コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「…なんで…そんな…こと…言うんですか…?」
彼女は驚きで目を見開き照れたように言う
「冗談だと思う?」
「いや…分からない…その…」
「ん?」
なにか自分で嫌な予感がする。シャットの目が少し俯き涙が浮かびそうで浮かない。
少し間をおきながら「…まだ…元彼のこと…好きだから
だから分からない…あなたが私のこと好きでも…
私はあなたのこと好きになるか…もう分からない…」
「…ははっ…」
メガネをあげながら目を隠す
「酔ったみたいだ…
こんなこと言うなんて…」
「あぁ…忘れてくれ…」
「え…ごめんなさい…私の飲んだから…」
「いや、いいよ…さぁ、帰ろう。酔いつぶれる前に」
「えぇ、そうですね」
シャットの家に戻る。シャットのベランダを借りてたばこに火をつける。
「スーッ…はぁ…」
ダメだ。吸っても収まらない…
聞きたくなかった。こんなの今更。自分が聞きたいと言ったから言ってくれたから…
「ねぇ、シャル…
冗談じゃないよ…本気だよ…本気で…君のことが好きだよ…出会った頃から…ずっと…ずっと…」
聞こえない。必ず聞こえない
人に愛を抱くと思わなかった。
特に何を考えているか分からないこの奇妙で不思議で掴めない女に。
「見た目だけはいいのに…もっと明るかったり人と話せるなら誰からも好かれる…」
あぁ…違う…誰からも好かれなさそうなのが好きなのかもしれない。明るくないから、人と話すのが苦手だから、好きになったのかもしれない…
ベランダから出ると
「アラスター…落ち着きましたか?寝た方がよろしいのでは?」
シャットと話すとよくわかる。話せば誰でも好きになるさ。優しくて落ち着く声で話してくれる…
「シャル…」
「ん?」
ずっと一緒にいたい…一生そばにいたい。私なら彼女を悲しませない
「一緒の仕事に就きませんか?」
「…え?」
「一緒にラジオ司会者やらないか?」
「間違ってたらすみませんが…私とアメリカに…ですよね?」
「もちろん」
「…それならお願いがあります…」
アラスターの顔に近づく
「私の頼みなら聞いてくれますよね?」
急に積極的になり少し驚くが目は真剣で本気だと思った
「もちろんあなたの言うことならなんでも聞くよ」
「…まぁ、できなくてもいいんですが…上司のこと…
殺せませんか?」
急な発言に自分の体は固まる
「できないならいいです。
でも、できますよね?あなたなら」
でも君が私のこと信用してくれるなら「…できるに決まってるだろ?あなたのためなら」
シャット視点
アメリカに行った際見てしまった。アラスターが人を殺したところを。
たまたまアメリカの自然も撮る機会に森に行ったら叫び声が聞こえて小さな小屋があった。そこにはアラスターがいた。でも…驚かなかった。初めてじゃないしだって
私も人を殺したことあるし
2年前 アメリカに出張に行く数日前
彼氏の名前はパトラ しつこくて顔しか良くなくて女好きで自分の1個下でモデルだった。私は彼を撮るカメラマンだった。
彼も私にアタックをしていた。本当にしつこい人で付き合わないなら今ここで死んでやるなど言う人で仕方なく付き合ってしまった。
そしてアメリカへの出張が決まった日。自分が遠距離恋愛が嫌で別れたいといった。
それが原因だった。
彼は次の日亡くなった。私が殺した。多分。私は彼の死因を知らない。自殺なのか…私があのまま殺したのか…
覚えてない…いや、思い出したくもない。
そして次の日
アラスターは本当に上司を殺した。私は上司が死んでもどうでもよかった。それより死んだ方がいいだろと思ってる
「…クソビッチが…」
アラスターは驚いたように目を見開く
「…あなたからそんな言葉出ると思わなかったよ」
「…これ…私の彼氏の連絡先ですが彼氏は上司と浮気してたんですよ…私と付き合う前から」
「あと…束縛というか…絶対にやめさせないっていうのが嫌だったから…まぁいいや」
シャットは人が殺された直後だと思われない笑みを浮かべた。「アラスター…私決めました」少し笑うようにアラスターに問いかける。
「私はあなたと一緒に地獄におちます。さぁ、行きましょうアメリカに…一緒に地獄の声を届けましょう」
狂気の笑みを浮かべる彼女はどんなものより美しかった。世界一美しいと言われるクレオパトラよりもフェルメールが書いた真珠の耳飾りの少女よりもサンゴ礁の海よりも…
今彼女は私にとって
この世界で一番美しい
**
**