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バーバラに寛大な配慮をしたと私の屋敷での評価が上がった。
別に許した訳ではないが本来ならもっと厳しく罰せられてもおかしくない状況だったのかバーバラもかなり感謝してこの屋敷を去っていったようだ。
「奥様、この料理も召し上がりますか?」
「近くに美味しいお店がありますので良かったらウィリアム様とユウリ様とどうでしょう?」
など……メイド達が笑顔で察して来るようになった。
まぁ最初のビクビクした感じで対応されるよりよっぽどいい。
「あら、美味しそう。食べてみたいわ」
「なら、ウィリアムが行けそうなら聞いてみるわね」
笑顔で対応するとさらに感激していた。
普通に対応してるだけなんだけど……と心の中で軽く笑う。
「おかーさま?」
私が笑っているとユウリが顔を覗き込む。
ユウリも最近は私にベッタリで優里亜が話していた子とはかなり違う子供時代を過ごしているのではないかと思う。
「なぁにユウリ」
笑ってその頭を撫でれば頬を緩めて嬉しそうな顔を向けてくれる。
「おとーさま、明日も忙しいのかな?」
少し寂しそうな顔を見せた。
ウィリアムは食事と夜は一緒に過ごせているが昼間などはここの領地でやることがあるようで部屋に籠もり仕事をしていた。
せっかくの家族旅行のようなものなのになかなか一緒に遊べないでいたのだ。
「そうね、今夜お父様に聞いてみましょう」
そういうとユウリは期待を込めた瞳を私に向けた。
約束通り夜の食事の時にウィリアムに話しかけた。
「あなた、明日も仕事は忙しいのかしら?」
ウィリアムが食事の手を止めてこちらを見る。
「せっかく素敵なところに来ているんだから、少しくらい一緒に過ごせないかしら」
チラッとユウリの方を見る。
ユウリはドキドキした顔でウィリアムの言葉を待っている。
「そうだな、明日の予定は?」
アルバートが手帳を開くとウィリアムに話しかける。
「明日は領主のクルド様との昼食と街の視察が入っております」
「そうか……」
難しそうな顔をするとアルバートが案を出してきた。
「もし良ければ一緒に視察に回ってはいかがですか? 昼食はプルメリア様とユウリ様は街で流行りのお店をご案内しますよ」
「行きたい!」
ユウリが珍しく食事中に立ち上がり声をあげる。すぐにハッとして座り、すみませんと謝っていた。
「うん、気をつけるように。では明日一緒に街に行こうか」
ウィリアムは軽くユウリをたしなめたあと、穏やかな顔でユウリに問いかける。
「はい!」
ユウリは怒られた事も忘れたようなキラキラした顔で私の顔を見ていた。
「良かったわね」
ユウリはその日の食事をいつも以上に食べると早々ベッドに潜り込んだ。
「おかーさま、お昼はなにが食べたいですか?」
「そうね、ユウリが好きなもの食べましょう」
いつもなら本を読む時間だったが今夜はユウリの街での話をする時間となった。
「ぼく、うみにいってみたいです」
「お母さんも行きたい!」
一緒に行こうねと約束するとユウリはさらに興奮して寝られないかと思ったが電池が切れたかのようにパタッと寝てしまった。
その様子に私は笑うと自分の寝る準備を整える。
今夜もウィリアムは遅いかなと先に横になろうかと思っているとウィリアムが濡れた髪のままやってきた。
「今夜はもう終わったんですか?」
「ああ、君は寝るところかい?」
私の様子に少し残念そうな顔をしてそばに寄ってきた。
私はウィリアムの肩にかかったタオルを掴むとウィリアムをソファーに座らせる。
前に頭を拭いてあげたのが気に入ったのかたまにこうして濡れたままやってくるようになった。
後ろに回り優しく髪を拭いてあげると気持ちよさそうにその身を預けている。
「今日はユウリのお願いを聞いてくださってありがとうございます。あの子すごく楽しみにしていますよ」
「それなら良かった……君はどうだ?」
「私? 私も街に行けて嬉しいわ」
前世も合わせて出かけるのなんて久しぶりだ、と軽く答えたが結構ドキドキして楽しみにしていた。
するとタオルを拭いていた手を止められ、握りしめられる。
「私も楽しみだ」
ウィリアムはユウリと同じように頬を少し赤くして私を見つめてきた。
湯上りで体が暑くてそうなっているのかもしれないがその顔を見ると胸の奥がムズムズとする。
私は笑ってその手を離すと再びウィリアムの髪を乾かした。
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