「真白、お願いがあるんだ」
僕は真白にキスをしたあと、優しく笑いながらお願いをした。真白がきっと断れないのを知っていながらお願いする僕はきっと人間として非常に駄目だろうが、知らない。僕は今、真白と生きる時間を逃したくない。1秒でも長く真白と生きていたい。そばにいたい。離れたくない。
「なーに?」
真白はちょっと、びっくりした顔をしてた。
(僕からお願いされるなんて思ってなかったんだろうなぁ…僕はあまりお願いはしなかったから)
有無を言わさず僕はお願いを聞いてもらうつもりだったけど。
「僕と一緒に、逃げてくれないかな」
「逃げる…?」
真白は不思議そうな顔をしてた。けどハッと何かに気づいたのか、悲しそうに笑いながら頷いてくれた。
「うん、一緒に逃げよう?」
きっと、真白はこのまま病院にいても生きられないことを悟っているんだろう。だから僕と出ることに納得してくれた。けど、僕は真白の親に顔向け…できないなぁ。
僕は真白に手を差し伸べる。
真白は僕の手を掴んだ。
「さぁ、逃亡しよう」
コメント
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終わり方天才かよ続き気になるじゃん