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「ただいまぁ……」
口に出した言葉は誰もいない家に吸い込まれて消えていく
まだ、愛する人は帰ってきていないようだった
スマホは充電が切れていた
コンセントに刺すと、たくさんの通知が画面に出てきた
メンバーだけでなく、俺と仲良くしてもらってる俳優さん、同期、友達からメール、電話、合わせて100件以上届いていた
どれも、俺を心配してくれてるものだった
それぞれのメールに返信しているとふっかさんから電話がかかってきた
「もしもし?」
「あ、出た」
「しょっぴー!?!?」
突然の愛する人の声に驚きが隠せない
「うるせぇよ」
声が少し遠くなった気がするのでスマホから遠ざかったのだろう
「ごめん」
「別にいいけど」
「起きたの?」
「1時間ぐらい前にな!」
「え?」
いきなり康二の声がしてびっくりする
「ちょっと、今翔太が喋ってるんだよ!」
「そうだぞ〜」
阿部ちゃんと岩本くんが注意する声もする
「俺やってめめと話したい〜」
「我慢しろ!」
「え〜」
ふっかさんの声もする
全員いる?
「めめ多分混乱してるぞ」
「めめ?」
「ん?」
しょっぴーが救いの声がする
「一応、メンバー全員いるからね?」
「あ、そうなんだ…」
「今からそっち行くね」
「ん、待ってる」
俺は、ソファーに置いていたコートをもう一度着て鍵とスマホを掴み、外に出た
タクシーを捕まえ、病院へと向かう
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「しょっぴー」
「マジで来た」
病室には阿部ちゃんとしょっぴーしかいなかった
「なんでそんな事言うの」
「ごめんって」
「早かったね」
「道が結構空いてたから」
「こんな時間だもんね」
「しょっぴーどうだった?」
「もう大丈夫」
「ほんとに?痛いとことかない?」
「ないって」
「心配性だね〜」
「そりゃあ、恋人だからね」
こればかりはどうしようもない
「ラブラブやねぇ〜」
「ここ病院だぞー」
康二と佐久間くんがいつの間にか帰ってきた
「はいはい」
わざといじけた声を出す
「そーゆーのは家だぞ」
「そーそー」
そのうち、他のメンバーも部屋に入ってきて一気に部屋が明るく、暖かくなった気がした
『はいおっけー』
声がかかると、佐久間くんがしゃがみこむ
どうやら、足を扉の角にぶつけたらしい
音が立たず、静かにぶつけたから、きづいたのは俺と阿部ちゃんだけだった
俺らは笑いこらえるのに必死だった
「え、なに、どしたん!?さっくん!?」
康二が焦る
「佐久間はねぇ、扉の角に足ぶつけたんだよ」
阿部ちゃんが説明する
「うわ、痛そ」
「運動苦手だもんね」
ラウールと舘さんが佐久間くんを見て、お茶を貰いに行った
なんか佐久間くん可哀想