3.しにがみ
「ふぁ...」
朝の光が寝起きの僕の目には眩しい。
大きな欠伸をしながら愛用のPCを開くと、そこには。
「え?! ぺいんとさん?!」
尊敬するゲーム実況者からのコラボ勧誘のDMが送られていた。
僕の名はしにがみ。
マイクラを中心に活動する、とある普通の個人ゲーム実況者だ。
そんな僕に、あのぺいんとさんがコラボ...?
僕の頭は「?」でいっぱいだ。
とりあえず僕はDMを開いた。
『突然すみません。ぺいんとと申します。急なお願いなのですが、コラボをしにがみさんにお願いしたいのですが、良ければどうでしょうか』
そんなメッセージが飛び込んできた。
「え...そんな...僕でほんとにいいのかなぁ...」
思わず口に出してぶつぶつ呟く僕。
返信をパタタッと打って送信した。
『お誘いありがとうございます。僕でよければコラボしてみたいです!!企画内容などを詳しく教えて欲しいです。』
このような文を送ると、直ぐに返信が来た。
「早いなぁ...」
『ありがとうございます!! という企画で、しにがみさんには参加するのと別でゲームのコマンドを組んでもらいたいです。よろしいでしょうか?』
『もちろんです!! どういうコマンドがいいとかありますか?』
『 みたいな感じで、わーっとやって貰ったら嬉しいです!!』
『わかりました!!』
『じゅいーんとやっちゃってください』
「...え?」
ぺいんとさんのメッセージに、一瞬ぽかんとなる僕。
『じゅいーんですか...、よく分からないけどやってみます。』
と、随分素っ気なく返してしまった。
するとぺいんとさんは慌てたように返信してきた。
『いえ言葉の綾なので、そんなに気にしなくていいですよ!! とにかくお願いします。』
『はい!!』
僕はやり取りを終えて、ゲーミングチェアの背もたれに体を預ける。
「ゲームのコマンドかあ...」
僕の得意とする分野だ。
どんな風に作ろうか、どんな小ネタを挟もうか、と頭が回転し始める。
僕はよっと立ち上がって、拳を握った。