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いきなり鳴ったインターフォン。
ふっかが「俺1人で行く」と言って出ていってしまった。
大丈夫だとは思うけど……。
💛「1人で行かせちゃったけど…大丈夫かな…」
❓「〜〜!!」
💛「……何の声?」
誰かが怒鳴っているような声が聞こえる。
俺は恐る恐る、玄関とリビングを隔てるドアのノブに手をかけた。
ガチャ。
そこにいたのは、苦しそうにしているふっか。
その向こうには、50代くらいの女性が立っていた。
💜「っ…ひっ…ひっ…」
❓「黙ってないで何とか言いなさいよ!」
💛「辰哉!?どうした?大丈夫か!?」
❓「あんた誰よ」
💛「辰哉の友達です。あなたこそ誰ですか?」
🚺「私は辰哉の母親よ!?」
……母親?
こんなふっかの姿を見るのは初めてだった。
過呼吸になっていて、顔は真っ青。
何かに怯えているような、そんな表情。
涙と汗が混じり合い、床に落ちていく。
その姿を見て、俺の中に言葉では言い表せない怒りと憎しみに似た感情が込み上げてきた。
💜「ひゅっ…かひゅ…っ、俺1人でできるからっ…大丈夫…だからっ…向こう行っててっ…」
大丈夫なはずないのに。
過呼吸で、心だってきっと苦しいはずなのに。
なんでそんなことが言えるんだよ。
💛「お前、辰哉になにした!!」
🚺「実の母親でもないのに、今まで育ててきた分の食費とか教材費とか返してもらいに来たのよ!
そういう約束でしょ?ねぇ、辰哉?
出てきたばっかなんだから金くらいあるでしょ?」
なるほど。
今まで溜まっていた児童手当が目的ってわけか。
💛「……ちっ」
💜「わ、分かったっ…!ひゅ〜っ…お金っ…払うからっ…!だからっ…もぉ…来ないでっっ…!!」
💛「いや、辰哉は払わなくていい。払う必要なんてない」
💛「実の母親じゃないなら、育児放棄したなら、お前に辰哉が金を払う義務なんてない」
💛「これ以上しつこく来るなら、訴えるぞ」
🚺「っ…!なんなのよ……!!」
そう吐き捨てて、ふっかの“母親”は俺たちの家を後にした。
……静寂が戻る。
💛「ふっか、大丈夫?……なわけないか」
💜「かひゅっ…かひゅっ〜……はっ……」
💛「あいつと何があったの?なんでスノ学に来た?ゆっくりでいい。教えて?」
💜「……俺の母親は、ホスト狂いだった。父親もキャバ狂いだった。」
ふっかは呼吸を整えながら、少しずつ——
ゆっくり、ゆっくりと話し始めてくれた。