」
彼女は人差し指を自分の頬に当て、楽しげに首を傾げた。
「厳密には、別の世界の、少し未来の君。そして見ての通り、私は女。まあ、色々あって今は武装探偵社というところで、白昼堂々お仕事をサボっている身さ」
探偵社。ポートマフィアの少年には、その響きが酷く奇妙に、そして酷く遠いものに感じられた。
だが、彼女の瞳の奥にある、底無しの虚無と、それを覆い隠すための道化の光。それは紛れもなく、自分自身のものだった。
少年太宰は小さく息を吐き、警戒を解いた。自分自身を相手に、小細工など意味を成さないと知っているからだ。
「……探偵社、ね。未来の僕は、そんな光の当たる場所で何をしているんだい。似合わないにも程がある」
「それがね、意外と悪くないんだよ。優秀な部下もできたし、何より、毎日がそれなりに騒がしくてね」
彼女はそう言って、懐から小さな茶色の薬瓶を取り出した。少年太宰の目が輝く。
「あ、それ、新型の睡眠薬?」
「ふふ、正解。だけどあげないよ。今の君が飲むと、色々歴史が変わっちゃうからね」
ちぇっ、と少年は口を尖らせる。その仕草すら、彼女にとっては懐かしく、愛おしい過去の残像だった。
「ねえ、未来の僕」
少年太宰は、街灯の柱に背を預け、冷めた目で夜空を見上げた。
「あの蛞蝓とは、いつまで一緒にいなきゃいけないんだい。正直、今すぐにでもあの頭を爆破したいんだけど」
彼女は一歩、少年に歩み寄った。砂色のコートが夜風に揺れ、少女の面影を残す大人の身体を包み込む。彼女はそっと少年の額に手を当てた。冷たい手のひら。けれど、その奥には確かな体温があった。
「そうだね……もうしばらくは、その最悪な相棒に付き合ってあげるといいよ」
「嫌だね。あんなの、ただの五月蝿いチビだ」
「でも、君が闇の底で息苦しくて死にそうな時、その五月蝿い声だけが、君を現世に繋ぎ止める呼び声になる」
彼女の言葉は、予言のようであり、祈りのようでもあった。
少年は、額に触れる彼女の手を振り払わなかった。同じ「太宰治」だからこそ、その優しさがひどく心地よく、そしてほんの少しだけ、おぞましかった。
「ふうん。……じゃあ、君のいる世界の中也は?」
「相変わらず五月蝿くて、相変わらず帽子が趣味の悪い、頼れる『元・相棒』だよ。今でもたまに、私の仕事の邪魔をしてくるけれどね」
そう語る彼女の表情は、どこか柔らかい。
少年太宰は、それを見てふっと自嘲気味に笑った。
「……やっぱり、未来の私はどうかしているよ。光に当てられて、頭がふやけたんじゃないかい」
「かもね。でも、悪くないふやけ方さ」
彼女は少年の包帯で覆われた頬に、そっと自分の唇を寄せた。触れるか触れないかの距離で、甘い囁きを落とす。
「ようこそ、地獄の入口へ、可愛い私。せいぜい、足掻いておいで」
瞬きをした瞬間、目の前の砂色の残像は、霧のように消え去っていた。
残されたのは、静まり返った路地裏と、ほんの少しだけ残る、彼女と同じ紅茶の香り。
「……本当に、最悪な自分だ」
少年太宰はポケットに手を突っ込み、歩き出した。
胸の奥の退屈が、ほんの、ほんの少しだけ、和らいだような気がした。
15歳と18歳(織田作を失ったばかりの頃)
十五歳の太宰治は、深夜の自室で退屈と格闘していた。
ポートマフィアに拾われて少し経った頃。包帯を巻き直すのにも飽き、首を吊る良い梁を探して部屋を見回していたその時、部屋の隅の暗がりに、見慣れない人影があることに気づいた。
黒い大きな外套。返り血の臭いと、焦燥感。そして、あまりにも濃密な「死」の気配。
「おや、泥棒にしては随分と趣味の悪い外套だね。マフィアのビルに忍び込むなんて、命がいくつあっても足りないよ?」
十五歳の太宰は、ベッドに寝そべったまま声をかけた。
だが、暗闇から歩み出てきたその人物の顔を見て、少年はわずかに目を見開いた。
そこにいたのは、自分自身の数年後の姿――それも、「女性」の姿をした十八歳の自分だった。
「……何、それは。数年後の僕は、そんなに性別をころころ変えるのがマイブームなの?」
冗談めかして言った少年だったが、すぐに言葉を失った。
目の前の彼女――十八歳の太宰治♀は、ひどくボロボロだった。衣服は汚れ、何よりその瞳には、生きる意志の欠片も残っていない。ただ深い絶望と、血を吐くような孤独だけがそこにあった。
彼女は少年のベッドの端に、力なく腰を下ろした。
「……静かにしておくれ、年下の私。今の私は、酷く疲れているんだ」
声はかすれ、今にも消えてしまいそうだった。彼女は自分の膝を抱え、小さく身体を震わせている。
十五歳の少年は、その姿を見てすべてを察した。自分自身だからこそ、彼女が「何を失ったのか」は分からずとも、「どれほど決定的な何かが壊れたのか」は痛いほど理解できた。
「ふうん……。何か、とても嫌なことがあったんだね」
少年は起き上がり、彼女の隣に並んで座った。
普段なら他人の不幸を嘲笑うような彼だが、相手が自分、それもここまで完璧に叩きのめされている姿を見ては、茶化す気にもなれなかった。
「ねえ、未来の私。何があったの?」
「……友達が、死んだよ」
彼女はぽつりと、掠れた声で呟いた。
「……彼は最後に、私に『光の側へ行け』と言ったけれど。あいつのいない世界で、どうやって光を見つければいいのか、分からないんだ」
彼女の瞳から、大粒の涙が溢れ落ちた。
黒い外套を濡らすその涙は、十五歳の少年がまだ知らない、本当の「喪失」の味だった。
少年は、そっと自分の小さな手を伸ばし、彼女の震える肩に触れた。
「……馬鹿だね、未来の僕」
少年は静かに、けれど明確に言った。
「君がそんな顔をしてたら、これからその『友達』と出会うはずの僕が、怖くて誰も傍に置けなくなるじゃないか」
彼女はハッとして、涙に濡れた目で少年を見た。
「今の僕には、君の絶望の深さは分からない。でも、君がそこまでボロボロになるほど大切に思える人に、これから出会えるんだね。……それは、少しだけ羨ましいよ」
十五歳の少年は、包帯に覆われた手で、彼女の涙を乱暴に 拭 った。
「泣くのは終わりだ。君が僕の未来なら、さっさと立ち上がって、その友達の遺言とやらを果たしてきなよ。僕はまだ、こんな泥の中にいるんだ。数年後の僕くらい、少しは格好いいところを見せておくれ」
彼女は呆気に取られたように少年を見つめ、それから、ふっと力なく、けれど確かに微笑んだ。
「……手厳しいね。十五歳の私は、こんなに生意気だったかしら」
「悪かったね。さあ、もう行きなよ。僕の部屋で泣かれるのは迷惑だ」
少年が突き放すように言うと、彼女は静かに立ち上がった。その背中には、先ほどまでの絶望だけでなく、微かな「覚悟」の輪郭が戻っていた。
「ありがとう、可愛い私。……君がこれから出会う光を、どうか大切にね」
彼女がそう囁いた瞬間、夜風が部屋を吹き抜け、黒い外套の残像は掻き消えた。
残された十五歳の太宰治は、自分の手のひらを見つめた。
少しだけ冷たかった彼女の体温が、まだ残っている。
「……友達、か」
少年は小さく呟き、まだ見ぬ未来の誰かに想いを馳せるように、静かに目を閉じた。
BEAST×18
十八歳の太宰治♀は、文字通り「死体」のようだった。
織田作之助を看取り、マフィアを抜け、泥水をすするような逃亡生活の最中。薄暗い廃ビルの一室で、彼女は壁に寄りかかり、ただ呼吸をしているだけだった。生きる意味も、光の掴み方もわからない。あるのは、親友を失った底なしの喪失感と、彼が遺した言葉の重圧だけだ。
「……随分と、無様な姿だね」
静寂を破ったのは、ひどく冷徹で、けれど心地よく鼓膜を揺らす声だった。
見上げると、そこには黒い外套を羽織った男が立っていた。
端正な顔立ち、首元を覆う白い包帯。そして何より、瞳の奥に宿る「完全なる虚無」。それは別の世界で、織田作を生かすためにマフィアの首領へと上り詰めた『BEAST』世界の太宰治だった。
「……何、幻覚? それとも、未来の私がわざわざ私を笑いに来たのかい」
彼女は自嘲気味に目を細める。だが、男は何も言わず、彼女の前に跪いた。
「幻覚ではないよ。君のその痛みが、あまりにもうるさく響くものだからね。……可哀想に。全てを失って、心が壊れてしまったんだね」
男の手が、そっと彼女の頬を包み込む。男の手のひらは冷たかったが、その触れ方は驚くほど優しく、繊細だった。
自分自身だからこそ、わかる。どこを触れれば安心するか、どんな言葉を使えばこの防衛本能をすり抜けられるか。男は、彼女の心の「急所」を完璧に理解していた。
「触らないで……。今の私には、君のその完璧な絶望すら煩わしい」
「拒まなくていい。私は君だ。君のその胸の穴の大きさを、世界で一番知っている」
男は彼女の身体を引き寄せ、その細い肩を強く抱きしめた。
彼女は息を呑んだ。反発しようとした力は、男の放つ圧倒的な「同族の匂い」によって瞬時に霧散する。
「泣けばいい。織田作の濾過 を経ていない、君の生のままの絶望を、私に預けなさい」
「織田作」という名を引き金に、彼女の瞳から堰を切ったように涙が溢れ出した。男の黒い外套の肩口に顔を埋め、声を上げて 嗚咽する。
男は何も言わず、ただ彼女の背中を大きな手でゆっくりと、 一定のリズムで叩き続けた。それはかつて、自分が誰かにしてほしかった、完璧な救済の催眠だった。
「どうして……どうしてあいつは死ななきゃいけなかったんだ……! 私は、ただ……」
「わかっている。君はただ、あいつと一緒に生きたかっただけだ。世界を救うだの、人を救うだの、そんな大層なことのためにあいつを失いたくはなかった」
男の言葉は、彼女が心の奥底に封印した「醜い本音」だった。それを全肯定してくれる存在が、今、目の前にいる。
男は彼女の顎をすくい上げ、涙で濡れた瞳を覗き込んだ。そして、慈しむようにその額に口づけを落とす。
「君はよくやったよ。あいつの願い通り、光の側へ行くのだろう? ならば、ここでの涙は私が全て引き受けよう。君の苦痛も、未練も、この私が半分持って行ってあげる」
それは、自分自身にしか許されない、究極の甘やかしだった。
彼女は男の胸の中で、ようやく深い呼吸を取り戻していった。胸の穴が塞がったわけではない。けれど、男の絶対的な理解によって、その傷口は確かに 宥(なだ) められていた。
「……ずるいよ、私」
「ふふ、君に言われたくはないね」
男は満足そうに微笑むと、彼女の髪をひと撫でし、ゆっくりと身体を離した。その姿が薄暗い光の中に溶けていく。
「さあ、生きるんだ、私。私には掴めなかった、あの男の遺した光の世界へ」
気配が消え、静寂が戻る。
しかし、彼女の心には、先ほどまでの凍えるような寒さはなかった。自分の輪郭を取り戻した彼女は、涙を拭い、静かに立ち上がった。
うん、全然書けなくなってる。
ごめんなさい
さいきん鐵腸×条野♀にはまっちまいまして
ずっとpixiv X漁りまくってます
もしかしたら鐵条♀短編集つくるかも
#にょたスト
238
#溺愛
オレンジ
53
コメント
7件
リクエストありがとうございます! BEAST太さんイケメンすぎますね 鐵腸さん×条野さんみたことないな
そして、織田作は中也を含んだたった2人の太宰さんの理解者の1人だったから、余計に太宰さんの前から居なくなって欲しくなかった存在です。 どんな世界線でもいいから、2人が楽しく幸せに生きていける未来を願っていきたいです!! 今回は、リクエストありがとうございました!!
リクエストを出しといて読んでから気づいたことなんですが、 15歳の太は、織田作とこれから会うのかと実感しました だから、そんなまだ“友だち”と思える存在の人にも出会っていないし、そんな大切な存在が自分にできるなんておもってなかったんだなと思いました!! だからこそ、18歳の太は織田作を失ったことが今までで1番辛くて本当に●んでしまいたい出来事だったんだと実感しました。